You're My Only Shinin' Star (215) ミナムの心 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ジェルミの説得?によりすっかり気分の良くなったアン社長は、ここのところプライベートでの付き合いがめっきり減っていたことに反省すると、今度は暇を見つけては何かとテギョンに声をかけるようになった。

そんなアン社長に食事に誘われサウナに誘われ、上手くかわし頬を引きつらせながらもたまには付き合うテギョン。

仕事以外でのアン社長との付き合いにテギョンだけでなくメンバーも加わると、話はミニョの兄であるミナムに振られることもあった。




「いくら相手がテギョンでも「妹は嫁にやらん!」とか思ったことはないのか?」


食事をし、ほどよく酔いの回ったアン社長の問いにミナムは声を上げて笑った。


「アハハ、そんなの思ったことないですよ。」


そのまま焼酎をぐいぐい飲んでいくミナム。


「じゃあミニョが幸せならそれでいいって感じ?」


ジェルミが肉を頬張りながらミナムの方を向き、持っていたフォークでサラダを突っついた。


「それもちょっと違うか、ミナムってミニョのことにあんまり関心がないっていうか、突き放してるっていうか、真剣に心配したこととかないんじゃない?」


「ピンポーン、正解。俺、基本女はヘイのことしか考えてないから、別にミニョのこと心配なんかしてないよ~」


「おいおいミナム、珍しく酔ってるんじゃないか?」


こんな風に一緒に飲んでいて、ミナムが外で酔う姿は今までに一度見たことがあるかないか、というくらい珍しいこと。
ミナムのふらつく身体を隣に座っていたシヌが支えた。


「さっきから食べずに飲んでばっかりじゃないか、身体に悪いぞ・・・何かあったのか?」


ミナムの前には焼酎の空き瓶が何本も立っている。

いつもならジェルミと競うように食べているミナムが今日は食べ物にはほとんど手を付けていない。


「何だミナム、悩み事か?一人で悩んでないでこの俺に話してみろ。」


アン社長は「人生の先輩として俺が相談を受けるのは当然だ」と言わんばかりに、フフンと笑うとポンポンと自分の胸を叩いた。


「別に悩みなんてないですよ、アン社長のおごりだと思うと酒が美味くって。ヘヘヘ、でもちょっと今日は飲み過ぎたかな・・・俺、先に帰ります。」


立ち上がり歩き出すがミナムの身体は揺れている。


「タクシー呼んでやる。」


見兼ねたテギョンは小さく舌打ちをするとミナムの身体を支えながら店の外までついて行った。






『ピンポーン・・・』


『ピンポーン、ピンポーン・・・』


『ピンポン、ピンポン、ピンポン』




マンションの一室で鳴り続けるインターホンの音に苛ついたヘイは目尻を吊り上げた。


「ああもう!一度押せば判るわよ!」


「判っても開けてくれないじゃないか。」


ミナムは目の前のドアが開くとヘイの怒った顔にも全く動じることなく部屋の中へ入り、ソファーにどさりと重い身体を沈めた。


「いきなり来る方が悪いのよ。」


「さっき電話しただろ。」


「そうね、一分くらい前かしら?」


「タクシー降りた時だったからな・・・そうか!乗った時にすりゃよかったんだ。」


ヘイの嫌味など気にも留めない様子でソファーにもたれ腕組みをするミナムは真剣な表情でそう言うと、次の瞬間にはクスクスと笑いだした。


「先週俺が持って来たビール、まだあるだろ?出してよ。」


「まだ飲む気?やめといたら?明日も仕事あるんでしょ?」


「いいのいいの、昼からだから。ここに来るまでにちょっとは酔いが醒めたし、それに俺じゃなくて飲むのはヘイだから。」


「何で私が。」


「明日はオフだろ?これから何処かへ出掛けるとも思えないし。」


「どうせ私には一緒に遊びに出掛けるような友達なんていないわよ、悪い?」


「いいや、悪くない。その分一緒にいられるんだから嬉しいよ。」


文句を言いながらも冷蔵庫へと向かっていたヘイの足が止まった。

ゆっくりと振り向くとミナムの笑顔。

ストレートな言葉と少年のような笑顔にヘイの胸はキュッと締め付けられる。


赤くなった顔をミナムに見られまいと、ヘイは慌てて冷蔵庫を開けた。




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