You're My Only Shinin' Star (214) 思惑 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

ミニョはイギリスから帰り、ライブツアーも大成功で幕を閉じ、テギョンも上機嫌・・・の筈が、練習室へ戻って来たテギョンは小さな舌打ちの後大きなため息をついた。


「アン社長、折れないみたいだね。」


ミナムがテギョンに近づく。

眉間にしわを寄せたテギョンは残り少ないペットボトルの水を一気に飲み干すと、タンッ!と大きな音を立てテーブルへ置いた空のペットボトルを見つめ、また部屋から出て行った。

テギョンの機嫌がよくないことは一目瞭然。

ジェルミはバタンと閉まったドアを見ながら首を傾げシヌに話しかけた。


「俺、テギョンヒョンって反対されても勝手に結婚しちゃうと思ってたのに・・・何であんなにアン社長に許可をもらおうとするんだろう。」


テギョンが秋に結婚しようとしているのを知っているのは事務所の中でもメンバー、アン社長、マ室長、ワンコーディだけ。

まずはアン社長を説き伏せてから・・・と、他には漏れないように注意しながらアン社長が一人でいる時を見計らい、話し合いに持ち込もうとしているテギョンの姿をジェルミは意外な面持ちで見ていた。


「結構好き勝手やってるように見えるけど、テギョンはそういうとこきちんとしてるからな。今までアン社長にはずいぶん世話になってるし、全くの無視という訳にはいかないんだろう。」


「できたばっかのこの事務所に俺達が入って、ご飯だって毎日のようにおごってもらって、よくサウナにも一緒に行ったよね。」


ジェルミは数年前を懐かしむように目を閉じてうんうんと頷いている。


「テギョンヒョンのアレルギーにも凄く気を遣って、いっつも俺達に食べる物とかチェックさせてたよね。」


「ああ、テギョンはうっとうしがってたけどな。」


「アン社長ってここでは俺達の父親みたいな存在かも・・・そうか!テギョンヒョンがアン社長に結婚の許可をもらおうとしてるのって、親に結婚を認めてもらおうとするのと同じ気持ちなのかも。」


ジェルミは『何故テギョンがそこまでアン社長を気にするのか?』という疑問に「自分は正しい答えを導き出したんだぁ~」と言わんばかりに笑顔で大きく頷く。


「そういう気持ちをアン社長に伝えればきっと判ってくれるんじゃないかな。」


「まあ確かにそういう考え方もあるが・・・」


「ああ、でもテギョンヒョンのことだからアン社長のこと「父親みたいに慕ってます」なんて言えないよね~」


「いやまだ実際にテギョンがどう思ってるかは・・・」


「よし!ここは俺の出番だね。俺だってちゃんと役に立つってことを証明してみせる。」


ジェルミはシヌの言葉など全く耳に入らない様子で一人で興奮すると、椅子から勢いよく立ち上がる。ドアを開けると再び部屋へ入ろうとしているテギョンと目が合った。


「テギョンヒョン、期待して待っててね~」


何のことだかさっぱり判らず首を傾げるテギョンを見ながらジェルミは笑顔で部屋を出て行った。


「何なんだ、ジェルミのやつ。」


訝しげな表情のテギョン。


「ねえ、どうしてそんなにアン社長にこだわるの?家族の俺がいいって言ってるんだから気にすることないのに。」


椅子に浅く腰掛け、背もたれにぐっと体重をかけるように座ったテギョンは手に持ったペットボトルのキャップを開け水を一口飲んだ。


「今のうちにきちんと話をつけておかないと・・・後で面倒なことになるのは嫌だからな。」


「面倒って?」


「ドラマに出ろとか映画に出ろとか。今はまだもう少し後でもいいじゃないかと言っているだけだが、いつ条件を出してくるか判らん。それにもっととんでもないことを言いだすかも知れないからな。」


「とんでもないこと?」


「ミニョを事務所に入れろとかCDを出すぞとか・・・前にキッパリ断ったのにまだ時々そんな話を匂わせることがある。何も言わない今のうちに認めさせないと。こうなったら記者会見でも開くか・・・秋に結婚すると発表してしまえばアン社長も認めるしかないだろう。」


ジェルミの想像とは全く違っていた理由にミナムがテギョンらしいと納得していると、ガチャッとドアが大きく開きアン社長が現れた。


「ソーリー、テギョーン。」


アン社長は何事かと椅子から立ち上がったテギョンの前に来ると興奮気味にその身体をギュッと抱きしめた。


「な!何なんですアン社長!いきなり。」


目を丸くしてアン社長の腕から逃れるテギョンの背中をバンバンと叩くと、アン社長は満面の笑みでテギョンを見た。


「テギョンの気持ちは全部ジェルミから聞いた。どうしてもっと早く俺に話さなかったんだ。いいや、シャイなお前の心の内を察してやれなくてすまない。そうだよな、俺達は長い付き合いだし、これからもずっと一緒だ。結婚は希望通り秋にしろ、何なら夏でもいいぞ。ああでも仕事が忙しいからな、やっぱり秋にしてくれ。オフも二週間・・・は無理だが、十日くらいなら何とかしよう。それまでは忙しくても我慢してくれよ。あ、あと、このことはまだ内密にな。記者にでも嗅ぎつけられたらうるさいしテギョンも騒がしいのは嫌いだろ。公表するのは後にした方がオフはゆっくりできるからな。ああ、そうやって考えると何だか楽しいな、ハハハ!テギョン、悩み事があったら遠慮なんかしないで相談しろよ。俺達は家族も同然なんだからな。」


終始ご機嫌なアン社長は一方的にしゃべった後、笑いながらテギョンの肩をバンバンと叩き、笑顔で部屋から出て行った。

テギョンはアン社長が消えたドアと叩かれた肩を訝しげに見る。


「ジェルミ、アン社長に一体何を言ったんだ?」


「え?何って・・・テギョンヒョンの気持ちを俺が代わりに言ってあげただけだよ。でもよかったね、アン社長、結婚のこと快くOKしてくれて。」


得意満面で胸を張るジェルミを怪訝な顔で見ながらも、テギョンの口元には笑みが浮かぶ。


しかし翌日から始まった「サウナで一緒に汗を流すぞ!」というアン社長からの連日の誘いに、笑みの浮かんでいたテギョンの口元は徐々に歪んでいった。




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今日は久しぶりにゆ~っくり買い物をしました。


春物がたくさん並んでいて、見ていると楽しい。

パンツスーツ、靴、バッグ、ベルトを購入♪



その後本屋さんへ。



私のだ~~~~~い好きな作家さんの本が文庫になったと新聞の新刊紹介で見て、ウキウキしながら行きました。


あるか、ないか・・・少し緊張しながら目当ての本を探し・・・


あったーっ!

嬉しいーっ!


最近本はマンガも小説もほとんど読んでなくて、すーっごく久しぶり。


取り敢えずこれをアップするまでは手を付けまいと、読みたいのを我慢して。


うずうず、どきどき、えへへ・・・とPCの横に置いた本のカバーをチラチラ見ながら本に手が伸びるのを何とか堪えてます(笑)



さあ、あと少し。



ふっふっふ・・・




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