You're My Only Shinin' Star (212) 心は傍に 5 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

足取りの軽い カトリーヌの後を戸惑いながらミニョもついて行く。

一旦教会の外に出た二人は裏口に回ると再び教会内へと入り、長い廊下を歩いて一つの部屋のドアを開けた。


「ビルさんからミニョへ、プレゼントですって。」


カトリーヌの言う『控え室』に入るとミニョは一着のドレスを渡された。


「二人で一緒にドレスを見に行ったんだけど、何だかとっても嬉しそうだったわ。

・・・よかった、ピッタリね。」


鮮やかな青いノースリーブのロングドレスは上半身と下半身でギャザーが切り換えられている。ボリュームのあるスカートとアシンメトリーに寄せたギャザーが上半身をすっきりと見せていた。


「こんな素敵なドレス・・・どうして私なんかに・・・」


「ビルさんね、数年前にお孫さんを亡くされたんですって。そのお孫さんも歌が好きでよく歌って聴かせてくれた・・・って。ミニョはお孫さんに似てるって仰ってたわ。姿形じゃなく、自分に話しかけて歌ってくれた優しい心が似てるって。・・・ミニョに会うのをとても楽しみにしてらしたわ。ミニョも歌を聴いてもらいたかったんでしょう?」


「でもランチタイムコンサートだなんて・・・私なんかが歌ってもいい場所なんでしょうか。」


歌を聴いてもらいたかったことは確かだが、それはアフリカで歌った時のように彼だけに聴いてもらえればと思っていた。まさか旅行者の自分がこんな大きな教会で、しかも大勢の人の前で歌うことになるとは夢にも思わなかった。


突然のことに緊張してミニョの鼓動は速さを増していく。


「そんなこと考えてたらいい声は出せないわ。ほら、リラックスして。ビルさんに伝えたい想いがあるならチャンスだと思って、場所なんて気にしないの」


スタンドミラーの前に立ち不安げな表情を見せるミニョの背中をポンポンと軽く叩くと、カトリーヌはいつもの微笑みを浮かべた。






胸元に輝く星のネックレス。

ミニョは心を落ち着けるように胸の星をギュッと握りしめ呼吸を整えた。





ランチタイムコンサート




少しざわついた空間にミニョの優しい歌声が響いた。





    Amazing grace how sweet the sound

   

    That saved a wretch like me.

   

    I once was lost but now am found,

   

    Was blind but now I see. 



    アメイジング・グレイス 何と美しい響きであろうか
    私のような者までも救ってくださる
    道を踏み外しさまよっていた私を神は救い上げてくださり
    今まで見えなかった神の恵みを今は見出すことができる





弦楽四重奏が終わり、帰りかけていた人の足が止まった。

話をしていた人は口を閉ざし、立っていた人は再び腰を下ろす。

皆の視線が祭壇の前で歌うミニョへと注がれた。





    'Twas grace that taught my heart to fear,
  

    And grace my fears relieved,
  

    How precious did that grace appear,
   

    The hour I first believed.



    神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し
    その恐れから心を解き放ち給う
    信じる事を始めたその時の
    神の恵みのなんと尊いことか・・・








ビルはミニョの声に集中するように軽く目を瞑りじっと耳を傾けた。


ミニョの歌に何を感じ、何を想っていたのだろう。


しわの刻まれた目尻からは一筋の涙が頬を伝って零れ落ちていた。







ランチタイムコンサートが終わるとミニョはカトリーヌと共にビルに招かれ彼の邸宅へ。

運転手の運転する黒塗りのロールスロイスが大きな門を通り敷地内へと進んで行く。

建物まで数百メートルもありそうな道は真っ直ぐに伸びていて、左右には綺麗に刈り揃えられた芝生と色鮮やかな花壇。その向こうには大きな池とまるで森のようにたくさんの樹木が立ち並ぶ。

玄関前には大きな噴水があり、それを囲むようにロータリーが造られていた。

車から降りると黒い服を着た男達がずらりと並んで頭を下げている。その一種異様な光景に戸惑いながらミニョもペコリと頭を下げた。


ビルに案内され建物の中へと足を踏み入れたミニョは、門を通ってからここまでの距離とまるで宮殿のような立派な建物に、ただただ息を呑むばかりだった。

吹き抜けになっている玄関ホールのあまりの天井の高さに首が痛くなるほど上を見上げ、そこから吊り下げられた大きなシャンデリア、壁に掛けられた数々の絵画、廊下に置かれた美しい彫刻に目を奪われながら客間へと案内された。


アフリカでのこと、韓国に帰って来てからのこと。ミニョはビルに今日までのことを楽しそうに色々と話した。


「またイギリスへ来ることがあれば今日にように楽しい話を聞かせて欲しい。」


「はい、今日は本当にありがとうございました。たくさんお話しできてとっても楽しかったです。ビルさんも今度是非、韓国にいらして下さい。」


あっという間に時間は過ぎていき、名残惜しいがビルと別れのあいさつを交わすと、ミニョはカトリーヌと共に車に乗り込んだ。






夜、いつものように今日あった出来事を電話で話すミニョ。

その日の内容はミニョがイギリスへ行ってから一番テギョンを驚かせることになった。




。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆



ああ、また随分と遅い更新になってしまいました・・・




そして・・・今年読者登録して下さった方・・・すみません!

お礼のメッセ送ってません!

ごめんなさい~m(__)m



この場を借りてひと言お礼を・・・


「読者登録ありがとうございます。のんびりな更新ですが最後までお付き合いいただけると嬉しいです。」



ずぼらでごめんなさい・・・



*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜



ピグのお部屋にいろいろと置いていって下さる方、ありがとうございます。

お庭でもたくさんのバレンタインお菓子ありがとうございました。




あっという間に2月も半ば。

バレンタインも過ぎました。

もう終わっちゃったけど一応バレンタイン絡みのお話あるんですが・・・甘さはかなり控え目です。


・・・いります?




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