食事で賑わう店内で、その一角だけが妙な空気に包まれている。といってもその空気を纏っているのはミニョとハン・テギョンの二人であって、ソユンとシヒョンは目の前の二人のぎこちない様子にお互いに顔を見合わせ首を傾げていた。
「ミニョさんもテギョンオッパもどうかしたんですか?せっかく半年ぶりに会ったんだからもっと喜んで下さいよ。」
ソユンとシヒョンにしてみれば目の前の二人の態度が不思議に思えて仕方がない。
アフリカで一緒に過ごした期間は短かったが、彼女たちの目にはミニョとハン・テギョンはお互いを意識して好意を持っているように見えていた。
それが今の二人は久しぶりの再会に喜びを上手く表現出来ないでいる・・・というより、どう見ても困っているようにしか見えない。
ハン・テギョンは二人の訝しむような視線に一つ深呼吸をし、気を取り直すとミニョの方を見ていつもの笑顔を浮かべた。
「やあ、久しぶり・・・元気、だった?」
「え?あ、はい・・・お陰さまで・・・」
「ごめん、今日ミニョちゃんが来てるって知らなかったんだ。知ってたら遠慮したんだけど・・・僕と一緒だと気まずいよね・・・って、僕がこんな調子だから気を遣わせてるのかな?」
「いえ、あの、なんて言ったらいいのか・・・すみません・・・」
「謝らないで、思い出しちゃうから。それにミニョちゃんが悪い訳じゃない。」
「あ、ごめ」
ミニョは「ごめんなさい」と言いかけた口を慌てて閉じた。
そのまま二人共暫く沈黙のまま。
二人の会話を聞いていたシヒョンはふと疑問に思ったことを口にした。
「ねえ、テギョンオッパ、アフリカにいた時はミニョさんって呼んでましたよね。いつの間にミニョちゃんになったんですか?」
「本当だ!それに今の会話、半年ぶりにあったとは思えないんだけど・・・もしかして二人って帰って来てから会ってたんですか!?」
ミニョとハン・テギョンが何も言わずにいるとソユンが更に続けた。
「私達ってもしかして余計なことしちゃった?二人で会ってたんならわざわざ今日会うように仕向けなくても良かったんだ。っていうより、私達ってお邪魔?ごめんね~ミニョさん。何だ、それならそうと早く言ってくれれば良かったのに。今日はミニョさんにテギョンオッパのことどう思ってるか聞こうと思ってたの。・・・・・・で、二人はいつから付き合ってるんですか?」
興味津々といった顔つきのソユンとシヒョン。
「いえ、あの、違うんです・・・」
ミニョの反論も盛り上がっている二人には『照れている』と捉えられたのか、ソユンとシヒョンは顔を見合わせてキャーキャーと騒いでいる。
ミニョはどう説明したらいいのかと困り顔。
「違うんだ、僕がミニョちゃんに告白して・・・振られたんだ。」
ハン・テギョンは苦笑いを浮かべた。
ハン・テギョンの言葉に、騒いでいた二人は口をつぐみ、静かになったところにハン・テギョンの携帯が鳴った。電話に出る為席を立つと、残された三人は暫く黙ったままだった。
「・・・今の・・・本当なの?」
シヒョンが俯き加減のミニョの顔を覗き込むように言葉をかけるとミニョは小さく頷く。
いつの間にそういうことになっていたのかと驚いた二人だったが、今この場にハン・テギョンがいないせいかソユンとシヒョンの興味はあっという間に次のことに移っていた。
「ね、何で?テギョンオッパって優しくていい人だと思うけど。」
「アフリカにいた時には絶対にミニョさんってテギョンオッパのこと好きだと思ってたんだけどなぁ。」
「テギョンオッパがミニョさんのこと好きだっていう私たちの予想は当たってたのにね。」
「テギョンオッパのどこが気に入らないの?」
どこ?と聞かれてもミニョには答えようがない。
気に入るとか気に入らないとか、そういう問題ではなくそれ以前の問題で。
「あの、そうじゃなくて・・・私にも、彼氏、が、いるんで・・・」
「「ええーっ!!」」
思いもよらない言葉だったのか二人は声を揃えて驚いた。
「ミニョさんってずっと修道院にいてシスターになろうとしてたんでしょ?修道院を出てすぐにボランティアに行って、帰ってからも聖堂の施設で仕事して。一体どこにそんな出会いが・・・ってゴメン、私凄く失礼なこと言ってる。バスの中だって道歩いてたって出会いはあるよね。私だって今の彼、三ヶ月前にバイト先で知り合った人だし。」
まくしたてたシヒョンは照れたように笑うとビールを飲んだ。
「ねえねえ、どんな人?年上?」
「はい、私より二つ上です。」
「どこで知り合ったの?」
ソユンとシヒョンにとってこういう話をするのはごく当たり前のことなのか、ミニョに色々と聞きながらも、「私の彼はねえ・・・」と自分たちの彼氏の話をして盛り上がっている。
しかしミニョにとっては初めての経験で。
『彼氏』のことを話すのは嬉しいようなちょっと恥ずかしいような、何だかくすぐったい気がする。
それでも「仕事は何をしている人なの?」と聞かれると素直に本当のことを話すことができない。
交際発表はしても、やっぱり自分から『ファン・テギョン』を匂わすようなことはなかなか言えなくて・・・
答えに詰まったミニョは目の前にあるジュースを一気に飲み干すとガタンッと席を立った。
「あの、えっと、ごめんなさい、私そろそろ帰らないと・・・今日は凄く楽しかったです、誘って下さってありがとうございました。」
ペコリと頭を下げると半ば逃げるように店から出て行った。
電話を終えテーブルに戻って来たハン・テギョンはミニョの姿が見えないことに「やっぱり僕が一緒だから気まずかったんだね」と力なく笑い、小さなグラスに注がれた焼酎を一気に飲んだ。
目の前の二人は空のグラスを手に話している。
「ミニョさん私の果実酒、間違えて飲んじゃったけど大丈夫かなぁ。」
「ミニョさんの飲んでたジュースと同じ色だもんね。お酒弱いって言ってたけど・・・」
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お祭り、終わったーーっ!!
日曜の朝、雨が降ってたけどおみこしの時は雨も止んで練り歩きもできました。
私は初めて式典にも出席しました。
今年はただ座ってるだけで良かったけど、来年は私も玉串奉納しないといけない。
やり方をしっかりと見て、覚えて・・・来年の今頃はすっかり忘れてると思うけど(笑)
取り敢えず、大きな行事は終わり。あとは今年はクリスマス会くらいかな?
何やるか考えなくちゃ。
*:.。。.:゜ *:.。。.:゜ *:.。。.:゜
― ピグのお部屋より ―
ハロウィンバルーンおばけ(白、紫)、ハロウィンバルーン(オレンジ、緑、紫)、ハロウィンカップケーキ、ハロウィンクッキー、アイシングクッキー、チーズ、シナモロール、スパークリングジュース(赤)、フルーツタルト
いつもいつも、ありがとうございます。
― ピグライフより ―
たくさんのギフトありがとうございます。
お返し少なくてごめんなさい~
テーブルにハロウィンお菓子が置いてあるので、皆さん食べて下さい。
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