You're My Only Shinin' Star (99) ソファーで | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

「結論から言うと、俺はミニョが合宿所を出ることに反対はしない。」


話し合おうと言ってリビングのソファーに手を繋いで座り、暫くの沈黙の後テギョンが低い声でゆっくりとしゃべりだした。

当然反対されると思っていたミニョは、思いもかけない言葉に隣を見ると、真剣な顔で自分の方を見ているテギョンと視線がぶつかった。


「反対はしない・・・が、聖堂の施設で暮らすというのは賛成できない。・・・だが、シスターの手伝いをするくらいなら許可しよう。」


ミニョは反対はしないという言葉に表情を明るくし、賛成できないという言葉に顔を曇らせ、許可しようという言葉に首を傾げた。


「えっと、オッパ・・・それはどういう意味でしょうか?」


キョトンとした顔で自分の方を見るミニョにテギョンはどう説明しようかと考え、ちょっと待ってろと言うと立ち上がり階段を上っていった。一枚の紙を手にして戻ってくるとテーブルの上に広げ、○や×の書かれた表を指で指しながらミニョに説明を始めた。


「まず、合宿所を出るというのは一応○だ。これは俺も考えていたことだ、いつまでもシヌやジェルミと同じ家にいることは俺の本意ではない。」


ミニョはテーブルの表とテギョンを見ながらコクコクと頷く。


「次に聖堂の施設で生活するというのだが、これは×だ。俺の仕事は時間が不定だ。時間に厳しい聖堂の生活は俺の生活とは合わない。・・・だが昼間シスターの手伝いや子供達の世話をしたいというのなら許可しよう。しかしそうすると、別に住む場所が必要になる訳だが・・・」


そこまで言いかけたテギョンは突然ミニョの抱きつかれ驚きのあまり目を丸くする。


「な、何だ?急に・・・」


今まで自分の書いた表を見ながら真剣に話を聞いていたミニョが今は自分の身体を抱きしめていることに戸惑いながらもミニョの顔を覗き込むと、その瞳には涙が浮かんでいた。


「何で泣いてるんだ?」


自分の説明のどこにミニョを泣かす要素があったのかと思い出してみるが、何も思い浮かばないテギョンは抱きつかれたままの状態で動けずにいた。


「嬉しいんです・・・」


ミニョはそう言うとテギョンから身体を離し、瞳に涙を溜めたままニッコリと笑った。


「オッパ、ありがとうございます。私ずっと反対されると思ってたんです。合宿所を出ることも、仕事をすることも。だから一生懸命説得しようと思ってたのに・・・色々と私の為に考えて下さっていることが判って、凄く嬉しいんです。感謝します!」


テギョンにどう説明したら自分の気持ちを判ってもらえるかとずっと悩んでいたミニョはテギョンの思いが嬉しくて、感謝します!と何度も繰り返した。

まだ話は途中で、合宿所を出てどこに住むのかという肝心なことを話していないのに、あまりにも嬉しそうにしているミニョを見てテギョンはコホンと咳払いをすると辺りをキョロキョロと見回した。


「そんなに嬉しいか?」


「はい、嬉しいです。」


「感謝してるか?」


「はい、感謝してます。」


「そうか・・・なら・・・言葉だけでは足りないな。」


テギョンは一瞬ニヤリと笑い、ミニョの肩を両手で摑み抱き寄せると唇を重ねた。

ミニョは突然の出来事に身体を硬くしながらも慌ててギュッと目を瞑る。

柔らかなミニョの唇を味わうように何度も繰り返される啄むようなキス。

唇を離しミニョを見つめていると、ゆっくりと瞼を開けるミニョの大きな瞳を捉えた。テギョンは口の端に笑みを浮かべると、上気して赤くなったミニョの頬に唇を寄せそのまま首筋へと移動させる。


「えっ・・・オッパ?」


驚き慌てるミニョの様子を横目で見ながら首筋を唇で辿る。テギョンが少し押すように両手に力を入れると、ミニョの身体は簡単にソファーへと倒れていった。


「ちょっ・・・ちょっと、待って下さい。まだ話の途中です。」


押し倒されたミニョは自分の首筋に顔を埋めているテギョンの身体を下から押しながら手足をバタつかせた。


「お前が先に抱きついてきたんだろう・・・。何もしないから・・・このままこうしているだけだ。」


耳元で囁かれるテギョンの低い声にミニョの鼓動は速さを増していく。


「あっ、でも誰か帰って来たら・・・」


もし誰かにこんなところを見られたら恥ずかしいどころの騒ぎではない。そう思うと余計にドキドキとしてきて・・・


「大丈夫だ・・・皆帰りは遅い・・・」


んっ・・・


首筋で囁かれた言葉は唇が触れる度にミニョの身体に甘い痺れを感じさせる。

テギョンは自分で言った通り、それ以上何もするつもりはなかった。ただこうしてミニョを感じていたいだけ。ミニョと喧嘩(?)していた為夜ベッドへ入っても抱きしめて眠ることができなかった反動かもしれない。

ミニョの首筋に唇を触れていると、時折ミニョの喉がゴクンと動くのが伝わってくる。唇を這わせるとミニョの唇から洩れる甘い吐息。自分の微かな動きにも反応するミニョの姿が可愛くてつい意地悪をしたくなってしまう。

テギョンがミニョの反応を楽しむように首筋に顔を埋めていると・・・


『ピンポーン・・・』


インターホンの鳴る音が聞こえた。




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