その携帯何とかしろ | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

番外編です。またまたお遊びですのであまり深く考えないように・・・


     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆     ☆


テギョンは朝から機嫌がいい。今日は久しぶりにミニョに会える。

ミナムとミニョの育った養護施設で、今夜子供たちの為にちょっとしたシークレットライブをする。その後二人で食事に出かける予定だ。

テギョンの携帯が鳴る。ミニョからのメールだ。

リビングのソファーでくつろいでいたテギョンが、鼻歌まじりに携帯を見た。


「・・・・・うおーーーっ。」


突然のテギョンの叫び声にキッチンでお茶を飲んでいたシヌと、冷蔵庫からジュースを出そうとしていたジェルミが驚いてテギョンを振り返る。

テギョンは携帯の画面を手で隠し、顔を真っ赤にしていた。


「どうしたテギョン。」


「テギョンヒョン、どうしたの?」


あまりの大声にシヌとジェルミが駆け寄ろうとすると、慌ててそれを手で制するテギョン。


「いや、何でもない。気にするな、何でもない。」


どう見ても何でもないようには見えないが、テギョンはそう言うと携帯を握りしめ慌てて部屋へ向かった。

バタンと閉まるドアの音。

他に誰もいる筈のない自分の部屋の中でキョロキョロと辺りを見回すと、手に持っていた携帯の画面をゆっくりと見た。




   『こんやのこと』


   『おっぱいもんでほしのはなしをしましょう ☆』

   

「・・・・・・」


言葉の出ないテギョン。

数日前から携帯のメールがひら仮名しか打てないと言っていたミニョからの短いメール。


「な、な、な、何だコレは・・・」


目をギュッと瞑る。もう一度見てみる。・・・やっぱり見間違いではない。


おっぱいもんでほしのはなしをしましょう ☆


おっぱい揉んで星の話をしましょう?


真っ赤になりながらもミニョからのメールを見て首を傾げる。


「いきなり何を言い出すんだミニョは・・・」


「これは何だ?何かの暗号か?」


色々と考えてみるが、何も浮かんでこない。


部屋の中をウロウロと歩き回るテギョン。


「おっぱい揉んで・・・そうだ、今日は子供たちの為のライブだ。童謡でそんな感じの歌があったぞ・・・」

   

   ♪ げんこつ山の たぬきさん

      おっぱい揉んで ねんねして・・・


「いやいや違う、あれは揉んでじゃなくて、のんでだった筈・・・。しかし一文字違うだけで、アダルトな感じがするのは何故だろう・・・」


ドキドキと脈打つ心臓と、のぼせあがった頭で必死に考えてみるが、どうしても揉んでから頭が離れない。


「これはもしかしたら暗号でも何でもなくて、ストレートにミニョからの誘いか?」


ミニョの柔らかな二つの膨らみを想像してしまうテギョン。


「いやいや、あいつはそんなことは言わない。」


ぶんぶんと頭を振って否定する。


「でも最近お互いに忙しくて、なかなか会えなかったし・・・」


「だがいくらなんでも、ストレート過ぎだろう。」


「もしかしたらこれは遠回しに、俺にもっと積極的になれと言っているのでは・・・」


「いや、あいつは事故多発地帯だ。この間もメールの打ち間違いをした、ハンストとパンストだ。きっとこれも打ち間違いにちがいない・・・」


テギョンはミニョ相手にあまり期待してはいけないと、打ち間違いだと思い込むことにした。


「おっぱいに似た言葉・・・おっぱい・・・おっぱい・・・おっぱい・・・・・・ダメだ、頭がおっぱいでいっぱいで何も思いつかないぞ。」


「じゃあ、揉んでに似た言葉だ・・・もんで・・・もんで・・・とんで?・・・いや、おっぱいは飛ばない・・・ふんで?・・・踏んだら痛いだろ・・・よんで?・・・呼んでも来ないぞ・・・」


一生懸命考えるがやっぱり何も出てこない。


「ダメだ、いくら考えても何も思いつかない。やっぱりこれは、そのままストレートに受け取ればいいんじゃないか?」


テギョンの頬が緩む。

ゆっくりと上がっていく口の両端。


「ロマンチックな表現とは程遠いが、ミニョの気持ちは判った。よし・・・許可しよう。」


コホンと一つ咳払いをすると、早速メールの返信を打つ。


   『楽しみにしていろ』


誰もいない部屋の中。ミニョからのメールを何度も見ては、一人ニヤニヤ笑いの止まらないテギョンだった。




一方こちらは、ミニョとミナム。


「お兄ちゃん、子供達きっと喜ぶね。」


「そりゃあ、A.N.JELLのシークレットライブだからな。」


今夜のライブの手伝いの為、一足早く養護施設へ来ていた二人。


「ミニョ、さっきテギョンヒョンにメール送ってたけど、その携帯何とかしろよ。この間俺に送って来たメール、長いのにひら仮名ばっかりで読みづらい。新しいのに変えろ。」


「う~ん、短いから大丈夫だと思うんだけど。」


「なんて送ったんだ?」


「慰問で星の話をしましょうって。二人で天体望遠鏡で星を見てると、色んな星の話をしてくれるの。それを子供達にも聞かせてあげたいなって。・・・あ、ほら、オッパからメールが・・・ 『楽しみにしていろ』 だって。ちゃんと通じたみたいよかった。」


   おっぱいもんでほしのはなしをしましょう

   オッパ慰問で星の話をしましょう


ミニョ・・・打ち間違いではなかったが、相変わらず事故多発地帯であることに変わりはなかった。



     *     *     *     *     *     *     *



ごめんなさ~い。本編があんな感じなのに、番外編がこんな感じで。

あまりにもギャップが・・・


私にとってこの手の番外編は、なま物です。賞味期限が短い為、思いついた時にパパパッと書いてしまわないと、UPする勇気がなくなってしまう・・・という訳で、本編があんなときにも拘らずUPしてしまいました。

番外編を本編の合間のリラックスタイムとメッセージを下さった方、リラックスし過ぎたでしょうか?


今日はもしかしたら本編の更新はお休みするかもしれません・・・


慰問という言葉に不快感を持たれた方、すみません。慰問ではなく訪問という言葉の方が適切だとは思いますが、お話の中の言葉としての使用ということで、お許しください。



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