You're My Only Shinin' Star (5) | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

最初に戻って来たのは、ミナムだった。

リビングに入ると、ソファーに並んで座っているテギョンとミニョを見て驚いた。

頭を寄せ、幸せそうな顔をして眠っている。しかも手を繫いだまま。

暫くの間、その場に固まって動けなかったが、段々と笑いがこみ上げてくる。

肩を震わせ、声を殺して笑っているところに、三人が戻って来た。


「ミナム、早かったな。」


先頭で入って来たシヌがミナムに声をかけると。

しぃ~っ。

人差し指をそっと口にあて、ジェスチャーで『静かに』と合図を送ってきた。


「シヌヒョン、どうしたの?そんなとこに突っ立って・・・あ~っ」


シヌの後ろから入って来たジェルミが、リビングのソファーに座る二人を見ると、大声を上げそうになり、シヌがあわてて手で口を塞いだ。


「あら、リーダー、可愛いわね。」


最後に入って来たミジャの言葉に、堪えきれなくなったミナムが声を出して笑い出した。


          ○          ○          ○


さすがに屋上では寒いので、パーティーは音楽鑑賞室で行われた。

テギョンとミニョがソファーで眠っている間に、他の皆で準備が進められた。

起こされたミニョは、手を繫いで眠っているのを見られたのが恥ずかしかったのか、隣に座るテギョンの方をまともに見られないまま、なかなか食事にも手を付けられない。


「ミニョ~、今日はミニョのお別れ・・・じゃない、いってらっしゃいパーティーなんだから、たくさん食べて飲まなきゃ。」


「ほら、ミニョも飲んで。」


ミナムがミニョにシャンパンを勧める。


「こいつはやめておけ。」


パッと明るくなったミニョの顔が、一瞬にして曇る。


「え~、何で?」


テギョンはミナム(実際にはミニョだったが)の歓迎パーティーが行われたクラブの屋上での出来事を思い出し、ブルッと身震いをした。


「ミニョはアルコール弱いからな。」


シヌがミニョの頭にポンと手を置くと、テギョンが軽く睨んで口を尖らせる。


「え、そうなの?」


「あれ、ミナム知らないの?」


「だって俺、高校卒業してからミニョとは会ってなかったから。・・・でも、ちょっとくらいならいいだろ。」


シヌとジェルミがテギョンの顔を窺うように見た。


「何?テギョンヒョンの許可がいるわけ?」


「いや・・・ちょっと・・・・・・」


二人はあの屋上でのことを思い出し、言葉を濁す。


「テギョンさん、ちょっとだけいいですか?」


ミニョがクリッとした丸い目をパチパチと瞬かせて、お願いの表情を作る。

そんな顔をされてはテギョンが勝てる筈がない。


「う・・・グラスに一杯、いや半分なら許可しよう。」


やったーと喜んでグラスに注いでもらうと、嬉しそうにゆっくりと飲み始めた。




今夜は修道院に泊まるというミニョの為に、少し早めに始めたパーティーだったが、外はもう真っ暗だ。

いつの間にかミニョは、テーブルに顔をくっつけて寝てしまっている。


「あれ~、ミニョ寝ちゃったよ。」


「ホントにアルコール弱いんだ。」


暫く席を外していたミナムがニヤニヤしながら戻って来た。


「時間になったら起こして、俺が送って行く。」


そう言ってテギョンは、ミニョの身体を大事そうに横抱きに抱き上げると、部屋から出て行った。

その様子をビールを飲みながらじっと見ているミナム。


「兄としては気になるか?」


シヌに声をかけられた。

いつも穏やかに微笑んでいるように見えるが、時々じぃっと観察するかのように向けられている視線が、ミナムは苦手だった。


― あの微笑みの下で一体何を考えているやら。


何故、皇帝ファン・テギョンが?という疑問はあったが、自分の妹がファン・テギョンに好かれているという事実は、悪くはなかった。願わくは、二人の仲が少しでも長く続いて欲しい。できれば妹の悲しむ姿は・・・あまり見たくない。


「別に・・・・・・」


ミナムは数日前、テギョンが自分の部屋に来た時のことを思い出していた。



*     *     *     *     *     *     *


― 次回予告 ―  (次のお話のどこかで出てきます)


「だからもう気にしないで下さい。それにミニョのことは二人の問題でしょ。俺には関係ない。」


そう言うと、部屋から出そうとテギョンの背中を押す。


「テギョンさんが気にしたままだと、俺もA.N.JELLでやりづらいから、この話はこれで終わりにして下さい。じゃないと・・・



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