(1)で、体験と分析を繰り返して「本質」に近付こうとすることが
異文化理解を深めるための要点であると書きました。

敢えて「異文化」と書いていますが、
実は「本質」に迫っていくと、文化というのは
国境のように線引きできるものではなく、
複雑に重なり合い、影響しあっていることも分かります。

その重なり合いや、影響を理解しながら様々な文化を学ぶことで、
「自分の文化」への認識が深まる。
このような認識の深まりとともに「自分の文化」に愛着を感じることで、
自国、他国に関わらず「文化」大切にする態度が培われます。

「我が国の文化は凄いんだ!」ということばかりが強調されてしまうと、
異文化に対する寛容な態度は身に付きません。
悪くすれば、閉鎖的、差別的な態度に結びつきます。
一見、寛容な態度でも、自己中心的な「上から目線」は、
「グローバル」には程遠いものです。

教育の現場で、様々な文化の「良さ」を感じ取れる活動をデザインして
「自分の文化」への愛着や「文化」を大切にする態度を導くのと同時に、
異文化理解を深める「国際理解教育」「グローバル教育」を展開していくことが
とても重要だと思います。