本日で「春期講習」が終わりました。
前半は体調不良が重なって大変でしたが、
後半はいつも通り元気に授業を行うことができました。
ここで勉強したことを活かして、新学年で良いスタートを切ってほしいところです。
ところで最近生徒と話していてよく感じることがあります。
それは昔の生徒と比べて「表現力が低下している」ということです。
中高生なら普通に知っているべき言葉を知らなかったり、
表現も稚拙すぎる生徒が増えている印象です。
国語を教えていても、生徒の読解力の低下を痛感しています。
これは私個人が感じていることではなく、調査結果からも明らかな事実です。
でもよく考えてみてください。
近年は、入試改革によって意図的に「思考力を問う問題」が増やされています。
国もそれまでの「暗記中心の詰め込み型」の教育ではなく、
「自分で考える力(思考力)を養う」という方向に舵を切ったわけです。
にもかかわらず、現実の生徒の思考力は低下し続けています。
この”ねじれ”の状態は、なぜ起きているのでしょうか?
ということで、今回はこの理想と現実のギャップが起きている原因について
考えてみたいと思います。
【① 生徒が思考力を養えていない】
当たり前の話ですが、「思考力を問う問題が出されても生徒が答えられない」
=「その生徒に思考力がない」になります。
つまり、生徒の思考力が今の教育で養えていないということになります。
入試などの問題を出す側は自由に問題を作れるわけですから、
入試改革に沿ってある意味勝手に思考力を問う問題を出すことが出来ます。
でも答える生徒側はそうはいきません。
問題を出す側と違って、答えられる思考力が実際に身に付いていないと
答えられません。
では、なぜ生徒の思考力は身に付いていないのでしょうか?
【② 思考力は読解力や語彙力の土台があることが前提】
思考力を問う問題は、読解力や語彙力の土台がないと答えられません。
読解力がなければ、問題の意図を理解することが出来ません。
語彙力がなければ、問題の意味を理解することが出来ません。
両方共にその土台がなければ、結果当然答えられないということになります。
では、なぜ読解力と語彙力の土台がないのでしょうか?
【③ 読解力と語彙力は読書量に比例する】
これは読書量が減っていることが原因だと思います。
読解力と語彙力は、実際の文章を読むことでしか得られないものです。
でもその読書量が激減しています。
これも調査結果で明らかな事実です。
では、なぜ読書量は減っているのでしょうか?
【④ 読書以外の誘惑が多すぎる】
昔は今と違って娯楽が少なかったので、読書が選ばれることも多かった。
でも今は違いますね。
ゲーム、アニメ、SNS、アプリなど子供にとって楽しい娯楽に溢れています。
しかもスマホで簡単に、しかも短時間で楽しめることばかりです。
読書から得られる楽しみは、長い文章を読んだずっと後にあります。
これでは時間が貴重な現代では特に読書量は減ってしまうのも当然です。
では、スマホは読解力に対してどのように影響しているでしょうか?
【④ スマホの影響で長い文章を読む忍耐力がなくなっている】
普段スマホでショート動画などの短い動画を見ることばかりしているので、
集中力が持たず、長い文章を読む持久力がないです。
また、分からないことを検索すればすぐに答えが出てきてしまうというのも、
逆に言えば、自分で考える力を奪っているとも考えられます。
スマホ自体は便利な物ですが、思考力という観点から見るとマイナスです。
【⑤ デジタル化によって深い思考ができなくなっている】
近年は教科書などもデジタル化が推進されていて、タブレット端末なども
当たり前に生徒が一台持っていて、学校の授業でも使われています。
でもこれも思考力にとってはマイナスに働いていると思います。
なぜならデジタル化によって見ることが中心になってしまい、
紙の教科書の時のように実際に自分の手で書く作業が減りました。
見るだけでは脳は浅い思考しかしていません。
理解したような気にはなりますが、その情報を深い思考で処理していません。
自分で書いたり、比較したり、要約したり、自分の言葉で説明したりなどの
作業をしないと、深い思考力は育たないと思います。
デジタル化もスマホと同じく便利ですが、思考力という観点で見ると
同じくマイナスに働いている面があると思います。
以上、思考力が低下し続けている原因について意見を述べてみました。
では、ここからどうすれば思考力が上がるのか?
答えは簡単です。
ここまで述べてきた原因の逆をやれば良いということになります。
【① 紙での読書量を増やす 】
デジタルよりは紙の文章で読書した方が深い読解力が身に付くと思います。
デジタルのスクロールする作業で読むより、本のページを一枚一枚めくって
読んだ方が文章の印象が残りやすいです。
これは私自身が同じ本で比較して感じたことです。
では、そもそも読書をしない人にどうやって読書量を増やすか?
【② 1日3分から始めてみる】
最近は読書が1日0分、1ヶ月0分、1年0分という生徒も増えていると聞きます。
であれば、ごくごく短い時間から始めてみると良いのではないでしょうか。
段々読書の面白さが分かって時間が延びてくるかもしれません。
内容は自分が好きなジャンルの簡単な物で良いと思います。
読書をするという目的だけなので、難しい本を読む必要はないでしょう。
【③ 3分の内容を書いてまとめてみる】
3分で読んだ内容について要約するという作業を積み重ねれば、
文章を要約するという思考力に必要な力が養えます。
語彙力も増えていくはずです。
【④ スマホの利用規制】
これが一番効果がありそうですね。
とにかく今の生徒はスマホに時間を使いすぎです。
大人にも言えるかもしれませんね。
SNSやゲームなどのアプリが面白すぎるからなのでしょうか。
ちなみに私は連絡手段として以外はほとんど使いません。
あとは検索機能などを使うぐらいの実用的な使い方しかしません。
ゲームをやることもありますが、スマホではやりません。
途中で連絡が入ったりなどして中断するのが嫌だからです。
スマホが思考力低下の一番の原因と言っても過言ではないと思います。
【⑤ デジタル素材は上手に使う】
デジタル化については便利であることは間違いないので、
上手に使っていけば思考力を養う武器にもなります。
例えば文章で分からない語彙の意味を調べるには、
紙の辞書で調べるより圧倒的に速いです。
これで短時間で語彙力を増やすことが出来ます。
読書においては、このような使い方をするとプラスに働くと思います。
以上、概ね結論としては、
子供の読書量が減った ⇒ 読解力や語彙力などの思考力を養う土台が弱くなった
結果:思考力を伸ばしたい国の意向と実際の生徒とのギャップが起きている
ということになるのかと思います。
解決するには、まずはスマホの使用時間を減らすことからでしょうか。
塾にいると、生徒がスマホを使っている場面が増えているのを実感します。
そして、会話をしていても表現力のなさも実感します。
ということで、次からスマホを使いまくっている生徒を見かけた時は、
「どんどんおバカさんになっているからやめた方がいいよ」と
言ってみようかと思います(笑)
今回は以上になります。
また長々書いてしまいました。
この作業も自分の思考力を鍛えていることになると思って書いていましたが、
もっと端的に要約しないとダメですよね(苦笑)