Chapter 1620: ERの人もよう | Jet Stream

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庭の片隅で、
チンチロリ~ン♪
って、893がどんぶり持って遊んでるわね。

ERとはEmergency Room、つまり「救急室」の略ですね。

アメリカでも「緊急救命室」という番組がある。


…。


木曜のこの時間の投稿。出社して帰りの電車よりお送りしております。

今週はこのERからスタートしたんです。正確には日曜の夜ここにいて、日付またいだんです。だから先週末コラムを書けなかったんです。


……。


まあ結論からいうと別に大したことはなかったんだけども。

あと何かあったのは自分ではなく、娘のほう。

小さい子だとあるあるな話なんだが、風呂場で滑って頭を強打したんです。

ただまずかったのが後ろ向きに滑ってもろに後頭部から倒れたことだった。2歳にもなると揺さぶられっ子症候群などはリスク減ってくると言われるが、なにぶん初の事象だし、後頭部ですからね。

このとき奥さんと娘が風呂場にいたんだが、ぶっ倒れる音と2人の絶叫で自分は慌てて現場へ。

泣き叫ぶ娘と半ば放心状態の奥さん。ようやっと冷え始める季節に入ったというタイミングの悪さもあるので、とりあえずさっさと服を着る方向に持っていきなさいということで風呂場から出した。


で、自分は知らなかったんだが救急にかかるかどうかの相談って#7119だけではないんですね。というかそれは救急車を呼ぶかどうかで、こーいった子供の病気や不慮のケガは#8000というのがあるんだそうな。

奥さんは知ってたんだが、自分はとにかく#7119、あるいは近くの大病院に電話するか、日曜の夜でも歩いて10分ちょっとのところにコレがあるんだからコレは使わない手はない…とか何とか考えていた。


で、#8000への通話を試みるも、まあつながらないつながらない。需要は相当なモノなんだろうと思った。

だが、自分の住んでる自治体では同じ窓口でも別に電話番号があり、試しにそちらにかけてみたところあっさりつながった。

で、担当の人にこの事象について話す。

結果やはり上記の病院、そしてもう1箇所の大学病院を紹介された。

でもこういうのを受け付けてる病院は多くはないらしい。たまたま家がこーいう立地条件だった、ってだけの話で。立地、ひいては運が良かったってこと。

満を持してその病院に電話。念の為「#8000からの紹介を受けまして」という、まるで居酒屋への「ぐる◯びを見まして」風な枕詞もつけて…って何と不謹慎な。


でまあ、2時間待ちなんですって。

いくら小さい子の事故とはいえ、日曜夜に、それも救急車までは要らなさそうな状態となるとそういう案内か。それでも大事を取って、そして紹介状によらぬ大病院での診察でのサーチャージ(¥7000也)を踏まえてでも申し込む価値ありと信じてた自分は「お願いします」と即答。


娘は10分くらい泣きわめき、それ以後は元気のない様子に。ボーっとしてるではなさそうだったが、事故でへこんだのが精神的なのか物理的なのかがわからない以上はまああの当時は病院に行くという判断で正解だったんだろう。頭を打った箇所は微妙に血がにじんだ感じだがコブはなし。コレもまた素人判断ではどうにもならぬところだった。

このとき自分は夕飯の準備中で、作ってるのをしばし放置していた。とは言っても火くらいは止めてたが、Of course.

2時間待ちなわけなので慌てて病院に行っても仕方ないとの意見で奥さんと一致、夕飯の準備を再開して食事もしっかり取った。というか永い夜、最悪徹夜になるのが確実なんだからして、いくら胸がいっぱいであろうと食えるときに食うのは当然ですからね。


夜10時前、娘をベビーカーに乗せて奥さんとともに病院への道を出発。娘には夜のお散歩と称して。普段見ない風景なので娘は興味津々な様子。

最初はタクシーを考えたんだが、だんだん娘は普通の状態に戻ってきたのではと思われたため。


で、病院到着。救急外来の出入口から入った。

救急外来の出入口は娘が生まれそうだと呼ばれた深夜以来、その前は13年前の祖母が亡くなった日の夜…って、何と縁起でもないことを。


この病院の救急外来は結構開かれた構造で、入ってすぐに待合室があった。待ってる人は4組ほど。

そして発熱系の患者を隔離する仕切りがあり、その中には人が結構いた。

そして診察室の反対側から規則的に聞こえてくる「ポーン」という何かのブザーが数個。まあ気持ちのいいモノではないですね。


そしてまあ、呼ばれない呼ばれない。1時間なんてあっという間に過ぎた。

何しろ救急室だし、自分たちの到着直前に回転灯がついた救急車がいたのも見えた中なので、コレも想定内といえばそうなんだが、深夜にかかると今度は娘を起こして検査とか受けるのではという別の問題も出てくるので、救急外来担当のオバハンに「救急室でこーいうのをお伺いするのも難なんですが、番号は◯◯番なんですが、今から何番目かとかわかりますかね」と訊くのを試みるも「そーいうことはお答えしない決まりとなっております」とぶった斬られて終わった。


…コレも想定内です、ハイ。


で、そこでの人模様。

この救急室の診察室側から出てくる人は主に「◯◯さんのご家族様」と呼びにくる看護師がいる他、出てくる人は入院着になってたり、点滴をした状態だったり。

家族とみられる人が看護師の指導のもと入院手続き書に書き込みをしたりしていた。

まあでも医者になかなかかかれない時間帯の中なので、診察受けて一安心したって感じの表情の人も多かった。


で、発熱系でないほうの待ちはどうやら結構長い時間ウチだけだったらしい。最初の方で脚がかなり不自由そうなおばちゃんが呼ばれただけだった。

娘はというと、看護師が出てきて恐らく血圧と脈拍と思われるが、それらの簡易的な検査をササッとやっただけ。それ以後みるみるうちに元気になり、歩き回ったりベビーカーをベンチにゴンゴン押し付けたり、持ち込んだ飲食物を食い尽くしたり、叫びまわったりとなかなかのワガママ炸裂。どーいうわけか。ケガしたのに同情はするとはいえ、ここは病院なんですから。

あまりにうるさいので救急外来の出入口の外に出てってもらった。


…と、診察室から「△△さんのご家族様」と看護師に手を引かれ「△△しゃんのごかじょくしゃまぁ」とマヌケな声で、いかにも酒に溺れてる風、ものスゴイ酒焼けのオッサン登場。この救急室で唯一マスクなしの人物。

で、ご家族様、つまりそのオッサンの奥さんなんだがかなりしっかりとした服装でやってきた。

奥さんが看護師と話しこんでる中でもオッサンはべらんめぇ口調で早く帰らせろ、オレのことなどほっといてくれというセリフの数々をわめきちらしていた。この救急室の常連の可能性もあるのかも。

で、看護師が去ってからのセリフはひどかった。要約するとさっさと置いていけ、でなければここで薬を盛って殺してくれ、お前(奥さん)なんていらぬのだぁという趣旨。

妻子が外に出て行ってて大正解だった、本当に。


しかしこの奥さんは普段からこんなのと生活してて精神破綻しないんだろうか、というかよくこんなにキレイに身なりを整える余裕があるものだ、相当お強い御仁なのだろう…とか何とか考えていた。

しかし受付の、先程自分を一刀両断した係のオバハンが何かの連絡のために近くにやってくるとそのオッサンは黙りこくってたりもしてた。まあ内弁慶なんでしょうね、実にめんどくさい。


救急車はその後何度が来たようで、完全なる重症患者はこの外来とはまた別の入口からICUだとかに向かうらしい。出ていくだけのストレッチャーは何度か見た。


一方、こちらは日付変わってもなお呼ばれず。

奥さんはだんだんしびれを切らしてきて「あと30分経ったら帰ろうかしら」とか言い出す始末。気持ちはわからぬでもないが何しろ頭打ったんですから。

0:20くらいにようやく呼ばれた。運良く担当は小児科医。

でまあ「コレは画像診断するまでもなく、心配するレベルのモノではない、薬も必要ない」との判定が。

曰く、小児科にかかる患者で風邪様症状の次に多いのがこの頭を打つ事象だが、2歳以降だと真剣に診ないといけないケースはいよいよ少ない、たとえ吐くほどのレベルの強打でも、とのこと。万一のことに至るレベルだとニュースもんと言ってもよく、この医者自身そこまでのは診たことがないんですって。そんなモノなんですかね。

簡易検査や診察に限ってはスムーズで、娘は始終騒ぐこともなかった。「頭を打ったときの心得」なるありがたい手紙をもらって帰されることに。2時間待ちの5分診療。

まあそれでも教科書代と安心代くらいにはなりましたヨ…と信じてる。


で、そこから会計までの時間がまた長かった。

時間が時間なので妻子は家に帰らせ自分だけが病院に残る。

待合室に人は増えており、海外生まれと思しき女の子がCT室に連れてかれてたり、先述のオッサンよろしくオヤジが酒か何かが原因でぶっ倒れて運ばれたと思しき家族がその酒乱の愚痴から派生して「酒の飲み方論」を闘わせてたり。いくらしみじみと飲んだところで、量によってはそりゃぶっ倒れますヨ。


会計が終わったのは1時。全自動会計機を擁していながら、ここまで待たせるとはどーいうわけだ。

払ったのは病院選択サーチャージのみ。日曜夜なのに加算がないのはやはり乳児用医療証の効果ですね。

試験まで1月切ったので自分はソバーキュリアスな生活をしてたところなんだが、あまりにも酒を飲まなきゃやってられまへんモードになってたので、途中コンビニにて酎ハイを購入して帰宅。


その後、月曜は大事を取って保育所を休ませるも元気いっぱいの娘の世話の半休、火曜は溜まった仕事と怒涛の格闘、そして洗濯機の突然死とそれに続く水浸しとの処理、更には急遽リプレース工事の注文、水曜は長い怒られ残業の後自分の謎の腹痛と下痢、そしてそれが今日まで続いてる、と。

次回のコラムは洗濯機についてでも書きますかね。


しかしやっと風邪が治ってきたと思ったらコレですヨ。夜もまともに寝られぬ。

とにかく今度は自分がERの世話にならぬことを祈るばかり。