表現塾寺ノ子屋第5期公演
『ビビアン・ビビアン・ベイビー』無事閉幕致しました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。
終わったーーーーー!!
終わってしまいました。この公演をもって、表現塾寺ノ子屋は閉門します。今まで携わってくれた方々、門を叩いてくれた塾生の皆んな、そして観劇をすることで支えてくださった皆様、ありがとうございました。コロナ禍になり、舞台表現をしたくても出来ない人達が増える中、規模は小さくてもいいから表現を止めることなく先を見据えて続けていこうと始めたのが寺ノ子屋でした。
1回目の公演は稽古期間中に公演中止になってしまいましたが、その後を第1期として、第5期まで続けることができました。塾生はもちろん、お手伝いをしてくれたスタッフの皆さんあっての足跡。ありがとうございました。
寺ノ子屋は閉門しますが、今後も塾長として寺ノ子屋内でのレッスンやワークショップは行います。興味がある方は過去に受講した塾生から紹介してもらってください。もちろん僕に直接問い合わせていただいても構いません。発表会として行っていた公演はもう行いません。今回の第5期公演が最後でした。
SNSでお伝えしましたが、自主制作的に脚本を書いて演出するのも今回で最後になります。依頼がない限りは書くことはありません。公演をうつにも様々な力が必要で、自分はそれらを兼任する立場は適任ではないと判断しました。とはいえ第5期公演は最後に相応しい公演だったと思います。そちらについて書いていきたいと思います。
まずは何といっても集まってくれた塾生の皆んな。
だるま役の小原汰武と修斗役の白石惇也は2018年に出会い、その時はまさに塾生と塾長といった関係性でした。その二人を今回はゲストとして声をかけて呼びました。オーディションでメンズが来なかったこともありましたが、寺ノ子屋と自主制作は最後だし、この2人とはやっておきたいという気持ちがありました。第4期公演を同じ日に観に来てくれて伝えてくれた感想もきっかけの一つでした。久しぶりにガンガン走ってもらいましたが、なかなか爽快な顔をしていました。「しんどいけど、イイっすね」と言っていました。踊ることも同じく、汗をかくっていいんですよ。公演が始まる前の曲は、そんな彼らとの出会いウズイチ「シャフ vol.2」以降の使用曲、そして寺ノ子屋の歴代公演で使用した曲達をチューニングするところから始まりました。客席で気付いた人もいて驚きました!
ここで、第5期の塾生について少し書きたいと思います。これからの彼らを見守っていただけると幸いです。
小原汰武
これからのたいむがどうなっていくのか楽しみです。僕の周りでだるま役ができるのは彼しかいなかった。きっと必然的な役との出会いだと思ってます。
小山ごろー
集団をまとめてくれた功労者。演技においては便利な、器用な存在になってほしくなくてごろーちゃんのワガママを拾いながら進めた。きっと今日も呑んでる。
武田良美
色々と間に合わず周りに助けて貰ってなんとか本番の舞台に立てたヨシマル。これからは周りを助けられる表現者になるという目標ができた。根性がピカイチ。
奥野空
踊りと演技を融合させて仕草にしていく作業をやり切ってくれた。次はセリフでの繊細な演技に挑んでいってほしいですね。これから。これから!
白石惇也
兄妹のお兄ちゃん役が、彼の人当たりの良さがそのまま味方をして自然に演じてくれた。ラストはまだまだいけたけど、これからの課題。きっと身になってる!
鈴谷和子
ここに来るべくして来た人だと思う。色々悩んだり考えたりしたストレス諸共表現に変えて出し切ることに勤しんでくれた。作品を引っ張っていってくれた隠れ切込隊長!
松井理咲
理想だったりコンプレックスだったりで自分を守る癖が強く、そこを打破しようと戦ってくれた日々。妹の力を解こうとしている皆んなのパワーを天然で引き出してくれた。
三橋凜子
この人も理想画がハッキリしている。できない自分と戦っていたが、ダンス的な動きを取り入れた瞬間水を得た魚になった。演技とダンスの境界線を無くせば、ずっと泳げる人です。
わたなべさやか
今回も変なミスをやってくれました。これも含めての彼女なんだと思います。新たな扉を開こうともがいた日々。稽古場の隅で一人で稽古している姿に力をいただきました。
皆んなが励まし合って作ってくれた公演です。上手くできない自分も、意外と上手く立ち振る舞えた自分も、ちゃんと心と脳と体に記録しているかどうか。また会うときにきっと進化をしているはず。愛しい時間が沢山できました。
寺ノ子屋、今回もダンスナンバーがいくつかありました。ダンスでの表現に可能性を抱いている僕は、必要か否かではなく、今後の彼らに必要だから用いています。そしてなるべく役の呼吸を止めることなく挑むこと。これが難しいですが、挑戦した塾生はだいたいがダンスを好きになってくれます。それは自分の中にいつの間にかあった概念が壊れたのだと思っています。そのためには2ヶ月という時間と本番という名の表現の稽古は必要だと思います。
オープニング「ワタリドリ」は智子さんが担当。
寺ノ子屋の常連振付師さんです。オープニングやエンディングや、あまり本編に直接的に絡まないナンバーをお願いしています。智子さんのイメージがお客さんにとっての作品のイメージに繋がることが多く、塾生の人間性や本番でのイメージを掘り下げてくれるのが上手なんです。ラストのサビ前の躍動感が第5期メンバーにピッタリ合っていました。2回目見る人に別の目線で楽しめる構成も流石でしたね。何回練習してただろう。僕がまずグッとくるシーンでした。
次曲は「どくどく」。担当したのは第4期に出演してくれていた中田有紀さん。振り入れのスピーディーさに皆んな困惑していた姿が今でも思い出して笑ってしまいます。即戦力に長けた中田さんはこのスピードで出来ちゃう人なので、振付師としても表現者としても皆んなの火をつけてくれました。そのキャッチーな振付と皆んなの表情の見せ方が見事としか言いようがなかったですね。ラストのサビの振付のキャッチーさは抜群で、そこに挑む第5期の皆んなが一つになっていきました。また他でも振付として活躍してほしいですね。
次は「冗談じゃないね」という曲。これは出演者でもある三橋凜子さんが振付してくれました。コールアンドレスポンスを踏まえた振付で、本番で皆さんから手拍子を貰って嬉しそうでした。一緒に踊るケイト役のわたなべさんの意見も判断に取り入れ、ぶんかさいのようなナンバーに。一番予想外のナンバーとなりました。塾長の僕は二人が活き活きしている姿を「ふむふむ」頷いて見ていました。「キングブレードを使いたい」と言っていながら、稽古終盤に「やめたい」と言い出した時は笑いました。
次曲「ジョニー」。振付してくれたのはErikaさん。公募で「振付やりたいです」と連絡をくれた有志。この曲はゲリラチームのチームナンバーだったんですが、4人の芝居の雰囲気が出来上がってくるに連れて形になったナンバーです。「力を入れずに」「ゆるく」というリクエストに困惑していた4人。しかしこの「ゆるさ」を日常に転換して普段の4人として遊び踊ることで楽しくなっていきました。他の塾生も舞台袖で踊っちゃうほど、皆んなのグルーヴを生んだ曲。きっとErikaさんの人柄なんだろうと思います。僕的には、実はこの曲が作品のテーマに一番沿っていると思う曲です。
そして「baby」。この曲は作品内容関係なく、絶対に使おうと思っていた曲なんです。そしたらこんな作品になりました。それぐらい曲との出会いは影響が大きいんです。振付してくれたのはヤマグチリオさん。こちらも公募で名乗りをあげてくれた人。作りながら形にしたにしては出来上がりが早かったんですよ。そしてそれからは役がや関係性が出来ていくに連れての変動にも対応してくれました。武田良美と奥野空という二人のダンサーがプライドかけて挑んだナンバー。いつか3人で踊ってほしいものです。
そして最後のナンバーですね。「リッケンバッカー」。この曲との出会いも衝撃でした。振付してくれたのは塾生の奥野空さんと三橋凜子さん。作品がゴールに向かっていく前の集約的なナンバー。色々変更がありましたが、それはキャストが役として濃くなっていくに連れて生じた障害物やノッキングだったのだと思います。その相談を受けてアイディアを絞り、よく形にしてくれました。一度できて僕が言ったのは「もっと走らせたい」のみでした。あとは二人のアイディアのみです。このナンバーを自信に変えて今後もクリエイトしてほしいと心から思います。
僕がダンス表現において重視していることは塾生の皆んなに伝えられたと思っています。吸収や実行はまた別として、これからのダンスへの挑む一歩が少し軽くなっていたら嬉しいです。
あと演技中に振付をお願いしたのがCelicaさん。演技の中で喋りながら振付を踊る。挑んでくれたのは小原汰武と三橋凜子。分離する感覚がどうしても出る。言葉の情報と振付の情報が重複する。その役が動きある表現をすることによって場を支配するにはどうすれば良いかを考えて作ってくれました。この新たな挑戦にまた新たな扉が開いていて欲しいと願っています。
そして。
今回は当初ビジュアル等は考えていなかったんですが、小原汰武くんがお願いしたい人がいると言い、坂口大和くんを紹介してくれました。
この戦争がだるまと修斗がなく、何気に生きている二人だったらきっとすれ違っていただけの二人。お互いが気付かぬ存在のままだったであろう二人。だるまver. と修斗ver. を作ってもらいました。
そしてもう一つ。
奏や春菜の話をしている修斗と、それを聞くだるま。勿論まろとチビの話も。アビコは姿を隠して生きていることでしょう。これは空想画です。しかしこの画が想像できるほど、2人の間には硬い絆はあったと思います。素敵な写真を撮ってくれた大和くんに感謝です。
そんなこんなで終わってしまいました。寺ノ子屋。冒頭でもお伝えしましたが、公演は行わないですが、塾生の表現の学びの場や相談の場所としては存在していたいと思います。これまで出演してくれた皆さん、関わってくれた皆様、見に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。
次は僕の番。。
正安寺悠造


















