HONEY.3 | すいかの歌舞伎町フル盛り日記

すいかの歌舞伎町フル盛り日記

ホストに通っているうちに、ついついどうでもいいことを調査・研究してしまうすいかです。



これは数年前に歌舞伎町でおきたことを書き残したわたしの日記です。

お恥ずかしながら全て実話ですが、もう時効よね?ww

※HONEY.2の続き


コールが終わるとチャーハンはまたそこには落ち着かず、わたしのところに来て
「リステル5本」
とヘルプくんに告げた。

チャーハンは、ドンペリ1本よりリステル3本が好きだ。
いくらリステルが飲み易いとは言っても、量がかさむのはヘルプ泣かせではなかろうか?
ただ、今日の『H』の状況はとても酷く、蒲焼が辞めた上に幹部も軒並み休み。
幹部たちはきっと、チャーハンが今日出勤するとは思っていなかったのだろう。
そして、その場に『C』の会長まで来て、とても淋しいお店の状況を目撃することになるとは、もっと想像つかなかったのだろう。
閑散とした店内を、ボトルの数で盛り上げたくなったチャーハンの気持ち、わからなくはない。
後は、わたしがヘルプくんに恨まれなければそれでいい。

「5本?そんなに飲むの?飲めるの?」
チャーハンは既に酔っ払い気味だった。
「大丈夫だよ。持って来い、青リンゴ」
すぐに青リンゴが用意されて、栓が抜かれた。
最近『H』のコールがかわって、少しおもしろいものになった。
5本もあるのでビンダ指名も何人もに及び、途中でわたしが名前を知っている子がいなくなりそうになって困った。
「1本、あげていい?」
チャーハンが言うのでうなづくと、わたしの卓で行われていたシャンパンコール全員が北京ダックの卓に大移動し、1本を北京ダックにビンダさせようと囃したてた。
最初、北京ダックは嫌がって首を振っていたが、一応ビンに口を着け、残りは全部チャーハンが飲まされていた。
そのまままた、シャンパンコールがぞろぞろこちらに移動してきて盛り上げて終わった。

気付いたら、ラストオーダーで、チャーハンはもう一度
「リステル5本」
と言った。
「まだ飲むの?大丈夫?」
「オレさー、がんばったじゃん?ごほうびちょうだい」
わたしは小さなバーの■■万円の売り上げに、必要以上に喜ぼうとしているチャーハンの苦悩を思った。
彼は本当にホストを完全にやめることはできないのかも知れない。
そして北京ダックの前でいいカッコしたいチャーハンを許すことにした。
すぐにコールが始まって最後のビンダ指名をするようにボトルを渡されたので、わたしは黙って自ら飲み干して締めた。

それからしばらくして、北京ダックご一行さまたちは帰って行った。
チャーハンは相変わらず他卓を放置したままだったので、わたしは先方が気になって仕方がなかったが、
「あっち行っておいでよ」
と言うのも、生意気な気がして言わなかった。
チャーハンはずっと、わたしの持って来た靴べらを喜んだり、新しいホームページをどうしたいかを語っていた。
しばらくして、
「健心流で待ってろ」
チャーハンはそう言ってわたしを立ち上がらせた。
「あっち、帰してから行くから」
ずっと放置されているドンペリの人の機嫌をとるのに、わたしはかなり待たされるだろうと予想しながら、『H』を出てひとりで歩いた。

『健心流』の2階のカウンターは混んでいて、2人分の席をつくってもらうのには、みんなに詰めてもらう必要があった。
いつものようにカウンターの右端で常連の格闘技関係のおじさまがひとりで日本酒を飲んでいて、
「今日も、男前のにーちゃん、来るの?」
とわたしに笑いかけた。
「あ、まぁ、そんなに男前でもないですけど、はい。後で来ます」
何だかヘンに謙遜して、おじさまの隣に座った。
「お店はオープンしたんだよな。一回行ってらやなきゃな」
と『M』の話になり、説明する。


つづく