今まで見てなかったのが不思議なくらい有名な映画
色々と逸話が残ってる作品でもある
中でも一番はオードリー・ヘプバーンの主演

ミュージカル版で主演していたジュリー・アンドリュースを差し置いて
製作者のジャック・ワーナーが指名した
当時女優として最高額の100万ドル(1億円以上)と言われている

DVD版にある特典映像では、記者会見にのぞむヘプバーンも緊張した面持ちだ
それ以上に、伝説のプロデューサーであるワーナーの姿が見れるのも
映画ファンにはたまらない

ジャック・ワーナーはお金のことも話してるが
「テレビとかつまらないものばかりだ、われわれは(お金にとらわれない)もっと素晴らしいものを作る」
という趣旨のことも言ってて、映画製作者としての矜持を感じる

内容は、ミュージカルにしては曲が冴えないが
ヘプバーンが貧しい花売り娘を熱演した前半と
だんだん上品になる後半、飽きることはなかった(173分)

このヘプバーンの花売り娘を、似合わないという不評の声もあるが
それは英語が分からない人の意見ではないか
庶民イギリス英語を、ヘプバーンが見事に話す姿に
気合いを見たし、演技者としての自負も感じた

しかし結果的には、評価はされず
アカデミー賞ではノミネートもされない
逆に「メアリーポピンズ」のジュリー・アンドリュースに主演女優賞を与えたのは、
天の計らいというかアカデミーのちょっとした反感か
作品は主要8部門で受賞したのに

これ以降ヘプバーンも嫌気がさしたか
銀幕から少しづつ遠ざかることになる
1964年、ヴェトナム戦争、ロックンロールの足音が強まる時代

作品としては、アイルランドの作家バーナード・ショーの戯曲
「ピグマリオン」が元
しかしラストにヒギンズ教授とイライザが結ばれるニュアンスは
興行主が観客の望みを汲み取って、当時ショーは激怒したらしい

いやそれはそうだろう、ピグマリオンの神話が元なのに
結ばれたら意味がない
映画版も同じような結末で、やはり納得はいかない

「フィラデルフィア物語」のジョージ・キュ ーカーが監督
ちなみに邦画パロディ?周防監督「舞妓はレディ」では
上白石萌音が初々しかったことも思い出す、ヘプバーンの作品

★★★