カウンセリングオフィス・フロンティア公認心理師の小島俊久です。
8月に入り再度緊急事態宣言が発令される為、予定された研修や講演に影響が出そうです。
困ったものと言いつつも、そこに対応するしかないのです。
話は変わりますが、中学の頃に読んで面白かった(はず)と思っていた小説を読み返してみました。
ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」です。
以前から再読しようと思いつつ購入しないままになっていたのですが、スクールカウンセラーとして勤務する学校の図書書棚にあるのを見つけ、早速お借りしました。
再読あらずほぼ初読でした。かろうじて主人公の名前と大雑把な展開が思い当たる程度でした。
読み進めるうちに、意味深く読み応えがありましたが、サクサク読める代物ではありませんでした。
読書を中断する度に、自分の記憶に疑念を持ち始めていきました。
中学生の私がこの本を面白く読んだのは思い違いだ。これのどこに面白いと思い、感動したのか。中学生の私は読破できていないのでは。
物語とは別にそのようなことを思い続けていました。
50年ぶりに読んだ本は初めて出会ったのと変わらない新鮮さがありました。中学生の私が持っていた印象は脇に置いて読み進めていきました。
その証拠に最終章に来ても物語の最後を思い出すことはありませんでした。
私が印象に残った箇所
「人間というものはなんとまちまちなものであろう。また人間の生いたった環境や境遇もどんなにまちまちなことであろう。それを政府は生徒たちについて、一種の精神的な制服、あるいは法被によって合法的に根本的に等しくしてしまう」
「彼はだれか自分の心を打ち明けられることのできる人、自分の言うことを傾聴してくれる人、自分を嘆賞してくれる人を持たずにはいられなかった」
「およそ健康な生活には内容と目標とがなければならない」
「興奮して変わりやすい不安な状態から一本調子の憂鬱に陥った。そして柔らかい沼地にはまったように、逆らいようもなく徐々にその中に沈んでいった」
「彼は、ともに消滅しようとする願い、ともに眠り入ろうとする願い、ともに死のうとする願いを感じた。しかし彼の若さがそれに逆らい、ひそかな粘り強さをもって生に執着したため、彼は苦悶した」
読み終えて思い耽っているのは、中学生の私がこの本を読みその後ずっと印象に残り続ける原因は、本の日本語タイトルと解説にある糾弾する気持ちに共感していたからかな~と想像します。
「先生たちは、教育には熱意と善意を持っていたであろうが、少年の生の倦怠に理解を持とうとせず、そういう少年を危険な伝染病に取りつかれたもののように厄介払いしようとした。「車輪の下」でそれが糾弾されている。(車輪の下解説)」
ではまた。
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