フロンティアの小島です。


26日は奈良市にある飛鳥荘で

傾聴ボランティアグループやまびこの

設立5周年記念式典が催されました。


私もご招待頂き、講演をさせてもらいました。


介護施設や老人ホーム、ご自宅などで傾聴活動をされている

ボランティアスタッフのみなさんを対象に

・相槌的問いかけ

・スピリチュアルペイン

をテーマに実習を交えての講義でした。


参加された皆さんの真剣で熱心な姿勢の

その内側にはきっと、利用者の方の姿が思い描かれていたことと察します。


立ち上げられたリーダーの方は、

傾聴ボランティア研修は全員受講して臨むけれど、現場で実際に起きることはかなり違う。

『傾聴ボランティア』という枠組みに囚われすぎて、利用者視点で関われているのかが疑問。

等が課題でした。


そこで心理カウンセリングの観点から

昨年よりスーパーヴァイザー的に関わらさせてもらうようになり、

今回が2回目の研修でした。


相談や問題解決を目的としない傾聴活動故に、

案外、関わり方が難しかったりします。


高齢でお元気な方、会話は可能だが身体の自由が利かない方

認知症の方、寡黙な方、耳が遠い方、多弁な方、

気分の波が大きい方、反応が返ってこない方、終末期の方・・・


活動が活発になってくると多様なニーズに対応することが増えてきます。


ボランティア活動をすればするほど、

ご自身の関わり方に疑問や不満足感が湧いてくるという方も少なくありません。


コミュニケーションスキルというテクニカルなことを課題にしても

なかなか上手くいかないことを実感されています。


私の立場からお伝えすることは、


関わるお相手の方の心情面を、その方の歴史と併せてどこまで想像できるか。

その方の‘今’にはそこに至る経過と訳があることに思いを馳せることができるか。

30分の間、相手を知りたい、教えてほしいという思いにどこまで集中できたか。

聴き手よりも長い人生を歩んでこられた方の尊厳を大切にし、敬意をもって接しているかの基本的立場を常に自分に当てはめているか。


これらを、

喩えを交えて皆さんにはお伝えしました。


再現場面では、ボランティアに気を遣う利用者さんの構造が浮かび上がりました。

更にそのことはボランティアさん自身にもキャッチされているのですが、流れは変わらず時間は経過する。現象としてはよく発現していることです。


‘相槌的問いかけ’はテクニックというより、

相手に思いを馳せると自然に相槌かのように投げかける問いかけで、

文脈に沿ったとても自然なやりとりで、語りが促進される介入です。


後半は、終末期の方への活動が新たに始まったことから、

スピリチュアルケアについての基本的な知識と

スピリチュアルペイン(魂の叫び)についての体験実習を行いました。


今回は時間が限られていたので、

終末期の心のケアについては更なる継続研修を行いたいところです。



講演の後に、スタッフの皆さんと

新年会を兼ねた食事会にも参加。

僭越ながら5周年の祝辞を述べさせてもらいました。

そして、やまびこの地元大和郡山の上田市長からも祝電が届いており、いかに地元に根付いた活動をされているかが窺えました。


くじ引きゲームやプレゼント交換、カラオケなど皆さんと楽しいひと時を過ごしました。



翌日、リーダーの方から御礼のメールの中に

奈良県では7市2町のボランティア団体が集まった交流会が結成されるとのこと。

やまびこさんも中心的役割を担われるご様子。


連携はソーシャルワークの要。


会のますますの発展と社会貢献を期待しています。


対人援助がビジネス化することがもてはやされる中、

それとは一線を画すボランティア活動をする方々に、

心理臨床の神髄を感じるひと時となりました。

この機会にとても感謝しています。

ありがとうございました。









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