9月24日(日)

 

旅6日めとなる今日は、まずは秋田内陸縦貫鉄道(以下内陸線)を完乗し、その後は秋田新幹線と特急を乗り継いで一気に新潟まで行くという、なかなかの強行日程。ただ内陸線の始発は、鷹巣発6時59分の角館行き。このたびでは出発は5時台ということも多い中で、比較的ゆっくりできる今日は、なかなか貴重ともいえるかもしれません。

 

そんなわけで5時半過ぎに起き、身支度を整え6時半少し前にフロントへ行くと、すでにフロントのデスクの上にはいくつもの鍵が置いてありました。そういえば昨日フロントでは、『朝7時までは無人なので、それ以前にチェックアウトする際はこちらに置いておくように』との説明がされていたのを思い出します。ん? ということは、これはすでにそれだけの宿泊客がチェックアウトを済ませた証し。『これはヤバいかも・・・』と内心焦り、急いで内陸線の駅へと向かうと、何やら見送りらしきクルマが多数出入りし、さらにスポーツウェアに身を包んだ多くの人がたむろしていました。『これは何だ?』 どう見てもただの同業者ではなさそうです。今日は日曜日、そして乗り鉄界隈には人気のあるであろうと思われる秋田内陸縦貫鉄道ということで、昨日の五能線同様混雑を警戒していたわけですが、この様子を見る限り、ちょっと勝手が違うようです。

 

それでも何とか駅舎などの撮影を済ませ車内へ乗り込むと、すでに半分以上の席が埋まり、しかもその大多数がスポーツウェアの方たちでした。

 

 

 

 

なんとか済ませた撮影。この時は何が何だか、そして何が起きてるのかサッパリわかりませんでした・・・

 

そして発車を待つ間にもどんどん乗客の数は増えていき、通路までギッシリの状態。いくら日曜とはいえ、これは明らかに異様な状況。幸いにも私は進行窓側の座席を確保できましたが、あと5分遅ければ、座ることもできなかったでしょう。

 

すると乗務員の方が、乗客一人ひとりにあるものを配り始めます。それは今日1日有効の内陸線の無料乗車券。ますます意味が分からなくなり、隣の年配女性に聞いてみると、どうやらこの沿線を利用したマラソン大会が開催され、その参加者や応援の方たちのために無料乗車券が配られていることがわかりました。本来は、マラソン関連の乗客のみに配られるはずですが、それをいちいち聞いて回っていたら、いくら時間があっても足りないでしょう。すでに発車時刻も過ぎています。ありえないほどの混雑の原因はこれだったのか・・・

 

やはり内陸線は昨日にした方がよかったと後悔しても、それはもはや後の祭り。都会の満員電車のような状態で、ようやく鷹巣駅を発車したのは7時10分。およそ10分の遅れです。終点角館駅ではわずか10分の待ち合わせで秋田新幹線に乗り継ぐ行程となっており、この混雑も相まって気が気でないままの初乗車となってしまいました。

 

それにしてもマラソン大会って・・・ そう思い調べてみると、どうやら内陸線の全長(94.2㎞)に因んで、100kmもの距離を走るコースになっているとのこと。であればこんな大々的になるのも納得ではありますが、この状況は、のんびりと旅を楽しみたい私としては、心底遭遇したくなかったものであり、個人的には最悪な形でのスタートとなってしまいました。

 

これからどうなるか・・・ 前途多難な内陸線の旅が始まります。