今年(2016年)の3月26日、JR各社は恒例のダイヤ改正を実施しました。その中で、なんといっても最大の目玉は北海道新幹線新青森新函館北斗間の新規開通ですが、地味ながら我が地元JR東海管内にも、ひっそりと災害による長期運休から復活した路線があります。三重県を走る『名松線』家城伊勢奥津間が、2009年10月29日に台風18号の影響により不通になって以来、実に6年半ぶりに復旧したのです。この復旧に際しては、JR東海三重県津市など沿線自治体により何度も協議がなされ、その中で様々な紆余曲折があり、詳細は記しませんが一筋縄ではいかなかったようです。まぁ事情はどうあれ復旧したのは喜ばしいことであり、さらに言うと私はこの名松線を残すのみでJR東海の路線は全線完乗済みだったこともあって、連休を利用してこの辺りを巡って来ることにしました。

あと数日たてば青春18きっぷの通用期間に入るのですが、その期間は当然混雑が予想されるため、一足先に乗ってしまおうという考えです。私は鉄道好きであるとともに、ドライブ好きでもあることもあり、今回はクルマでの旅に決定。

幸い名松線の起点となる松阪駅前のホテルが予約出来たため、第一の目的名松線完乗は2日めに回し、1日めはこの地域にある未訪問の道の駅などを巡ることにしました。

7月11日(月)午前4時半、日の長いこの季節ではありますが辺りはまだ薄暗い中静岡市清水区の自宅を出発、目指すは伊勢湾フェリーが発着する伊良湖岬です。

今日はサッカーのヨーロッパNo.1を決めるEURO2016の決勝が行われる日、ということで車載TVで地元フランスvsポルトガルの試合を観戦。もちろん音声のみで・・・。とわずか数キロ進んだところでいきなり激しい腹痛に襲われ、道の駅宇津ノ谷峠にて小休止しトイレに駆け込みギリギリセーフ。

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早朝の宇津ノ谷峠は静寂そのもの、清々しい朝日を浴びていました。
スッキリしたところで再び出発、通り慣れた国道1号線を一路西へと向かいます。

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途中掛川市付近を走行中に謎の霧が立ち込め一気に視界が悪化します。思わず撮影してしまいましたが、結局天竜川を越え浜松市に入るあたりまで霧は晴れませんでした。こんな平地で何故? 理由はよく不明ですが貴重な体験をしたような気がします。

その後は順調に進み静岡愛知の県境を越え、伊良湖岬がある渥美半島を縦断する国道42号線に入ります。愛知県東部に位置する渥美半島は全長50kmもある細長い半島で、温暖な気候を利用した園芸農業が盛んな全国有数の農業地帯となっているとのこと。確かに国道の両脇には畑が広がるのどかな風景が続きます。路地からは軽トラがいきなり飛び出してきたりして一瞬ヒヤリとしたりしましたが、のんびりと走ることおよそ1時間半、無事渥美半島を走破し伊良湖岬に到着です。道の駅が併設され、大規模な駐車場を完備したフェリーターミナルで、繁忙期には大変賑わいを見せるとのことですが、平日のしかも早朝のこの時間ではとてもそのような雰囲気は味わえませんでした。ただすでに何台かのクルマが列を作っており、乗船を待っているようです。

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時刻は午前7時半、予定していた8時10分発の鳥羽行きフェリーには十分間に合います。まずはターミナルで乗船券を購入ですが、我が愛車ヴィッツは最小クラスの普通車ながら航送料金は5,660円、いくらドライバー込みの値段とはいえ正直かなり高いような気がしてなりません。以前はJAF割引などがあったようですが、今は通常料金で乗るしかないようです。出来れば復活してもらいたいですが、経営状況灘から考えると難しいでしょう。

出航が近づくにつれ乗船を待つ列はさらに増え、結局20台程のクルマとともに船内に案内され、定刻8時10分に出航。

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乗り込むクルマは少なくなかったと思ったのですが、一般の乗客はそれほど多くはなく、写真からも分かる通り定員500名のフェリーはその巨体を持て余しているかのように閑散としています。ただ30名ほどの団体客が乗り合わせており、その一角だけは非常に騒がしく、とても賑わっていました。

トイレにはこんな貼紙が。

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今はどこの観光地に行ってもこうした類の注意喚起があります。『文化の違い』と言ってしまえばそれまでですが、この伊勢湾フェリーも多くの外国人観光客に利用されているようです。

天気は快晴で穏やかな船の旅も無事終了し、定刻9時05分に対岸の鳥羽港に到着。料金は若干高めですが時間短縮効果は絶大です。

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下船した先の岸壁に海上保安庁の船が停泊していたので何枚か撮影。

早朝に出発したおかげで今日は時間がたっぷりあります。
そこで、この辺りの名所でまだ訪れたことがない『夫婦岩』へ行ってみることにしました。