演劇部なので、
よそのホールを使うことも当然ある。

役はついてなくて、
雑用だの小物だのを用意したりするのが娘の仕事だ。

夏休みは毎日部活に明け暮れていた。

「あのホール、おばけが出て出てかなわんわー。
誰もおらんのに声がするし、
ドアをノックする音するし、
トイレはなんでか合わせ鏡になっとって不気味やし。
先輩が、なんかおらん人が鏡ん中におったとかで泣きながらトイレから戻ってくるし。
スイッチ押そうとしたら
それぢゃないよと声がするし、
奈落におったら、おいでーとか声がするし、恐いわー」

と、全然怖そうでない顔で、
普通に話すことの方が、
お母さんは恐い…。



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