私が日常使っているポルトガル語には、
「いってらっしゃい」、「行って来ます」、「ただいま」、「おかえり」、「いただきます」、という単語がありません。
お店に入るとよく言われる、「いらっしゃいませ」もありません。
こちらの人たちは
何も言わずに、勝手に 行き、帰り、勝手に 食べ始めます。
お店に入っても、いらっしゃいませ などとは言われません。 無言です。
無口かとおもいきや、食事中は良くしゃべるし、普段もよくしゃべります。
無愛想でもありません。むしろ愛想が良いくらいです。
こうゆう挨拶をする習慣がないだけなのです。
「頑張って」という言葉もポ語にはありません。
「Boa sorte! ボーア ソルテ (Good luck)」とか「Você consegue! ボセ コンセ-ギ (You can)」などと言います。
「頑張って」と多くの日本人が使っていますが、どんな意味で使っているの?
意味あるの? 単なる慣用語?
「頑張る」を辞書で引くと、
困難にめげないで我慢してやり抜く。気張る 踏ん張る 〈最後まで〉粘る
張り切る 勢い込む 意気込む 〈心を〉引き締める 殺気立つ 発奮
奮起 緊張 一念発起(ほっき)、
とありました。
んー、「頑張る」という言葉、
強敵なり。(すっきり理解するのはむずかしい。複雑。)
「がんばって」。 「ん、がんばる」。 この会話何?
漠然としていて具体的に何も見えないけど、
何か奮い立たせるような雰囲気にはなりますね。
気分を盛り上げる効果はあります。
こういう曖昧な表現が日本語は得意(特異?)ですよね。
(追記)
あるブログで、「guten appetit」 (ドイツ語)を、「いただきます」 と紹介していました。
「guten appetit」 は、ポルトガル語で、「bom apetite」 と言います。
「apetite」 は、「食欲」 という意味です。 「bom」 は、英語の 「good」 のことです。
そして、bom+名詞 で、別れ際の挨拶の言葉になります。
Bom trabalho = Good job 「良いお仕事を」 とか、ゴルフ場なんかでは、Bom jogo (いいプレイを=いいゴルフを) が良く飛び交います。
Bom apetite も、食事時間帯のあいさつの言葉です。 「いい食欲を=いいお食事を」 と言う事です。
すこしフォーマルな言い方ですので、親しい間では使いません。
よくレストランなんかで、ウェイターやウェイトレスがお客さんにこの言葉を使います。
これに対し日本語の 「いただきます」 は、感謝の言葉です。
恵みに対して感謝する。 今、食事が出来ていることへの感謝です。
従って、誰かにこの言葉で話しかけることは有り得ません。
「有難さに感謝し食事を頂く」、意味の言葉がポルトガル語にはありません。
おそらく、日本語特有の言葉だと私は思います。