アホ息子から母へ(肺癌と共に歩む、僕らのこれからの人生) -3ページ目

アホ息子から母へ(肺癌と共に歩む、僕らのこれからの人生)

突如母親の末期癌宣告を受けたアホ息子の奮闘記。

驚愕の事実を知った日。


本当に仕事が手につかなかった。


仕事をしようとしても、


眼に涙があふれ、まともに画面を見ることができない。


具体的に何が辛い、と言葉で表せる訳ではないし、


母はまだ全然生きているのに


心の中にぽっかりと穴が開き、


それを涙で埋めるかのようだった。


それから、どれくらい経ったのだろうか。


今日は仕事が手につかないので、


早々と帰宅することにした。






が、一向に心は浮かばれない。






辛くて、いてもたってもいられず


気がついたら、本日胸水を抜くといっていた


母へ電話をかけていた。


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突然、母の末期癌宣告を受けた、バカ息子の実体験
「バカ息子から(仮)」 003
不定期更新

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…ドコモ♪






軽快な音とともに着信音が3回。


出る気配はない。


入院してるのだから、出れないのは当然なのだが


声を聴けない寂しさと同時に、


まだ話さなくて良いという、この状況に安堵したのも事実だ。


自分の中で整理もできてないのに、


話して余計母を不安にするんじゃないのか。


話すことで本当に癌という事実が、揺るぎものになってしまうのではないか。


そういう気持ちもあったからだ。






電話を切り、再び帰路を歩み始めると


手に握りしめていた携帯が震えだした。






画面を見ると、「母親」の文字。


手が震えているせいか、携帯が震えているせいなのか


分からなかったが、早まる鼓動を抑え、


なるたけ平常心でいられるよう、一呼吸してから


通話ボタンを押した。






私「もしもし、お疲れー!電話アカンと思ってたけど?」


平常を装ったつもりだが、若干声は震えていたと思う。


母「病室は四人部屋やからアカンから、今電話いいとこまで出てきたわ」


私「そーなんや。で、どー?」


一応癌という事実は知っているものの本人からは聞いていない。


変に私から言って動揺させるのも悪いと思い、


いつものように調子を尋ねてみた。


母「なんか、癌なんやって。肺の腺癌って奴らしいわ。」


覚悟はしていたが、母から改めて聞く「癌」という言葉に


ズシリと胸を刺されたようだった。


母は悪いものを一気に吐き出すかのように、矢継ぎ早に言葉をつづけた。


母「ステージⅣやわ。胸水があったらステージⅣに自動的になるんやって。」


妹から聞いていた内容と当たり前だが同じだった。


私「大体は妹から聞いたで、ビックリしたし、めっちゃ泣いたし、正直悲しいよ。」


母「私が一番びっくりしてるわ。」


そう返す母の言葉を聞いて、確かに母が一番驚いただろうし、


信じられないだろうと思った。


私「胸水はもー抜いたん?」


母「抜いた抜いた。なんか注射器みたいなんで250ml程抜いたで。」


この250mlという量は現在溜まってる約半分の量らしい。


ただ、全部抜いたら良い訳でもなく、タイミングがある、とのこと。


私「ちょっとは楽になったん?」


母「うーん、気持ち楽になった気はするわ。」


私「なら良かったやん!で、かーさんはこれからどーしたい?」


言ってから失礼だったかな、と思った。


母「うーん、まだ分からへんわ。ちょっと考えるわ…」


私「そーやんね。また連絡するわ!元気そうで良かった!」


私もそうだが、母も気持ちが整理できていない。


だって、癌の事実をしってから、まだ数時間しか経ってないのだ。


当たり前といえば、当たり前だ。


私は意図的に「元気になった」「良かった」という言葉を使い、


少なくとも気持ちだけでも元気になるようにしていこうと決めた。







ゲンを担ぐ訳ではないけど、夕食にさぼてんのトンカツを選んだ。


嘘かも知れないけど、なんか癌に打ち「勝つ」!そんな気がしたからだ。







だが、嫁とご飯を共にするものの、


涙が溢れて食事にならない。






日にち薬という言葉がある。


時間が経てば経つほど、キズは風化され


いつかは元気になる。


そーいう意味だ。


確かに時間にはそーゆー薬の場面もあるだろう。


ただ、この時ばかりは、


変わることのない残酷な現実を喉元に


突きつける、そんな鋭利さを持っていた。


時間が経てば経つほど、辛く、重く、


自分が沈んでいくようだった。






その日、口にしたトンカツは、


人生で一番しょっぱかった。





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※これはノンフィクションです。

※これが、同様の境遇にいる方々の参考になれば幸いです。

※癌宣告を受けた家族の方のご意見があれば、是非教えてください。

※気分が乗った時にしたためます。文章は初めてのことのなので

 読みにくいことも多々あるかと思いますが、ご容赦頂けますと幸いです。

※いいね、コメント等があれば、書く気力になりますので、宜しくお願い致します。

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