さて、立花氏のyoutubeの使い方を語る前に、ちょっと脱線して電通に関してふれたいと思う。

 

電通という会社は怖い会社である。

電通は広告代理店として排他的立場を築いているわけだが、この力の源泉は何であろうか。

もちろん、広告主とメディア側との広いネットワークがあり、また広告戦略やクリエイティブ機能を持っているということが電通の強みであるが、これらが他社の参入を不可能にするほど高いエントリーバリアになるのであろうか?

 

個人的な経験での感想であるが、まず電通の持つ広告戦略やクリエイティブ機能が唯一無二のものであることは全くない。また機会があれば詳しく書きたいが、率直に言って、電通の持ってくる戦略や分析はびっくりするほど浅い。もちろんクリエイティブは手馴れているのではあるが、主に企業への説得材料は連れてくるクリエイターなどの肩書で、経営業績やマーケティング結果に本当にコミットして深い洞察を求めるものからすると、常にごまかされているような感じである(もっとも、良否を数値化しにくい広告というものは、広告主内の決済などにも肩書が意味を持つのも事実で必要悪ではあるが)。

つまり、広告戦略やクリエイティブにおいて、電通である必要は全くないのである。

 

それでは、電通の広告主とメディア側とのネットワークは、代替できないほどのものなのであろうか。

実は、能力的には広告主が民放各社や主要媒体と直接取引をすることができないことはない。特に大手広告主になればメディアへの強い交渉力がある。それなりの社内体制は必要であるが、例えば日本で一番広告費を支出しているトヨタ自動車であれば、メディアとの直接取引により年間数100億円単位の原価低減ができるはずである。

 

では、何故、広告主は電通に頼るのであろうか。

広告主の子女を採用することくらいは、まあ民間企業の営業活動の一つとして普通のことであろう。

しかし、実態はそんな生ぬるいものではない。電通に本気で対抗するものがあれば徹底的につぶす…それも悪い意味でメディアの権力をフルに活用してつぶすのである。

私のよく知る大手広告主の相応の立場にいた知人は、突然、経費の過剰使用を週刊誌に書かれ、退職を余儀なくされた。確かにこの人は、派手な経費の使い方をする人間であったが、決して周囲に隠してこっそりと行っているわけではなかった。この会社の他の社員にはない特殊能力があったので、上司である役員や部長も知っていて見逃していたのである。

また上場企業とはいえ、裏金を作ったりしたわけでもなく、いち企業の管理職の営業利益の0.001%程度の経費の過剰使用が、週刊誌ネタになるとは不可解に思っていた。

内部の近い人間に後で聞いたところ、実は、この人はその企業の広告における電通のシェアを博報堂に移そうするような動きをしていたらしい。

 

これがメディアのそして電通の力である。

メディアの強大な力は、自らの敵であれば他社の社員のクビを切ることもできるのである。

 

N国の立花氏は、この電通と(そしてNHKと)事を構えたわけである。

そしてもちろん立花氏はこの電通の力を間違いなく知っているはずである。

 

続きは、また次回。