3675 母の病⑧ | 誠fromなんたら男のBLOG

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母の病❽

 

数日間入院をして、意識も通常に戻り、お話がありますと病院から呼び出されたのがクリスマスイブ。


約束の時間より一時間以上遅れて登場した医師は、明らかに態度が横柄だった。


汚い裏紙に、「死亡」「回復」という文字と、ある臓器の絵を描き始めた。


病名は、尿路結石による腎盂腎炎。


今、カテーテルを挿入する手術をしました。

  

明日になっても、カテーテルから尿が出て来なかった場合、「死亡」します。


明日、カテーテルから尿が出て来たら、「回復」します。


淡々と、裏紙に矢印を引っ張りながら数分で話を終える。


「何か質問は?」

 

まるで母を、物の様に扱われた気がした。


絶句してしまった俺は、「いや、特に」とだけ告げて帰宅した。


あまりにもショックが大き過ぎて、今度は俺が翌日会社に淡々と話してしまった。


「もしかしたら母が危ないかもしれません」と。


しかし翌日、耳を疑う事を病院から言い渡された。


「退院の手続きをお願いします」


亡くなるかもしれないと言われた翌日に、この展開は何なんだ?と困惑した。


ジェットコースターの様なクリスマスとなった。