今日、愛犬ベーコンが死んでしまった。
夜8時、オカンからの電話でそれを知った。
2.3日前から全く食欲がなく、明日にでも病院で点滴をと思っていたその夜。
帰宅した時には息を引き取っていたと。
今こうして書いていてもまだはっきりとした実感はなく、
この感情の正体がなんなのか?今イチ自分でも分からない。
しいて言うなら悲しみから全速力で逃げている。
それでも1歩ずつ確実にそれは歩み寄ってくる。
15年生きた。
鼻がぺっちゃんこで呼吸器が弱いパグのくせに病気一つせず、
15年生きた。
迎えるべき死だったのかもしれない。
けれど、最期は誰に看取られることもなく、きっと寂しかっただろう。
もしかしたら怖くて苦しくてしかたがなかったかもしれない。
パグはあんな間抜けな顔をしているけれど、
実は飼い主に忠実で勇気を持った誇り高き犬種。
あの甘えたも、迷惑をかけまいと、そんなパグにふさわしい最期を選んでくれたのかもしれない。
まずは「ありがとう」そう言ってあげたい。
はじまりは確か小5の時、何がきっかけかはハッキリ覚えていないけれど、
井上家に小さな子犬がやってきた。
ベーコンという名前は誰に相談するでもなく親父がつけた。
「雌やで!せめて性別くらいハッキリする名前を!」
という子供にしては大人な意見は、大人の自分勝手によって葬られた。
けれど「ベーコン」と呼ぶたびに「?」と首を傾けマジで困った表情をするその子犬が、
僕ら家族は可愛くて仕方がなかった。
毎日朝6時にクンクン鳴きながら、扉をガリガリ。
目覚ましは不要だった。犬の体内時計は恐ろしく正確。寝不足の日々。
人の部屋でおしっこはするは、
お気に入りのスニーカーをビーフジャーキーのごとくしゃぶり、
本命の子からバレンタインデーにもらったチョコを目を離した隙にたいらげ、
とにかく随分奴にはキレた。それでも可愛くて仕方がなかった。
自分の部屋を与えられてからは、夜は必ず一緒に寝た。
オカンには布団毛だらけになるからやめろ!と何度も叱られたが、
少しだけ部屋を開けておくと夜中に絶対に部屋にやってきた。
そして、必ず腕枕を強要した。で、犬のくせに偉そうにいびきをかく。
たまに寝言も言う。(これホンマに)
よっぽど僕の腕枕が居心地が良かったのかは知らないが、
出産の時でさえベーコンは僕に腕枕されたまま産もうとし、
さすがに体勢的に「アカン!」と思ったのか、
次の瞬間、何を血迷ったかクルリと尻を僕の顔に向けて出産するという、ムツゴロウもビックリ!
な体験を新しい命とともにプレゼントしてくれた。
月日が経ち、さくら、ラフラ、ムクムク、つぶあんこ、という仲間が井上家にもやってきたが、
ベーコンに対する愛情はやっぱり一番だった。
僕が大学の時には、ベーコンもおばあちゃんになり、視力も落ち、耳も遠くなった。
少しボケも始まっていた。
それでも変わらずベーコンはいつも家族を楽しませてくれた。
ご飯食べながらウ○コしたり。(笑)
寝ながらマジ吠えしたり。
散歩の時、テンション上がりすぎてヘッドスライディング(?)かましたり。
こうやって振り返ると、やっと実感が湧いてきた。
もう二度と会えないと思うと、悲しいってこういうことなんや。
とやっとその意味が理解できる。
今何もしてやれないし、最後立ち会うことさえ出来そうにない。
ゴメンな。どうか安らかに。
井上家と騒がしい兄弟たちのことをどうか忘れないでほしい。
けまた将来パグを飼って一緒に暮らそうと思う。
で、名前は「帰ってきたベーコン」にする。
またどっかできっと再会出来るような気がするのは何でやろ?
まぁ、そん時までいびきでも掻きながら、しばらくゆっくりしておくれ。
2010・10・27
