今日は内部事情暴露です。

 

先に私事を。

現在、大阪府内にある個別塾講師として業務委託契約を結んで業務にあたっています。小学1年生から高校3年生までを対象とした塾です。受講料は、個別指導業界の受講料と比較すると、高めの金額ではないかと思います。

 

当然のことながら、小学生の受講料と高校生の受講料を比べたら、小学生の方が圧倒的に安い金額になっています。これはどこの塾に行っても同じだと思います。

 

では、学年が上がればなぜ受講料が上がるのでしょうか?

 

どのサイトでも同じような「理由」が書かれていました。

その代表例が「教える内容が高度になってくるから」といったものでした。

 

確かに高校生の微積分は入試レベルであれば、もう何をやっているのかわからない・・・といった感じになるんでしょうか。

だから専門の講師を配置して指導を行うのが適切であって、その専門の先生の人件費が高いから受講料が高い・・・はずなんですよね?

 

しかし、現実はというと・・・

高校生を指導しているのが大学生のアルバイト、という塾も少なくないです。高校生対象の映像授業を提供している予備校ですらアドバイザーは大学生アルバイトといった感じです(全員が全員アルバイトというわけではないのですが。)

 

個別指導塾で高校生専用講師など配置している塾は、そうそうないでしょうね。私が勤務している塾も高校生の指導は大学生が行っています。私も高校生指導を依頼されることがあるのですが、「指導できない」と言って断っています。

 

割りが合わんからです!

 

業務委託されて指導を請け負っているので、1授業いくらという契約になります。高校生の指導であっても小学生の指導であっても1授業いくらという金額は変わりません。

 

さぁ、ここで「え?」って思われた方、さすがです。

高校生になるにつれて受講料が高くなるのは専門の先生が指導してくれるから、その人件費が上がるから高くなるんじゃないの?

高校生指導手当なるものを付けて基本報酬にプラスしている塾もありますが、最近は誰指導しても同じ報酬という塾も多くなっています。

 

では増えた受講料分はどこへ消えているのでしょうか?当然ですが企業の取り分です。営利団体ですから「儲けてなんぼ」です。20年も前だと教室長にもだいぶ還元されましたが、最近は企業の内部留保を増やすために教室長への還元もあまりないようです。

 

先に高校生の指導は割りが合わん、と申し上げた理由はお判りいただけたでしょうか。逆に小学生の指導は割りがいいかもしれませんが、手取り足取りの指導になることが多いのでこれもある意味割りが合わないです。結局のところ、中学生で70点程度採れる生徒の指導が一番割が良い指導であると言えるのです。一方、企業側は、実入りの良い高校生の指導をジャンジャンやってほしいわけです。

 

さて、まとめますと・・・

受講料がだんだんと高額になっていくのは、講師の専門性が問われているからではなく、単純に企業の取り分を増やすための経営戦略である、から。

ただし、大学生アルバイトだから大した指導はできない、とまでは言い切りません。実際に入試(共通テスト)レベルの指導もできる人もいます。しかしながら高校生の指導をしている人に報酬の還元が行われている塾も少ないというのが現状で、今は企業の内部留保が優先事項になっているから還元が実現されにくい環境にあると言えます。

 

またの機会に、今後の個別指導塾の経営戦略に必要となるであろう考え方を書こうと思います。