小6から中1へ。

ご入学おめでとうございます。

 

本日は数学が嫌いになっていく具体的なポイントみたいなことを書いていきます。

保護者の皆さん、中学1年生の皆さん、

読んでみて当てはまるなぁ、と思ったらもう一度本当の意味での「基礎」から知識を入れなおしてください。

 

すべての科目に言えることですが、小学校と中学校で習うことの最大の違いは「言葉の難易度」だと私は考えます。

以前、このブログでも書きましたが、中学生になるための語彙力が足りていない子どもが多いのです。

 

 

内容はちょっと違いますが、参考になると思うので是非お読みください。

 

さて話は数学に戻します。

新中1が数学で最初に躓くのが「正負の数」なのですが、具体的にどこで躓くのか?

  • 1:負の数の大小関係
  • 2:絶対値の範囲
  • 3:負の数の分数、小数

このあたりです。

 

<負の数の大小関係は数直線>

ー8とー2の大小関係を聞かれて、新中1はたいていー8>ー2とー8の方が大きいと判断します。

理由は簡単で、これまで正の数で数字の大きい方が大きいという感覚がしみ込んでいるからです。

私はこの感覚を早く修正するために常に「数直線」を書かせて大小を判断させています。

面倒でも最初は絶対に書かせます。

早ければ3週間ほどで、本当の意味でマイナスの数の感覚が浸透してきます。

その3週間、ず~っと大小関係や、整数を選べ、負の数を選べなどの問題を自分で作って公文式のようにしてプリントトレーニングしています。

手前味噌ですがこちらにプリントを掲載しています。

ご利用ください。

 

 

負の数は絶対値が大きいほど小さい、なんて言われても、絶対値も理解できていない状態でこんなこと言われても、正直彼らの頭には入っていきません。

 

<絶対値とは何か>

そこで絶対値の話になるのですが、これは定番の教え方になります。

  • 「0からどれだけ離れているのか?」
  • 「0からの距離」

これが絶対値になるのですが、これだけ話して終わりではなく、やはりここでも「数直線」が登場します。

具体的な数字を書いて、「ー5の絶対値」という問題を「0からー5までいくつ離れていますか?」と”翻訳”しなおします。

そうするとたいていの受講生は「5」と答えます。

 

ここで先ほどの負の数の大小関係に戻ります。

負の数は0から離れている(遠い)ほど、小さい数になる、ということを私は数直線を見せながら指導します。

そして先ほどご紹介したプリントで「もうええっちゅうねん」というくらい練習してもらいます。

ここまでで整数の大小関係がしっかり咀嚼してないと分数・小数が出てきたらもう大嫌いに歩を進めてしまいます。

 

<分数・小数>

整数での大小関係が腹落ちしていることを前提で書きます。

小数の大小関係は本当に身につきにくい内容です。

例えば

ー0.1とー0.01の大小関係

となると整数でやり込んでいた生徒でもー0.1>ー0.01とやってしまいます。

そこでこのエラーを改善するために私は「数直線」を使うのですが、今度は0と1の間を10に区切った数直線で話をすすめます。

そしてー0.1とー0.01を具体的に数直線上に書き込み、大小関係を目で見て確認させます。

 

分数も同じく数直線で確認させますが、この時にマイナスの分数が整数のどの数字とどの数字の間にあるのかを見抜く力をつけさせなければなりません。

実はこの力は小数でも同じことが言えます。

例えば

ー2.5は整数の何と何の間にあるか?

というような問題を私は作って練習させています。

※残念ながら先ほど紹介したサイトにプリントを配置していません(;^_^A

分数も同じです。

 

<数直線を書くことが正負の数の理解度を左右する>

さてここまで具体的な躓きポイントと具体的な改善指導を紹介しましたがお気づきでしょうか?

数直線

これが正負の数を早く理解するか、しないか、の分岐点である、と私は考えていて、この時期、新入塾の中1の受講生には数直線と自作プリントを使用して「もうええっちゅうねん」というくらい練習してもらっています。

失礼なことを承知で書きますが、昨日、今日、塾の先生になりました、という先生ではここまでのことはわからないのです。

事実、私がそうでしたから。

 

さらにです。

塾用教材でも練習量は足りません。

よく利用している「新中学問題集」でもすべての受講生の状況に細かいところまでカバーしきれていません。

 

 

こんな事を書くと教材会社の教材を否定しているみたいな言い方になってしまいますが、そうではありません。

すべての教材がすべての個々の状況にあったものではない、と言いたいだけです。

個別指導塾の講師ならば、受講生個々に応じてプリントを作成する力量が必要だと私は常々考えています。

教材とプリントを駆使しながら、問題をどこまでかみ砕いて理解させるか、これも講師の力量だと私は考えます。

これは今後、個別指導塾が生き残れるかどうかの生命線だと私は考えています。

その辺の話はまた別の機会で。

 

とにかく、この正負の数を問題集のままあっさり通り過ぎると失敗する可能性が高い!

と警鐘を鳴らしておきます。