クリクリするからクリトリスというのだろうか。冴子のものは比較的大粒なのではないかと思う。


 途切れ途切れに小さい悲鳴を上げ、女の腰が意志とは関係なしに動いている。もう少しで女の四肢がぶるっと震え、絶えてしまいそうになる直前に指の動きを止めた。


 私は腹ばいの姿勢で、女の脚の間から上を見上げた。全身の起伏がなだらかな雪山に見える。雪崩が起きそうに大きく脈打っていた。眼前の黒い茂みは短く濃く、肌に張りつく感じで密生し、撫でると猫の毛のようにしなやかだった。肌との境界線がくっきりとしており、その潔さが冴子の人柄そのものを表している気がした。



 下腹から唇を沿わせていくと、まるで毛穴が存在しないようになめらかだ。小さいへその窪みに舌を入れた。へそ自体にたいして快感はないのだが、へこんだ部分に舌を入れること自体が快感だ。へその中にまでちゃんと手入れが及んでいるのがわかった。ざらざらしていない。



 赤ん坊と同じ白い肌だ。冴子は体の力を抜き、心なしかぐったりしているように見えた。まだ始まったばかりなのに。

 打って変わって妖艶な景色があった。そこら一面は大輪の花のようで、薄紅色を呈している。部分部分によって色の濃淡があり、ひらひらがさっくりと口を開いた中は桜色だ。


 生命の誕生するこの部位を、私は美しいと思っている。俗っぽく下劣な意味にはなく、口づけられて当然だと思う。で、私はそうした。


 一度唇を押しつけて離すと、女が静かに呻いた。そこが感じるのは、歓びと感謝の気持ちからではないかと思う。



 花びらの上のころんとした粒は、パールがかった鮮やかなピンク色だ。にわかにベリーピンクのシャンパンボトルを思い出した。どうして体の中にこんなきれいな宝石があるのだろう。指でぺとぺとつついた。


 「恥ずかしいわ」


 私は無視した。指先で時計回りにくるくると転がす。女の腰が、何度も小さく跳ねては落ちた。


 「そんなにいじったら痛くなっちゃうわ」


 「知ってるよ。だから女は濡れるんだ」


 剥き出しの桜色の中から、透明の液体がいくらも滴り落ち、シーツの色を変えていた。私は滴りを指先に塗りつけ、改めて真珠の粒を撫でた。ぬるぬるとした新しい感触に、女が「あぁ」と声を上げた。

 ランプの陰影の中に、白い女体が浮き上がっていた。暗くて顔はよく見えない。私はベッドに這い上ると、通常上から始めるところを下からハードに迫ってみようと思った。


 「冴子、膝を立てて」


 素直に従ったが、膝は閉じられている。膝頭をつかんで思いきり左右に広げた。


 「恥ずかしいわ」


 枕に押しつけた頭を横に向けながら女が言った。


 「大丈夫。まだ何も見えていない」


 白いパンティの真ん中に、まあるい染みができていた。こんな時女を可愛いと思う。鼻を寄せると、春の新芽の匂いがした。ここの公園もまもなく包まれるであろう、木の芽どきの匂い。生き物たちを狂わせる香り。心の向くままに舌を沿わせた。


 女がぴくりと身を震わせる。わずかに舌の上に残ったワインが、真っ白い布地を紅く染めた。私は彼女に報告するべきだと感じた。


 「ぼくの舌が君の下着を汚してしまったよ」


 女は天井を見つめているようすで、「そう」とだけくぐもった声で応えた。


 うっすらと紅色に染まる純白の下着は、妙にこ惑的に映った。少女の初潮を思わせ、いたいけな気持ちにさせた。私は迷いを払うように、ひと思いに下着を剥ぎ取った。