姉はあの日以来
あまり笑顔を見せなくなった
私は何も聞けなかった
時々 私はひとりで
あの泉に足を運んだ
胸が占め付けられるような
痛みを感じるものの
忘れかけた何かを
取り戻せる気がした
いや…
父や母と言う
暖かい響きに
遭ってみたかったのかもしれない
弟の海の所へ行き
姉の様子が あの日以来
変だと話した
弟は…
大姉は“心”を
取り戻しているのかもしれない
このケースが割れてないかい?と
胸のガラスの結晶に
手を宛てて言った

海!
あの泉に行くと
ドンドンガラスケースに
傷が入るの
でも姉さんは
あの日からガラスケースが
無くなってるみたい
海は「それはヤバいなぁ…」
急いで「ガラスケースを
注文して来るよ

僕の心のケースも
ホラッ!サクラなんだ」と
心からガラスケースを
取り外した
「サクラ?って綺麗な気の?」
「そのサクラは大きな気の樹
僕の言うサクラはウソ…
つまり偽造もののことを
“サクラ”と言うんだ
本物に似た別のもの!!
同じ言い回しの
言の葉には共通する意味が
必ず込められているんだ」
「ふぅ~~ん」と納得したような
してないような…
空(から)返事を私はした
「今の返事は
空(から)空(そら)だよ(笑)」
あっΣ( ̄□ ̄;)鋭い!
「月姉!!
頼みがあるんだm(_ _)m」
「なっ、何よ?改まって…
海にはビックリさせられる事
ばかり…
ビックリ

「もうすぐ、この国の時代が変わる
僕は後に 我が父を
殺すことになるんだ
その前に…
右目の犬目
左目の猫目
鼻となる山岳(獄)
おおかみ座(狐)の国へ
大姉さんと僕の
“わだかまり”を
修正しにタイムスリップしたい
僕は運命と言われる
宿命のまま…
人形のように
生きたくないんだ!」
大事な大事な
“凄いもの”を
やろう

肌で頭で
†心†で
感じ取ったのだった
弟、海の“本気”は
全身全霊の輝く
石(いし)は固かった...

そのおおかみ座(狐)とは
サクラ(偽造)の国だった
大神…
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