それまで祝福とか結婚とかって、受けたら自然と幸せになれると漠然と思ってた。周りの家庭持ちのお兄さんお姉さんみたいに上手くいくと。幸せになるのが当たり前でそんな事に疑問すら感じていなかった。
性格、価値観。大切に思う事。それが合わない。一緒にいてもどうしても幸せにならない。それで皆別れる。親を始め教会の大人たちが離婚とか浮気とかいけないって言うの見てたからか、そういう事する人達を正直バカにしてた所もあったかもしれない。けどその人達も仕方がなかった事なんだなって今は思うんだ。
けど本当に悔い改めるべきは、自分の全ての幼さを自覚出来ない所だんたんだね。
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家庭出発して一年目の夏の話。
「俺今日あっちの部屋で寝るわ。」
仕事から帰ってきて食事の時もずっと無口だった主体者が、布団を引いていた私に言った。
「えー何でー?」
「何か調子悪い。風邪かもしれないから別で寝る。」
最小限の情報だけ言い、主体者は自分の布団を担ぎゆらゆらしながらもう一つの6畳くらいの広さで書斎兼祈祷室として使っている部屋に行ってしまった。
寂しいなぁ。そう思いながら私も布団に入り眠りについた。
「ピピピピピ」
朝になり薄っすらと目を開けると左に主体者が居ない。そういえばとぼんやり思いながら仕事が休みなのを良い事に目覚ましを止め二度寝に入る。
「ピピピピピ」
何十分か経った後、再度鳴った目覚ましを消してぼーっとしながら祈祷室を見に行く。
「どう?大丈夫―?」
掛け布団をさすってみると主体者はゆっくり目を開けた
「…んー…やばいかも…」と言いながら、かなりしんどい様子で置いてあった体温計を寝たまま首元から入れ始めた。顔は赤く、触った手からも熱が伝わってくる。
ピピピと鳴った体温計を見て主体者が一言「あ、あかんわ」。
見ると38度を超えていた。
「えーーーーー!?風邪ーー!?」
私が慌てふためいていると、主体者はふらふらしながらそばにあったペンで紙に何かを書き始めた。
「すまんけどこれ買ってこれる?無理だったら自分で行くけど。」
目の焦点が合っていない彼から受け取ったその紙には、風薬、おかゆ3袋、ポカリスエット2本とヨロヨロの字で書いてあった。
「よろしく」
そう言って主体者は布団をかぶり寝始めた。終始慌てていた私は、よく解らないまま紙に書かれたものを近くの薬局で買ってきた。帰ってきて気付いたが、書かれていいたもの全て風邪を引いた時に必要な物だった。何を言いたいのかというと、慣れている。一人暮らししたことが無い私はその対応力に驚いたのと同時に、風邪を引いた時何でもしてくれてた親に甘えていた事をその時初めて気が付き軽く自己嫌悪になった。
それから主体者は一日中ずっと寝込んでいた。
私は、日曜礼拝から帰ってきてずっとテレビを見ていたがとうとう暇になり寝ている主体者の部屋に行った。
静かにドアを開け、寝ている主体者の横に潜り込んだ。
「んー…。 …何やってんの?」
起きた主体者が不思議そうな声で聞いた。
「暇なのー」
寝たまま主体者に抱き着くとシャツが汗で湿っていた。
「…あのさ、風邪ひいてるんだけど。…うつしちゃうから出てって」
「えー。うつらないからー。」
「…ほんとにやめてって。」
「一人じゃつまらないー」
そんなやりとりをしていたらそのまま寝てしまった。
起きたらもう夕方だった。横には主体者が変わらず寝ていた。私は布団から出てシャワーで汗を流した。
結局それから二日間主体者は寝ていて結局私は風邪を引かなかった。主体者の心配損に終わったけど私の事を心配してくれたのは嬉しかった。