日本製紙グループが、王子製紙による北越製紙へのTOB成立を阻止するため、北越製紙の株式を8.49%を取得し、10%近く間で買い増しする意向を示している。これにより三菱商事(24.09%)と日本製紙あわせて1/3超の議決権を保有することになり、加えて北越銀行と第四銀行も王子製紙の北越に対するTOBに賛同しない方針を示した。現時点では、王子の北越に対するTOBは、当初の50%超の目標を変えるか、TOB自身を断念せざるを得ない状況に追い込まれている。この事態を招いたのは、王子の日本流に言うところの根回しがまったく出来ていない所に起因する。王子の経営陣の考えの甘さが招いたことである。少なくとも、良好な関係を作ってからで無ければ、現在の日本の風土では、TOBは成立しないということである。王子の経営統合案は、北越製紙の従業員、株主、をはじめとするすべてのステークホルダーにとって最も良い提案であると確信してると発表した。そして、「公開買付けの成功に向けて努力を継続する」とのコメントを発表しているが、状況は変更を余儀なくされそうである。
一方、コナカとアオキのフタタの取り合いは、コナカに軍配が上がった。既にコナカは、フタタと共同仕入れを行っており、良好な関係を築いている。そこにアオキが割り込んできたわけであるが、信頼関係が既に出来ていたコナカが勝つことは明白であった。アオキの経営陣の考えの甘さが目立つ。
この2つのTOBから学ぶことは、根回しの大切さ、人の心の大切さであろう。日本の市場では、ビジネスライクに割り切る欧米のような状況にはなっておらず、義理と人情が、支配しているようである。経営者は、そのようなことも配慮して、企業買収を考えていかねばならない。