日本の大手企業が相次いで、海外子会社との取引を関連して、移転価格税制に基づく更正通知を国税局から受ている。武田では、追徴課税額は、570億円とかなりの金額になっている。マツダ(76億円)、三井物産(25億円)、三菱商事(22億円)、ソニー(279億円)も同様の措置を受けている。
各社とも、各国の税制に従い適正な納税を行っていると主張しており、税務局と真っ向から争う姿勢である。なぜ今このような問題が起こっているかの根本原因は、日本と海外との税率の違いに有る。いうまでも無く、日本の税率は、該当する外国と比較してかなり高く、企業にとって海外に利益を移したほうが、連結で見た税額は、少なくて済む。国際的に見て、企業が競争力を保てるような税制が、長い目で見たとき、日本の反映に繋がると筆者は考えている。企業への高い課税は、そのうち企業の本社の海外移転に繋がっていくことが予想され、日本の産業空洞化が危惧される。この問題の解決には、国際企業の課税のあり方について、根本的に見直す必要がある。

移転価格税制なるものは、あいまいな法律である。かなり、いい加減な法律といっても過言ではなく、解釈次第でどうにでもなる。個々の取引金額について、国税局が正当どうか判断できるものではない。三井物産、三菱商事との事例では、追徴の理由が「さまざまなノウハウを供給しており対価が低すぎる」である。これでは、その辺のチンピラが、ミカジメ料が少なすぎると言いがかりを付けるのと大差は無い。取りたい国税局と払いたくない企業であるから、利害関係が真っ向から対立する。しばらくは、大手企業、特に海外展開している企業では、この問題が継続すると予想される。業績に影響する金額は、企業全体からするとさほどの金額ではないかもしれないが、不透明感からの不安心理が残ってしまう。しばらくは、国際優良株は、見送りにした方が良いかもしれない。