今回の、CB発行(MSCB)は、ライブドアがニッポン放送を買収したときに資金手当てした手法と同じです。野村にとって、市場価格の90%で株が手に入るのですから、こんなおいしい話はありません。また、株価が下がれば下がるほど、入手できる株数が増える(下限は、300円)訳で、野村としては、株価の下落を期待はしています。ただし、ここで最も重要なのは、取得した株をどのように処分していくかです。市場で売却するか、それとも特定の銀行や事業会社などにはめ込んで行くかです。
この行く末を推理する上で、考えておかなければならない事柄があります。東京三菱とUFJ銀行が、合併して以来、東京三菱UFJ銀行グループとしては、総合商社を、三菱商事と双日と2社抱えることになりました。グループ内には、総合商社は、1社で十分であり双日は、将来は三菱商事に吸収されるか、専門商社化していくか、あるいは、海外を含めた他のグループに売却されるかの選択しか残されていません。数年のスパンで考えたとき、単独で存続していくなどありえないことです。このような状況を考えれば、今回のCB発行は、東京三菱UFJグループが将来の双日のあり方を決定していく上で、東京三菱UFJグループに十分な支配できるだけの株を保有させる絶好な機会なのです。したがって、野村は、東京三菱UFJグループの考えに沿って、市場の株価をある程度下げるための株は、市場で売ったとしても、大半は、東京三菱UFJグループにはめ込むと考えられます。したがって、野村の取得した株のほとんどは、市場に出ることなく、固定株となると考えるのが順当です。ただし、株のはめ込み安さを考えれば、株価は、下がっていたほうがよく、上値は期待できないのも事実です。