野良猫のクロが、ボステツに聞きました。
「ねえ、ボステツさん」
「捨て猫って、どういうこと?」
ボステツは少し考えてから答えます。
「家で暮らしていた猫が、人間の都合で外に置いていかれることもある。」
クロは驚きます。
「家にいたのに……外に?」
人間にとっては、一言で「捨て猫」と呼んでしまうことがあります。
でも、その猫がどうして外にいるのか。
そこには、いろいろな事情があります。
🐈 「野良猫」と「捨て猫」は同じではない
外で暮らしている猫を見ると、
「野良猫だ」
と思うかもしれません。
でも、外にいる理由は一つではありません。
もともと外で生まれ、人に飼われた経験がない猫。
家から逃げてしまった猫。
迷子になってしまった猫。
そして、以前は人間と暮らしていたのに、外に置いていかれた猫。
見た目だけでは、その違いは分からないことがあります。
だから、
「外にいる=ずっと野良猫だった」
とは限りません。
🌿 外で生きるのは、簡単ではない
クロたちにとって、外の世界は自由です。
好きなところを歩ける。
好きなところで休める。
誰にも命令されない。
そんなふうに見えるかもしれません。
でも、外には外の厳しさがあります。
雨の日もあります。
暑い日もあります。
寒い日もあります。
ごはんが毎日あるとは限りません。
交通事故などの危険もあります。
他の猫との争いに巻き込まれることもあります。
病気やケガをしても、人間のように病院へ行くことはできません。
だから、
「外で暮らしているから自由で幸せ」
と簡単には言えないのです。
🐾 「かわいそう」だけでは終わらせない
外で暮らす猫を見ると、
「かわいそう」
と思うことがあります。
その気持ちは、とても自然なものだと思います。
でも、そこで一歩立ち止まって、
「この猫は、今どんな環境で暮らしているんだろう?」
と考えてみる。
誰かがごはんをあげているのか。
地域で見守られているのか。
さくら耳になっているのか。
いつもいる場所があるのか。
ケガをしていないか。
その猫によって状況は違います。
だからこそ、まずその猫を知ること。
それが大切なのかもしれません。
🐈⬛ クロも「野良猫」だった
クロも外で暮らしていました。
人間に対して警戒心が強く、
なかなか近づこうとしません。
でも、クロにはクロの世界がありました。
そして、その世界の中で出会ったのがボステツでした。
ボステツは、強そうに見えて実はやさしい。
そして、猫を見る目を持っている。
そんなボステツが、クロのことを気にかけるようになります。
クロにとって、ボステツとの出会いは、
この先の生活を変えるきっかけになっていきます。
😺 「その猫を見つけたら、僕が家に連れて帰る!」
クロは話を聞いて言いました。
「じゃあ、捨て猫を見つけたら、僕が家に連れて帰る!」
ボステツは、しばらくクロを見つめます。
そして一言。
「……そもそも、お前も野良猫だろ。」
「……。」
クロ、無言。
🐾
そんなクロですが、
この先、自分自身が「家猫」になっていくことになります。
しかも、
家に入ったからといって、
すぐに人間に慣れるわけではありません。
クロには、クロの時間がありました。
🌱 私たちにできること
もし外で猫を見かけたら、
「かわいい!」
だけではなく、
少しだけ、その猫のことを見てみる。
毎日同じ場所にいるのか。
誰かが見守っているのか。
さくら耳になっているのか。
困っている様子はないか。
そして、もし明らかに捨てられたと思われる猫や、
迷子と思われる猫を見つけた場合は、自己判断だけで終わらせず、
地域の保護団体や自治体などに相談することもできます。
大切なのは、
「外にいる猫を全部同じに考えないこと」
なのかもしれません。
一匹一匹に、それぞれの事情があります。
🐾 クロから人間へ
僕たちは、
「野良猫」
と呼ばれることがあります。
でも、
僕がどうしてここにいるのか。
どこで生まれたのか。
誰と出会ってきたのか。
どんな経験をしてきたのか。
それは、僕にしか分からない。
だから、
「野良猫だから」
という一言だけで、僕を決めつけないでほしい。
僕にも、
僕の物語があるから。🐈⬛
クロの物語は、ここから少しずつ変わっていきます。
外で生きていたクロが、
やがて「家」という場所に出会う。
でも、その道のりは簡単ではありません。
クロがどんなふうに人間との距離を縮めていくのか。
これからも、一緒に見守ってください。
どうぶつより。
動物から人間への手紙。