作家・シナリオライター西村悠のブログ

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ラノベ作家・シナリオライター西村悠の近況報告とかです。

今年も7月29日がやってきました。夏空のモノローグ発売からちょうど14年。今年はSwitch版の発売や、舞台化と色々なことがありましたね。

14年という月日を経てなお、これほど愛していただける作品に関われたことは、本当に名誉なことです。

舞台、こっそり見に行ってきました。役者さんの素晴らしい演技に引き込まれ、アドリブシーンに笑い、構成の見事さに息をのみました。本当に素敵な舞台でしたね! 自分が書いた物語と同じ魅力があり、同時に違う魅力を合わせ持つ、幸せな舞台化作品でした。

不思議な話ですが、あの作品を開発していた頃にタイムスリップしたような気持ちになりました。このシーンにはこんな気持ちを込めて書いたな。あのシーン、今の僕にはこんな風に見えるのか。作品を通して、昔の自分と対話しているような、そんな気持ちになり、なんだかとても感慨深かったです。

物語最後のシーンが暗転した瞬間、暗闇の向こうに必死で物語を書いている14年前の自分の背中が見えた気がしました。この作品がたくさんの温かい気持ちによって守られ、今日ここで舞台となっている。その事実を想うと同時に、これまでの創作の悲喜こもごもが心に浮かんで止まらなくなり、込み上げてくるものを飲み込むのに苦労しました。

3時間あっという間。本当に幸せな時間でした。

帰り道。14年前の、ライターとしての自分に自信がなく、常に追い詰められていた若い僕に、この夏の舞台のことを教えてあげられたらな、と考えていました。あの頃の自分に優しい言葉をかけて感謝したくなるような。僕にとっては、そんな作品でした。

もうすぐ7月29日が終わり、明日がやってきますね。14年前の僕からしたら、この作品がこれほど素敵な舞台になり、多くの人に楽しんでいただけるなんて、それは本当に奇跡のようなもので――『明日はきっといい日』という言葉が14年越しに胸に響いたのでした。

舞台に関わった全ての方、見てくださった全ての方への、感謝の気持ちでいっぱいです。

特別な7月29日をありがとうございました。今日を胸に、また明日へと歩みを進めたいと思います。

それでは、みなさまの明日がいい日であることを心から祈りつつ、失礼いたします。
 

お世話になっております。西村です。ブログの更新は久しぶりですね。年末となりました。一応僕も仕事納めをして、一息ついているところです。(来年のスケジュールを考えて、お正月の間も少しずつ仕事は進めていくつもりです)

プライベートでも仕事でも、色々なことがあった年でした。

プライベートについては、子供がいますから、おのずとたくさんのイベントに触れることになります。色んな場所に出向くことにもなるので、買い物と散歩くらいで十分外出したい欲求を満たせてしまう、極端に出不精な僕にとっては、季節や外の世界を感じるいい機会になっているかもしれません。もちろん、家事育児はとても大変ではあるのですが、その分だけ家族の信頼関係みたいなものは深まっているような気がします。

仕事では、色々なことに挑戦し続けた一年だったような気がします。前半はかなり苦しかったのですが、後半にいくに連れて楽になっていったというか。昨年、今年とかなり力を入れて、色々な準備もさせていただいておりました。来年は色々とお知らせできることも増えてくると思います。これまでの準備がどのような結果を見せてくれるのか、今は楽しみと不安がないまぜの状態です。うまくいってくれ! と心から思っております。ぜひ、見守っていただければ幸いです。

また、仕事とプライベートの両面において、やはり個人的に大きな出来事だったのが、twitter(現x)を始めたこと。色々と気にする性格ですし、あまりに簡単に、全世界に発信できてしまうSNSには、かなり慎重だったのですが、始めることにしました。

 

もっと自分の作品に対して責任を持ちたいと思ったのがきっかけです。作って、世に出して終わりではなく、より多くの人に届ける努力をするべきだと考えました(今更ではありますが)。あとは創作について、色々な人との交流の中で勉強できたら、という気持ちでしょうか。創作論とお仕事関連の内容に絞って投稿しているのですが、案外ネタが尽きないことに驚いております。また自分の考えが整理されたり、他の方の考えに触れたりして、自分の場合はどうか……と考えるきっかけになって面白いなと思っております。

やってみた感想としては……140文字は、短いですね! 本当に短い! 伝えたいことがまったく伝わらない。あちこち削ってもまだ上限をオーバーしてしまう……。どちらかいうと、言葉というものの、伝わらなさに恐怖を覚えているタイプなので、かなり綱渡りな気分です。

あとは、文字媒体の注目を集める力の弱さ、というものも改めて実感しております。関連して文字主体の作品を宣伝する難しさにも考えは繋がり、であれば、例えばSNSで作品を宣伝するにはどうしたらいいのか……などと日々悩んでいたりします。

皆様はどのような一年だったでしょうか。
僕の今年の総括としましては――準備の年というイメージでした。

来年も、よろしくお願いいたします。
では、よいお年を。

ブログの更新は久しぶりです。皆様、お元気でしょうか。こちらはありがたいことに、色々と忙しく過ごしています。

家のことも、仕事も、相変わらず一生懸命にやっています。ブログでも触れましたが、今年はtwitter、じゃない、今はもう、x? を初めまして、毎回緊張しながら投稿しています。呟きとはいえ、なにしろ世界中の人の目に触れるわけですから、勢いで呟くわけには――いや、時々勢いで呟いていますね。いつも文字数の制限にぶつかってしまって、文章を作る時間より、削る時間のほうが長いくらいです。楽しく触れさせていただいております。まだ不慣れな点も多く失礼がありましたら、申し訳ありません。(この間メッセージの返信で改行のつもりでリターンキーを押したら送信されて、というのを3回も連続でやらかしまして……送り先の方を、きっと驚かせてしまっただろうなと……)

さて、毎年7月29日はシナリオ制作で関わらせていただいたあの作品、夏空のモノローグについて(守秘義務に触れない範囲で)書くと決めています。

13年が経ちましたね。短いようで、長いようで。つい昨日のことのようで、遠い昔のようでもあって。これも毎年書いていますか。会社に所属している時代に書いた最後の作品で、この作品で、僕はようやく、自分で自分を認めることができたのだと思います。

当時、ネットで見た作品の感想のひとつひとつに、背中を押されるような気持ちになったのを覚えています。気持ちがほどけていくような感覚をはっきりと思い出せます。

 

こんな人間でも、全身全霊でぶつかれば、誰かに楽しんでいただける作品を作ることができるのだなと、安心したというか(もちろん1スタッフとしてですよ)。ようやく、小さな頃から憧れていた『物語を創る人』の、それはもう、あの頃の理想とはかけ離れてはいるけれど、それでもともかく、『物語を創る人』をようやく名乗ってもよいと思えたというか。

間違ってなかったんだな、と思えたというか。

そう、はじめて小説で賞をいただいたときも『間違ってなかった』という気持ちがあって、夏空のモノローグのときも『間違ってなかった』という気持ちがあって。『間違ってなかった」という言葉は、自分の中で結構大きなものなのかもしれません。

いえ、たくさん間違えてるんです。多分、人一倍間違えています。でも、それも含めて、間違えてなかったと思えることが重要で。

7月29日は、どうもしめっぽくなってしまっていけません。長年、変わらない思いで作品を支えてくださるファンの皆様に、深い感謝を。これからも、皆様に楽しんでいただける作品を目指して精進していきます。見守っていただければ嬉しいです。

何卒よろしく、お願いいたします。

 

暑い日が続きます(本当に暑いですね!)。どうぞ身体の調子を一番に。