調査で使用する器材には特殊なものが多い.ニーズも限られてるから,数もそれほど出るわけではないからだろう,結構いい値段がするもの多い.しかし,全ての調査方法の器材がどこかしらで売ってる,ってわけでもなく,あまりにもニーズが少ないものは当然売ってないので,ハンドメイドするしかない.
ワテはそーいったハンドメイド品を作るのがスキな人である.同業の人たちの中でも“モノを作る”ことが単純に好きな人がいて,現場で一緒になった時,「こんなの作ってみたんだけど,どう?これ?」なんて言って,嬉しそうに見せるのである.
で,今回,巧みは潜望鏡を作ってみました.デジカメを水中に入れて写真を撮る際,実際自分も潜る装備を装着していて写真撮影するのならなんら問題はないのだが,潜る準備をしていない場合や,浅い水域なんかはデジカメのみをズボっと水中に入れ,だいたいあの辺かなぁ,と当たりをつけてシャッターを切ったりしていた.デジカメということもあり,数打ちゃ当たるの発想で,1場面に何枚もシャッターを切り,その中で満足のいく構図のものを採用する,という方式でいたのだが,常々ちゃんと構図を見て撮影したいなと思っていた.ニコンの一眼レフカメラのFシリーズ(F6からファインダー交換出来なくなってしまったが!)にオプションでウェストレベルファインダーや,アングルファインダーというものがあり,あれならば上から覗くことが出来,そのようなものがあれば!と思っていた.
水中カメラ用品をネットで検索していたら,一眼レフのハウジングに付けるのか,単純に単品なのかは,モノの写真がなかったのでよくわからないが,そのようなもの,個人が作っていて販売していたらしいことがわかった.値段は2万だったかなあ,写真がないからその値段出してもいいものかはわからんが,結局20個くらいしか注文されなかったので,今は止めてしまったらしい(しかし!某水中写真器材メーカーからそれを販売するとの情報が!).
ま,なんしろ今すぐに手に入らないし,出来るだけ今あるデジカメに合う,ストレス無く使いやすいものが欲しかったので,ここは一つ,ハンドメイドすることにした.で,作成したものが以下のものである.
材料さえ揃えば,組み立て(接着等)には1時間もかからなかった.ただ一部防水じゃないと困るので,接着剤が乾くまでの時間が必要だ.始めは潜望鏡のみ作成するつもりだったのだが,使い勝手を考えると,潜望鏡とデジカメとをストレス無くジョイントさせたいなと思い,スポンジ製の“受け”を作り,持ち運びも考え,ケースも作成した.
作るに当たってちょっと苦労したのはデジカメの液晶画面と同等の大きさの鏡探しだった.探すと意外に見つからなくて困った.ガラス屋さんで,そんな小さい鏡は切ってくれないだろうし・・・と思っていたらコスメグッズでそーいう小さい鏡を発見.しかも丁度いいサイズがあってよかった.
一応作品としては目的の機能は果たせそうに仕上がったが,まだまだ改良の余地があるなと感じた.改良版の作成に思いを馳せる一方,新たに作らなきゃならない“モノ”が浮かんできて,改良版はいつ出来るかなぁ,なんて思ってしまった(笑).