3月9日

レミオロメンのあの名曲が思い浮かばざるを得ない日


TとKと共通の友人のSちゃんと4人で飲むことになった

Kの籠が取れたままの限界自転車が車とぶつかって限界を超えて廃車になったと聞いたので、Tと迎えに行くことにした


車とぶつかって無傷て…
Kは幸運な奴だ


Tの自転車をKに貸してTは私の自転車に乗った

その後ろに私が乗る

2ケツしながら二人でレミオロメンを歌う

歌詞がうろ覚えでサビしかまともに歌えない

「今日3月9日やん!」

とか言って上機嫌だった


Sちゃんと合流して飲み屋でグダグダ喋っていた

Sちゃんには生まれて初めての彼氏ができたばかり

Sちゃんは真面目で高身長で可愛くて
私にないものを全部持っている


その日もまたアルコールの魔力にやられた私は、Sちゃんが羨ましくて羨ましくて羨ましくて…
突如泣きだした

Sちゃんが私に、真面目になりと優しさからの言葉をかけられたことが悔しくて

だって

アンタは毎日彼氏と一緒に勉強してれるもんな
真面目に遊ばず図書館デートできんねんもんな

幸せなんやもんな…

私はあと何日彼と会えるのか分からない

部屋を引き払って奈良の実家に帰った彼と毎日会えるわけじゃない

生活があるからバイトを削るわけにはいかない



…なんでアンタみたいな恵まれた人間に説教されなアカンねん



普段こんなこと思ったこともなかった

Sちゃんが大好きだ

だからこんなことを思う自分が醜くて涙がボタボタ落ちてきた


Kが気を使ってSちゃんを帰らせた

私はTのお腹に顔を埋めて泣いていた
子供みたいにわんわん泣いていた


Tが頭を撫でてくれて自分が情けなくなった…
Tとは相変わらず時間があればランチに行く仲

手を繋いでデートをする

あとたまに飲みに行く

でも私は彼の彼女でもないし
彼は私の彼氏でもない

ある日

常連のお客さんに誘われて飲みに行って、お客さんと別れてから一気に緊張が解けて酔いだしたことがある

酔いつぶれて無意識で呼び出したりして
BARに呼び出したくせに寝てしまい
カウンターに突っ伏してた

寝ながら彼の声が聞こえた

「すいません。チェイサー1つ。いや、一人にさせたくないだけですよ。心配なんで…」

恥ずかしくなって急いで上体を起こした……つもりだった
頬杖をつかないと顔面がカウンターにダイブ決定

眠くて目が開かない
不細工だったろうなと思う

でも笑って寝てたらエエのにと言ってくれる


ズルいなぁ


一人でいるのが嫌で彼の家まで自転車を押しながら歩いてついていった

朝日が上がってくるまでマンションの外で話した

他愛もない話を続けた
この時間が勿体無かった


帰り道自転車で坂を下りながら考えるのは彼のこと



彼は笑うと目がすーっと細くなる

その顔好きなんよなぁ



「自分勝手やけど俺の本音やから」

帰ったらメールがきてた

「本音聞けて素直に嬉しかったよ」


そう返して明日もランチに行きましょーって話になった

バイトまでの短い時間

でも彼が日本にいる時間は短いから
たとえ1時間でも会いたいと思った


次の日

待ち合わせして
ご飯に行って
河原町四条周辺をブラブラ


ふとしたときに彼が手を繋いでくれた

離すこともできなくて何も言わずに笑って握り返した


帰り際に私の頭をポンポンと撫でて
「頑張ってな」
と言ってくれた



距離は縮まる

でも…私は君のなんなんだろう?
バイト中そんな陳腐な悩みがグルグル回る

繋いだ手は冷たかったなぁ