ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のオンライン鑑定です。
タツヒトさん(仮名・30代男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
タツヒト「僕は、子どもの頃から、女性の服や長い髪・化粧などに興味があって……」
僕「それを身に付けると……女装ですよね? タツヒトさんは似合いそうですね」
*画面越しに見るタツヒトさんは細身で色白のイケメンです。
タツヒト「僕はゲイじゃないんです。女性が好きなノーマルなんです」
僕「女装する男性のおよそ半分は、性的に好きなのは女性だって、聞いたことがあります」
タツヒト「僕は大学からつきあっていた彼女と、25歳で結婚しました。小学生と幼稚園の2人の子どももいます」
僕「世間的には、順調で幸せですね?」
タツヒト「仕事も安定してますし、妻や家庭にも特に不満はありません。でも……」
僕「女装願望があるんですね?」
タツヒト「インターネットで、地元にも女装愛好者がいることを知り、ただ話を聞きたくて、連絡したんです」
僕「どうでしたか?」
タツヒト「女装コミュニティなんて、東京・大阪だけだろうと思っていたら、僕の街にもあって……そこに月に1~2回、僕も参加するようになって……」
僕「同好の士ですね? 単なる趣味なら、弊害ないですよね?」
タツヒト「最初に言ったように、僕は男性に抱かれたいとか思わないんです。ただ、きれいでかわいい女性に同化したい、それだけなんです」
僕「女装コミュニティに参加して、女装するようになった?」
タツヒト「最初、男の恰好で参加したんです。そしたら、みんな、レディースの服・ロングのウィッグ・化粧品・ハイヒールを分けてくれるんです」
僕「ただで? 優しいですね」
タツヒト「無料でくれました。初対面の僕にですよ? みんな、いい人で……」
僕「タツヒトさんより年上の人が多いんですか?」
タツヒト「年上ばかりです。40代・50代・60代で……僕が最年少で……その場でお化粧してくれて、女装させてくれたんです」
僕「タツヒトさんが、若くて美形だからですね」
タツヒト「その時の『初女装写真』がこれです」
僕「これが? とても初女装には見えません」
画面越しに見せてくれたのは、金髪のロングウィッグ・黒いドレスを身に付け、完璧に化粧したセクシーな女性……一見、男性には見えません。
タツヒト「ベテラン女装者がお化粧してくれたんで……自分でも、あんまりきれいでびっくりしました」
僕「これは……しゃべらなければ、(男性だと)バレませんよね?」
タツヒト「調子に乗って、みんなと盛り場に繰り出しちゃいました」
僕「初女装で、初外出? すごいですね。かなりの女装経験者でも、近所のコンビニに行くだけでも勇気がいるって……(聞いたことあります)」
タツヒト「盛り場を女装者数人で歩いて、ミックスバーに行って、ちょっと飲んだだけなんですけどね」
僕「盛り場を女装で歩くと、男性から誘われませんか?」
タツヒト「その時は、女装者団体なんで……ジロジロ見られて……モーゼの海割りみたいに、よけられました」
僕「女装の人が集まると、目立ちますからね?」
タツヒト「そうなんです。でも、大勢だと怖くないって思えて……」
僕「その時、もらった女性服やウィッグ・化粧品で、その後はひとりで女装するようになった?」
タツヒト「そうです。妻には飲み会と言って、車で人の少ない駐車場に行き、トランクに入れてある道具で女装するんです」
僕「女装して、ひとりで夜の盛り場へ?」
タツヒト「そうです。30分歩くとハイヒールが限界になるので、コンビニでドリンク買って、駐車場に戻ります」
僕「車だと、お酒飲めないですね」
タツヒト「でも、女装で酔っぱらったら、男が出そうだから……シラフの方がいいんです」
僕「ハイヒールもきついでしょうが、ずっと脚を閉じてるのもキツイですよね?」
タツヒト「そうなんです。ミニスカートなんか、穿けないですよ。つい、脚開いて、ブリーフ丸見えになりますから……」
僕「ブリーフ? 下着は男物なんですね?」
タツヒト「さすがに、女性下着はもらってません。自分で買うか……妻のを拝借するかしないと……」
僕「奥さんのを? 無断で?」
タツヒト「でも、今は女装してないんです。ちょっと怖くなって……」
僕「奥さんにバレそうになった?」
タツヒト「それも心配ですが……。もっと怖いことがあって……」
僕「差し支えなければ、教えていただけますか?」
タツヒト「先月、いつものように、夜ひとりで車で出かけて、車の中で女装して盛り場行ったんです」
僕「ハイヒールが持つ30分間の女装外出ですね?」
タツヒト「その夜は、ハイヒールにも慣れてきたせいか、1時間経っても平気だったんです。だから、ノンアルコールを飲みながらずっと歩いていたんです」
僕「盛り場を何周も?」
タツヒト「同じところを回るのもつまらないので、近くの公園に行ったんです。そしたら、夜なのに、人がいて……」
僕「夜の公園に人が? もしかして……」
タツヒト「そこがいわゆる『ハッテン公園』だなんて、本当に知らなかったんです。ちょっとベンチに座ってノンアルコール飲みきろうと……」
僕「男性が寄ってきたでしょう?」
タツヒト「そうなんです。オジサンがジロジロ見てきて……。僕は何度も言うように男に興味ないんでソッポ向いてたんですけど……。なんか話しかけてきて……」
僕「相手は女性だと思った? それとも?」
タツヒト「なんか増えてきたんですよ、3~4人に。『あんた女?』『こんなとこ女は来ないよ』『かわいいね』とか言ってきて、腕を引っ張るんです」
僕「それで?」
タツヒト「4~50代のオジサン4人に両腕引っ張られ、樹木で街灯当たらない暗闇に連れて行かれて……」
僕「抵抗しました?」
タツヒト「もちろん、『やめてください』って何度も言いましたけど、やめてくれないんです。女装してると、女の気持ちになるんで……力が出ないんです」
僕「で、暗闇で、その4人に?」
タツヒト「脱がされて……ほぼ全裸にされて……全身撫でまわされ、4人代わる代わる僕の口やお尻に入れてきて……」
僕「集団レイプじゃないですか?」
タツヒト「怖くて……ずっと震えてました。早く終わってくれと願うだけで……」
僕「アナルセックスされたんですよね? 事前処理してないでしょう? ほぐしてもないから、痛みで……(入らない)?」
タツヒト「白髪の人が、かなり時間かけてほぐしたので、物理的な痛みはそこまでなかったんですが……精神的にショックでした」
僕「4人がタツヒトさんの口やお尻に射精した?」
タツヒト「2人が僕の口に……もう2人がお尻に……。僕自身もオジサンたちの手や口でイカされて……」
僕「誰か近くに助けてくれる人とか?」
タツヒト「公園には他にも人がいたんですが……助けてくれる人はいませんでした。って……僕も大声で助け求めてませんから……」
僕「女装しているから?」
タツヒト「警察でも来たら、いろいろ聞かれて、妻とかに連絡されてしまいますから……」
僕「そういうことですね」
タツヒト「解放されて時計見たら1時間半ぐらいで……。でも僕には、もっと長い地獄に感じられました」
僕「災難でしたね」
タツヒト「手足に葉っぱの擦り傷ができて……。いただいた服やウィッグも、汚されていて……。閉店間際の銭湯に駆け込んで、体洗いました」
僕「銭湯? 男湯ですよね?」
タツヒト「もちろん男湯。いったん化粧落として男に戻ってからです」
僕「それで……女装するのが怖くなった?」
タツヒト「それもありますが……。次の女装コミュニティに行った時……ウィッグが汚れたままだったので、手入れの仕方を聞こうとしたら、公園でレイプされた話を根掘り葉掘り聞かれて……」
僕「女装コミュニティの人達なら、共感して……」
タツヒト「『4人に輪姦されて自慢してるの?』って言われました」
僕「え? 女装道具を無料でくれた優しい人達が?」
タツヒト「『あの公園に深夜行けば、誰でも手を出されるのよ』『でも、4人同時って凄いね』って……」
僕「話のネタにされたんですね?」
タツヒト「僕は、本当に怖くて嫌だったんですが……そこは共感してくれませんでした」
僕「そうだったんですね」
タツヒト「僕が何度も『無理やりだった』って話したら、『長くほぐされてたなら、その間に逃げられたでしょ?』『口に入れてきたら、噛みつけばよかったじゃない?』って言われて……」
僕「突然のことで、怖くて、パニックで、頭真っ白になってたんですよね?」
タツヒト「そうなんです。それなのに、まるで僕が、犯されたのを自慢しているみたいに言われて……」
僕「2次被害ですね。悔しかったですか?」
タツヒト「百歩譲って、男が好きなら、嬉しい気持ちになったかもしれませんが……」
僕「タツヒトさんは男性に興味ないんですからね」
タツヒト「そうなんですが……。ひとりから『ちょっと、また公園に行きたいって気持ちあるでしょ? クセになるわよ。男好きになるわよ』って言われて……」
僕「え?」
タツヒト「夜の公園も、女装も、こりごりです。女性の恰好しているだけで、男に痴漢やレイプされたがっていると思われるなんて……絶対に嫌です」
僕「たまったもんじゃないですよね?」
タツヒト「ただ、今はB面なんで、冷静に判断できるんですが……」
僕「B面?」
タツヒト「女装者の用語で、A面が女装している時、B面は男でいる時なんです」
僕「今は男性の恰好なので、冷静でいられる……?」
タツヒト「でも、女装すると女の気持ちになっちゃうんで……」
僕「え? まさか……。女装したら、また公園に行きたくなる?」
タツヒト「レイプは嫌ですけど……男から性的に誘われるってことは……『女性的魅力を評価されてることだ』って、女装の先輩に言われたんです」
僕「……」
タツヒト「ゲイの人にとって、女装者は人気高いですか?」
僕「正直言うと、高くありません。相手に『男』を求めるのが、ゲイですから」
タツヒト「そうなんですね。あの4人のオジサンはゲイじゃないんですね?」
僕「たぶん、バイセクシャルか……性欲発散したいノンケ(異性愛)男性……」
タツヒト「無料の風俗嬢にされちゃったんですね?」
僕「ゲイの中にも女装者好きは、いないこともないですが、ごくごく少数です。基本的には、女装の人はゲイの人に不人気なんですよ」
タツヒト「あの4人のオジサンは、僕を女として見ていたというか……女の代用品にしたんですね?」
僕「そういうところでしょうね」
タツヒト「ちょっと気持ちが楽になりました」
僕「良かったです」
タツヒト「豫さんには申し訳ないんですが、僕はゲイになりたくないんです。ゲイ男性の相手もしたくないです。だから、男性には興味ない……ただ……」
僕「相手がノンケ(異性愛)男性だったら、話は違う?」
タツヒト「行為は不愉快です。でも、『女として見られた』ことは嫌じゃありません。断ったとしても、嬉しいことかも……」
僕「……」
タツヒト「ごめんなさい。なんだか、自分でもよくわからなくなってきました」
僕「いろいろあって、混乱してるんですね?」
タツヒト「お話する前は、レイプみたいにされたことを、女装コミュニティの人達にわかってもらえなくて……。女装コミュニティに行くのをやめようか……そこを相談したかったんですが……」
僕「お気持ち、わかりますよ。やっと本音で理解し合える人達と出会ったと思ったら……共感してくれなかった。裏切られた気がしますよね?」
タツヒト「先輩女装者から『本気で嫌だったら、逃げることもできたはず』『怖くて動けなかったって言いつつ、イカされてるんでしょ?』って笑われたのが、ショックで悔しくて……でも、言い返せなくて……夜、眠れない時があるんです」
僕「わかりますよ。釈明したくても、説明しきれないこともありますよね」
タツヒト「1番きつかった言葉は『あんた、ノンケ(異性愛)の女好きでしょ? 痴漢もののAV見たことあるよね?』『自分がB面(男)の時は、そういうのに興奮しておいて、A面(女)になったら男が怖い……って、誰も理解できねえよ』って……」
僕「……」
タツヒト「確かに、A面(女)とB面(男)を使い分けてるって言われたら……反論できません」
僕「アドバイスカードを引いてみましょう」
タツヒト「お願いします」
★タツヒトさんへのアドバイスカード
↑「蒼月のコウモリ」
ご存知のように、コウモリは、鳥のように空を飛ぶ哺乳類。童話などでは「鳥」にも「ネズミ」にも似ているどっちつかずの動物として描かれる。
しかし、特殊な生物ではなく、世界中に1000種以上が生息していて、数から言えばありふれた動物。
僕「タツヒトさん、コウモリでいいじゃありませんか?」
タツヒト「鳥でもないネズミでもないコウモリ? 男でもない、女にもなりきれない?」
僕「あるがままの自分でいいんですよ」
タツヒト「でも、僕は結婚していて、子どももいる……」
僕「父親として、夫としての責任は果たすべきです。しかし、できるだけ……です。メンタル壊れたら、家庭を守るどころではありません」
タツヒト「具体的には、どうすれば?」
僕「折り合いをつけるしかないでしょう。家庭は守る。が、女性になりたい気持ちを抑えられないなら、どこかで発散する必要がある」
タツヒト「夫であり父親である僕が、女の恰好するだけじゃなく、男たちに犯されて喜ぶなんて……」
僕「喜んでないでしょう? 不快だったんですよね? ただ、逃げるタイミングを失い、刺激されて射精してしまった……済んでしまったことは仕方ないです」
タツヒト「……はい」
僕「でも、これからはもっと理性的に、賢く行動できるはずです」
タツヒト「理性的に、賢く……?」
僕「女装はやめられないでしょう? だったら、将来、奥さんや子どもたちに女装がバレた時に、言い訳できるように、行動を線引きしたらどうですか?」
タツヒト「線引き?」
僕「たとえば、もともと男性に興味ないですよね? ただ、女装していて誘われたら、悪い気はしないんですよね? だったら、誘われるところに行かない。少なくとも、周りの目などがあって、強引にされない場所だけにする」
タツヒト「はい、夜の公園は行きません」
僕「そもそも、公園は公共の空間ですから、合意であっても、露出や性行為をしたら通報される恐れがあります」
タツヒト「そうですね」
僕「とりあえず、趣味として女装する……とか」
タツヒト「趣味のつもりだったんですが……」
僕「人生を折り返してから性別を変えたい、同性同士で愛し合いたい……という人もいます。それでも仕方ない……っていうか、本音に蓋しても解決しないんです」
タツヒト「そんな風に、なりたくないですが……」
僕「男はこうあるべき……って考えすぎると、本心に気づくのが遅れるんですよ」
タツヒト「……」
僕「もちろん、家族がいらっしゃるんですから、本心に忠実に、自由奔放に生きるのは難しいでしょうが……」
タツヒト「どうすれば……」
僕「だから、折り合いをつけるしかありません」
タツヒト「折り合いを……」
僕「家族も大事。自分自身も大事。両方をできるだけ大切にするしかないんです」
タツヒト「そうですね」
僕「まずは、あるがままの自分を受け入れることです。そこが始まりです」
タツヒト「犯されたけど、気持ちよかった……って認めることですね」
僕「え? そこは言いたくないのでは?」
タツヒト「豫さんだけに言いました。女装コミュニティでは、言いません」
僕「……わかりました」
タツヒト「でも『気持ちよかった』って認めたら、楽になりました」
僕「病みつきにならなければ……」
タツヒト「僕にも理性がありますから。夜の公園には行きません。男にはもう抱かれません」
僕「そこが、タツヒトさんの線引きですね?」
タツヒト「おかげで、気持ちが整理できました。ありがとうございました」
僕「こちらこそありがとうございました」
さて、今日のパンセリノスオラクルカードです。
↑「翡翠のアリ」
ご存知のように、アリは小さく弱い生物です。他の動物などに食べられる存在です。
しかし、集団で、お互いの役割を果たすことで、大きな獣をも倒すことができるし、世界中で大繁栄してる生物とも言えます。
あなたも、仲間と力を合わせて努力することで、単独では成し得ないこともやり遂げられます。
あきらめてはいけません。投げ出す必要もありません。結果が見えなくても、もう少し、努力と協調を続けましょう。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。
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