ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

ムロヒデさん(仮名・50代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ムロヒデ「私の人生、いつまで続くのでしょうか? もう嫌になりました」

 

僕「教えていただいた生年月日・生誕時刻・生誕地による西洋占星術では、首から上の健康に注意すべきと出ています。が、早死にや短命の星はありません」

 

ムロヒデ「日本人男性の平均寿命ぐらいは生きる……?」

 

僕「そうですね」

 

ムロヒデ「ハアー。じゃあ、あと2~30年生きるんですか……」

 

僕「お辛いことがおありですか? 持病があるとか?」

 

ムロヒデ「おかげさまで、大きな病気はしたことないです。丈夫な体が恨めしいです」

 

僕「健康な身体は、何よりの宝ですよ」

 

ムロヒデ「私には、健康な身体なんて、もう要りません」

 

僕「何かあったのですね?」

 

ムロヒデ「首から上の病気って、頭の病気ですよね? 精神病ですか?」

 

僕「それだけではありません。脳梗塞とか……目の病気、耳や鼻や口の病気、喉の病気……さまざまです」

 

ムロヒデ「私は大バカ者なんです。きっと脳みそが足りないんですね。若年性の認知症かもしれません。人生最後の恋だと思い込んでました……」

 

僕「よかったら、お聞かせください」

 

ムロヒデ「私は高校生でゲイを自覚しました。その時に、1番気にかかったのが、同性同士は結婚できないということです」

 

僕「そこは、(同性愛者)みんな悩むところですね」

 

ムロヒデ「だから、20代で恋人ができると、私は何とか夫婦のような状態になりたかったんです」

 

僕「お気持ち、わかります」

 

ムロヒデ「同性婚が認められる外国に移住するとか……。でも、現実的には難しくて……できないまま30代・40代になり……いつしか恋人どころかワンナイトの出会いすらなくなって……」

 

僕「そういう方、すごく多いですよ」

 

ムロヒデ「性欲というより、心が寂しくなって……ウリ専ボーイ(男性版風俗)を買ったんです」

 

僕「どうでしたか?」

 

ムロヒデ「ルイくん(仮名)っていう苦学生でした」

 

僕「ルイくんが気に入ったんですね?」

 

ムロヒデ「ルイは、私みたいなオジサンに対して、恋人以上のことをしてくれるんです」

 

僕「……」

 

ムロヒデ「私は出世コースから外れてて、安月給なんです。それでも、少しでもルイの学費の足しにしてもらおうと、毎週末、ルイを買って……チップも弾んでたんです」

 

僕「ムロヒデさんがたくさん買えば、それだけ、ルイくんが他の客をとる回数も減るし……」

 

ムロヒデ「そうなんです。ルイに他の客をとらせたくなくて……金のために好きでもない男に抱かれるのが不憫で……」

 

僕「ただのボーイとお客の関係ではなくなってきたんですね?」

 

ムロヒデ「ルイは、私を『好き』と言ってくれました。他の客にはしないことも、『ムロヒデさんだけに特別に』ってしてくれたんです」

 

僕「ルイくんに恋心を抱いちゃいますね?」

 

ムロヒデ「すっかり恋人気分でした。ルイの就職相談も受けてましたから……」

 

僕「ルイくんは、大学に通うためにボーイをしていた? つまり、卒業したら足を洗う?」

 

ムロヒデ「そうです。ルイ自身、そう言っていたんです。『大学卒業したら、ボーイも卒業して、ムロヒデさんだけのモノになる』って……」

 

僕「それで……?」

 

ムロヒデ「今年の春、ルイは大学を卒業しました。私は、ルイが就職する直前の春休みに、ルイを旅行に連れて行こうと思い、有給休暇をとり、沖縄への飛行機チケットを予約していました」

 

僕「卒業旅行……ルイくんの大学卒業と就職の間の……3月ですか?」

 

ムロヒデ「ところが、2月になると、ルイは(ウリ専の)店を辞め、連絡がつかなくなったんです」

 

僕「ルイくんのアドレスや電話番号を聞いてなかったのですか?」

 

ムロヒデ「『それはヤミケン(店を通さず個人売春)につながるから禁止なんだ』とルイが言うので、2月末、店を辞める直前に教えてもらうことになっていたんです」

 

僕「ルイくんの就職相談も受けていたんですよね? 就職先は?」

 

ムロヒデ「ルイの就職先については、具体的な名前までは聞いてません。営業がいいか、事務職の方がいいか……それぐらいです」

 

僕「で、2月にルイくんを買う予約をしようとしたら……」

 

ムロヒデ「既にルイは店を辞めてました。店のマネージャーに事情を話して、ルイの連絡先を聞いたんですが……教えてくれません」

 

僕「お店の人は、教えないでしょうね」

 

ムロヒデ「私は1年半もの間、毎週、かかさずルイを買ってきたんですよ。言わば、ルイに貢ぎ続けたお得意様ですよ? それなのに、マネージャーは頑として教えてくれないんです。いずれ同棲して、将来は養子縁組……家族になる身なのに……」

 

僕「同棲や養子縁組は、ルイくんも同意ですか?」

 

ムロヒデ「そこは、まだ私の頭の中の計画でした。でも、1年半もラブラブなんですから、ルイだって……」

 

僕「ラブラブって……ボーイにとってはセックスは仕事であって……」

 

ムロヒデ「で、そのマネージャーが何と言ったと思いますか? 『心配要りません。すぐに戻ってきます。そしたら、また買ってやってください』って……」

 

僕「……」

 

ムロヒデ「ルイに限って……もうウリ専には戻りませんよ。そういう子じゃありません。お金が足りないなら、私に相談しに来ます」

 

僕「連絡先がわからないのでは?」

 

ムロヒデ「以前、私の電話番号とLINEのIDを紙に書いて、ルイに渡しているんです。で、ルイの方は2月に連絡先をくれる約束だったのに……」

 

僕「2月からもう半年経ってますが……」

 

ムロヒデ「ルイからは何の連絡もないです。何かあったのでしょうか? 事件に巻き込まれたとか?」

 

僕「……」

 

ムロヒデ「そういう話をゲイバーでしたら……笑われました」

 

僕「笑われた?」

 

ムロヒデ「『ウリ専ボーイの営業トークを本気にするなんてバカだ』って言われました。『ルイくんは、あんたと縁を切りたくて、あんたに連絡先を聞かれる前にウリ専を辞めたんだ』って……」

 

僕「そう言われて、どう思いましたか?」

 

ムロヒデ「『そんなはずない』『みんな、本気の恋をしたことがないから、そう言うんだ』って考え、もうそのゲイバーには行かないって思いました。でも……」

 

僕「ルイくんから、連絡がない?」

 

ムロヒデ「ありません。ルイがいたウリ専の店のサイトを毎週見てますが、戻ってきてません」

 

僕「半年以上、連絡がなく、ウリ専にも戻ってないと言うことは……」

 

ムロヒデ「やはり、ルイに私は騙されたのでしょうか? 恋人気分にさせられ、1年半もの間、毎週毎週リピーターにさせられて……総額100万以上払ったのに……」

 

僕「……」

 

ムロヒデ「ルイは、私と2度と会いたくないのでしょうか? 私は、いい年して……何やってるんですかね? ルイと両想いだとばかり思ってました……」

 

僕「……」

 

ムロヒデ「もう、ルイ以上に好きになる相手はいないです。人生最後の恋だったんです。それなのに、ルイは、もう私の顔も見たくない……。私の愛はルイには重荷だったんですね? ただの客だったんですね?」

 

僕「台湾版易タロットのアドバイスカードを引いてみましょう」

 

ムロヒデ「お願いします」

 

★ムロヒデさんへのアドバイスカード

↑「雷沢帰妹(らいたくきまい)」

花嫁衣裳の若い女性です。

年の離れたカップルや不倫・妾などを表します。欲に溺れず、冷静に判断することを勧めています。

と同時に、「それもまた恋愛」という意味もあります。

 

僕「ムロヒデさんにとって、ルイくんとの1年半は、確かに恋愛期間だったのです」

 

ムロヒデ「私は……ロマンス詐欺にあったのでしょうか?」

 

僕「ムロヒデさんは、本気で好きだったのですよね? だったら恋愛です」

 

ムロヒデ「ルイにとっては仕事……金を稼ぐ手段だった……」

 

僕「ルイくんにとって、ムロヒデさんは恩人です。今も感謝していますよ」

 

ムロヒデ「私は連絡も約束もすっぽかされ、避けられているんですよ?」

 

僕「ウリ専ボーイって、お気楽な仕事ではありません。何年も売れ続けるって大変だと聞きます。次々と若い子・新人が入ってきますから……」

 

ムロヒデ「私は、ルイひとすじでした」

 

僕「だから、感謝されてますよ。ムロヒデさんがいたから、ルイくんは大学を卒業できたんです。無事に社会人として巣立っていけたんです」

 

ムロヒデ「感謝してくれているなら、そう伝えてほしいです。連絡してほしいです」

 

僕「ルイくんは、ウリ専をスッパリ辞めたんです。忘れたいんです」

 

ムロヒデ「ボーイと客じゃなくて、普通につきあって欲しいんです」

 

僕「ムロヒデさんを見れば、ボーイ時代を思い出すでしょう?」

 

ムロヒデ「私は……ルイの黒歴史ですか?」

 

僕「たとえ、いい思い出でも、卒業して、次のステージに進みたいのです」

 

ムロヒデ「ルイは私に感謝しているって、本当ですか?」

 

僕「この台湾版易タロットのアドバイスカードを見てください」

 

僕「この花嫁の方から、年上男性を誘っているのです。ルイくんのことです。ルイくんは、ムロヒデさんをリードしてくれたんですよね?」

 

ムロヒデ「それはそうです……」

 

僕「ルイくんは大学に通うために、ボーイになった。ムロヒデさんはそれを応援した。言わば返還不要の奨学金を出し続けた……」

 

ムロヒデ「私は、ルイにいいことをした?」

 

僕「だから、恩人ですよ」

 

ムロヒデ「だったら、連絡……」

 

僕「サナギから羽化した蝶は、サナギのあった木には戻りません。次のステージに移行したのですから」

 

ムロヒデ「私の恋心だけ、取り残された……」

 

僕「親も同じですよ。愛情こめて育てても、子どもは独立し、もう親元には戻ってこないこともある……」

 

ムロヒデ「せめて、短期間でも同棲したかった……」

 

僕「親もそうですよ。いつまでも一緒にいたいが、子を思って、外に送り出した……」

 

ムロヒデ「養子縁組はできなかったんですが……」

 

僕「ムロヒデさんは、ルイくんと恋人だった……心の親子だった……そう考えましょう」

 

ムロヒデ「……片思いでしたね……」

 

僕「そう。騙された訳じゃないです。片思いというか……ルイくんが社会人として巣立って行ったんです」

 

ムロヒデ「ルイのことを想うなら、気持ちよく送り出すべきなんですね?」

 

僕「そう考えてください」

 

ムロヒデ「確かに、私と会っていれば、ルイはずっとボーイやってたことを忘れられないかもしれません」

 

僕「そうですよ」

 

ムロヒデ「ルイが無事就職して……年齢近い人と恋をして……幸せになることを願います」

 

僕「ルイくんが聞いたら、涙を流して喜びます」

 

ムロヒデ「私は、ルイの捨て石ですね?」

 

僕「ムロヒデさんがルイくんの役に立ったことは、間違いありません」

 

ムロヒデ「ルイの大学卒業に私は貢献したんですよね? それを誇りに生きていきます。ありがとうございました」

 

僕「こちらこそありがとうございました」

 

さて、今日の観音オラクルカードです。

↑「真珠の女王」

真珠は、貝の中に異物が混入してできる宝石。体内に入った異物は、本来は厄介者。「なくなればいいのに」と思う存在でしょう。しかし、その異物を、貝は幾重にも包み、光沢のある美しい玉に仕上げるのです。 

 

あなたが悩まされている「異物」も、あなたを成長させてくれるでしょう。異物は、あなたの魂が、真珠のように美しく輝きだすきっかけなのです。悩み、苦しみ、迷う時こそ、ひと呼吸おいて、先の先を見ましょう。人は、試練で成長していくのです。

 

↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)