ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のオンライン鑑定です。
カズナリさん(仮名・50代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
カズナリ「去年、彼氏が亡くなりました」
僕「それはそれは……ご愁傷様です。一緒に住んでらしたのですか?」
カズナリ「彼氏はテルヒト(仮名)という60代ゲイ男性で……リタイアしたばかりで……同棲したがってました」
僕「ということは、同棲はしてなかった?」
カズナリ「いずれ、テルヒトの家で同棲するつもりでした。3DKの一軒家で持ち家ですから。僕は賃貸の1Kなので……」
僕「テルヒトさんとは、どれくらいのお付き合いで……?」
カズナリ「7年前に掲示板で知り合いました。ものすごく好きっていうわけではなかったんですが……。コロナ自粛で会えない時に連絡し合ったり、どちらかがコロナで寝込んだりしたら、段ボール箱に食料品などを詰めて届けたりしてました」
僕「コロナで会えない時期に、逆に気持ちが深まったのですね?」
カズナリ「コロナの後に『ひとり暮らしは寂しいし、不便だ』ってことになり、同棲の話が出たんです。で、『テルヒトの家で……』ってなったんですが……僕の通勤時間が2倍になってしまうんですよ?」
僕「それで、同棲をためらっていた?」
カズナリ「あと2年ちょっとで、僕は定年なんです。そしたら、再雇用で働くことはせず、テルヒトの家で2人暮らしするつもりでした。『家賃かからないから、なんとやっていけるよ』ってテルヒトも言ってくれたので……」
僕「そんな中、去年、テルヒトさんが亡くなった?」
カズナリ「……孤独死でした」
僕「孤独死って……カズナリさんがいるのに……?」
カズナリ「僕だけ海外旅行に行っていたんです。昔のゲイ友が外国で永住権とってて……『1度遊びに来い』って言われてたのが……コロナで延び延びになっていて……去年行ったんです」
僕「まさか……旅行中に、テルヒトさんが……(亡くなった)?」
カズナリ「テルヒトも誘えばよかったと後悔しました。そのゲイ友って、僕の昔の元カレなんです。今はただの友達なんですけど……。テルヒトに紹介しづらくて……」
僕「カズナリさんが数日間旅行している間に、テルヒトさんが急死したのですか?」
カズナリ「10日間です。毎日連絡していたんですが……。急に既読にならなくなり……返事も来なくなったんです」
僕「……」
カズナリ「てっきり、ひとりで僕が10日間も旅行したから、テルヒトはすねているのかと思ってたんです」
僕「でも、帰国を早めるわけにはいかなかった……?」
カズナリ「まさか亡くなっているとは思いませんでした。現地のゲイ友も、わざわざ休みとって、僕を出迎えてくれてたんです。本当にただのゲイ友で、何もなかったし……。現地のゲイバーにも連れて行ってもらったけど、何もなかったんです」
僕「何日間ぐらい、音信不通になったのですか?」
カズナリ「8日間です。電話も何度かしたけど、出ないし……。ヤキモキしながら、帰国したその日に、お土産持ってテルヒトの家に行ったんです」
僕「そしたら?」
カズナリ「ピンポン押したら、知らない男の人が中にいて……『テルヒトさんは?』って聞いたら、『あんたは誰?』って聞かれたから『友人です』と言ったら、『テルヒトは死にました』って……」
僕「ショックですね?」
カズナリ「信じられなくて、経緯を聞いたら、『隣の人が、郵便受けに新聞やチラシがたまって溢れているのに気づいて警察に通報して開けてもらったら、ひとりで死んでた』って……」
僕「その男の人が隣の住人ということではなく、親族か誰か?」
カズナリ「テルヒトの姉の息子で、他県に住んでるんですが、連絡受けて来たそうです。死因は脳梗塞で、発見時は死後2日ぐらいだったそうです……」
僕「お通夜とか、お葬式は?」
カズナリ「お通夜はせず、家族葬を済ませたって言ってました。お骨は隣県のお墓におさめるって……」
僕「最近、家族葬が多いですからね……」
カズナリ「お葬式に間に合ったとしても……家族じゃないからって、家族葬には出席できなかったということです。上がらせてもらって、お骨に手を合わせて帰るしかありませんでした」
僕「せめて、何か形見分けを……(もらってきましたか)?」
カズナリ「それが……業者に清掃してもらい、家具も何もかも処分していて、家はガランドウでした。服も写真も全く残ってませんでした……」
僕「その、テルヒトさんの甥っ子さんは、カズナリさんのことを聞いてなかったのですね?」
カズナリ「テルヒトにお姉さんがいることは聞いた気もしますが、甥っ子の存在を僕は知りませんでした。その甥っ子も、親族だから片づけに来たって感じで……おそらくテルヒトとも疎遠だった……そんな感じでした」
僕「……」
カズナリ「『(帰りの)飛行機の時間があるから……』って、その甥っ子が迷惑そうに言うので、僕は早々に退散しました。だから、『僕は、この家でテルヒトと住む予定でした』なんて、言えませんでした……」
僕「その甥っ子さんは、カズナリさんをただの友人だと思ったのでしょうね」
カズナリ「テルヒトは、昔のゲイのDVDなどを大量に持っていましたが……それらは業者が捨てたんでしょうね。テルヒトは捨てられない性分でしたから、服も大量にあったんです。それも、すべて……」
僕「看取ることもなく、形見の1つももらえず……残念でしたね」
カズナリ「僕がひとりで旅行に行かなければ……あるいはテルヒトも連れて行っていれば……」
僕「悔やんでも悔やみきれないですね」
カズナリ「テルヒトは血圧高いので、お酒はセーブしてたんですが、もともと好きなんです。最後のLINEの時、テルヒトから『ちょっとだけ酒飲んでる』って来て……『少しだけにしてね』って返事したんですが……」
僕「……」
カズナリ「やっぱり、テルヒトは寂しかったんです。半分ぐらい、僕が殺したようなもんですよね?」
僕「そんなことないですよ。お話を伺う限り、テルヒトさんは事故死です。脳梗塞という事故が起こったんです」
カズナリ「老後は、テルヒトと穏やかに過ごすつもりでした。それが……こんなことになって……」
僕「死に目に会いたかったですね?」
カズナリ「それは……僕がテルヒトを置いて、ひとりで10日も旅行に行ってたから……自業自得です。ただ、テルヒトに申し訳ないです。僕がいながら……清掃業者にすべて捨てられて……ゲイDVDとか『気持ち悪い』って言いながら捨てたんでしょうね。お気に入りの服も、思い出の品も、すべてあっさり捨てたんでしょうね」
僕「業者の人は、思い出の品とかは、捨てていいかどうかを聞いてくれるって言いますが……」
カズナリ「聞く相手は、ほとんど付き合いのない甥っ子ですから、テルヒトの遺品は100%捨てたんだと思います」
僕「それでも、わざわざ飛行機で遺品の処分に来てくれて、葬式もして、お骨も収めてくれるんですよね? 遠方の親族だと、それすらしない人も少なくないと聞きます」
カズナリ「そうですね。テルヒトの甥っ子に文句言うのは筋違いですね。僕が悪かったです。ひとりで旅行なんか行かず、もっと早くテルヒトの家で同棲していたら……孤独死なんかさせなかった……」
僕「これからできることを考えましょう」
カズナリ「何もありません。先日、どうしてもテルヒトにもう1度会いたくて、テルヒトの家に行ったら、敷地ごと入れなくなっていて……解体される予定になっていました」
僕「テルヒトさんに会いたかったら……遺品を飾って、手を合わせればいいです」
カズナリ「僕の部屋に、テルヒトが置いて行った服と、使っていた歯ブラシがあるんです。捨てるに捨てられなかったんですが……」
僕「それをどこかに飾って、テルヒトさんだと思って語りかければいいです」
カズナリ「死に目にも会えず、葬式も出てないので、今でもテルヒトが死んだ実感が湧かないんです」
僕「アドバイスカードを引きましょう」
★カズナリさんへのアドバイスカード
↑「金貨の8」正位置。
お墓に結婚の報告をする花嫁。死者と語らいながら、生きていきましょう。
カズナリ「この花嫁のように、僕は新しい相手を探さなければならない? とても、そんな気にはなれません」
僕「それは、いつかそのうち……です。気持ちの整理がつくまで、部屋に飾ったテルヒトさんの遺品と話しながら暮らしていけばいいのです」
カズナリ「気持ちの整理が、ある程度ついたら?」
僕「外に出ましょう。太陽の光を浴びましょう。人と話しましょう」
カズナリ「テルヒトのお骨をおさめた墓にお参りしたい……そんな気持ちもありますが……」
僕「どこにあるか、わかりますか?」
カズナリ「いいえ。甥っ子さんの連絡先も聞いてないし……調べようがありません」
僕「モヤモヤするのはわかります。しかし、現実的には、カズナリさん宅に残されたテルヒトさんの遺品がすべてです。ほかはないですよね?」
カズナリ「そうです」
僕「では、その遺品を大切にしましょう。飾って語りかけるのもいいし、形見としてカズナリさんが使ってもいいと思います」
カズナリ「わかりました。テルヒトの服をテルヒトだと思って過ごします。ありがとうございました」
僕「こちらこそありがとうございました」
さて、今日の台湾版易タロットです。
↑「風天小畜(ふうてんしょうちく)」
家畜は外に居ますが、人は家の中です。
空には怪しげな雲が渦巻いています。文字通り、雲行きが怪しいのです。
今は少しの間、はやる気持ちを抑えて、じっと耐えましょう。
全体の運気は悪くないので、今少しの辛抱です。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。



