ゲイ占い師 豫 空潤です。
同棲する日本人ゲイ男性Tommyと、ネットフリックスで映画「ブルーボーイ事件」を視聴しました。第20回アジアン・ポップアップ・シネマ(2026年4月)コンペティション長編部門 グランプリ受賞作です。
映画「ブルーボーイ事件」2025年日本
監督:飯塚花笑
脚本:三浦毎生・加藤結子・飯塚花笑
出演者(役名):中川未悠(サチ)・錦戸亮(狩野弁護士)・前原滉(アツヒコ)・イズミ セクシー(アー子)・中村中(メイ)・山中崇(赤城医師)など
↑画像はお借りしました。(公式サイトより)
中央が中川未悠(サチ)。右端が錦戸亮(狩野弁護士)。左から2人目が中村中(メイ)。右から3人目がイズミ セクシー(アー子)。
あらすじ(ネタバレします)
1964年東京。高度成長期の日本は、東京五輪を直前に控え、東京の「浄化」を進めていた。大勢くるだろう外国人や外国のマスコミに「洗練された近代都市 東京」を見せたいのだ。
「浄化」の1つとして「街娼の一掃(売春防止法は1958年から施行)」があったのだが、厄介な問題があった。女装男娼である。当時「性交」は男女間の行為だけを指し、「売春」も男女間だけに適用。一見女性に見えても、性転換手術した男娼は戸籍上は男性。「売春」では取り締まれないのだ。
そこで、検察は、男娼そのものではなく、性転換手術を施した赤城医師(山中崇 産婦人科医)を逮捕した。「正当な理由なく健康な身体を傷つけ、生殖能力を失わせてはならない」という「優生保護法(1948年~1996年施行されていた)」に抵触するという理由からだ。
これに対して、赤城医師は「男に生まれたが女性として生きたい人達に対して、望みの身体を手に入れるための手伝いであり、正当な治療だ」と無罪を主張する。
赤城医師の弁護士の狩野(錦戸亮)は、赤城医師の主張を裏付けるため、性転換手術を受けた患者たちに証言を依頼する。しかし、男娼のメイ(中村中)は証言台で「(男に生まれたことで)悩んでなどいない」と強がり、ジョークを交えて売春を楽しんでいるように語り、性転換希望者の苦悩を薄める結果になってしまう。
もう1人の証言者アー子(イズミ セクシー。元男娼・ショーパブ開店予定)は、大柄で男性的な容貌を笑われる。一方で、狩野弁護士から「あなたは勃起も射精もできた健康な男性だったが、性転換症という精神の病気。(手術という)治療が必要だった」と言われる。アー子が「あたいは精神病じゃない。女なのに間違って男の体で生まれただけ」と泣きながら抗議し、これも、狩野の弁護方針とズレることになってしまった。
その夜、アー子が居酒屋でひとり呑んで、見知らぬ男たちに絡まれ、反発して怒鳴り……翌朝、河原で死体として発見された。(犯人は特定されていない。おそらく、警察も本気で捜査しなかった)
アー子の無残な最期に、サチも、アー子と普段は言い争っていたメイも、絶望し、涙が止まらない。
狩野弁護士は、サチ(中川未悠)にも証言を依頼していた。サチは女性としてウェイトレスの仕事に就き、アツヒコ(前原滉)という会社員と同棲している。「女性として生きたい」証言者に最適だった。
サチも赤城医師による性転換手術(睾丸摘出・陰茎切除)を受けていたが、まだ(造膣)手術を終えてなかった。愛するアツヒコ(前原滉)のためにも手術を完了させたかったが、引き受けてくれる医師はいない。法外な金だけとって患者の安全は度外視の「闇医者」は存在したが、旧知のアー子から「闇医者だけはやめなさい」と忠告されていたのだった。
アツヒコとの静かな暮らしを守りたいサチは、証言台に立つのを断り続けていた。
狩野から「赤城医師を無罪にすれば、あなたたちも引き続き、手術が受けられるから」と頼まれたこともあり、サチは裁判での証言を決意する。
しかし、サチは証言台で、検察から「(手術して)メンスが来るようになったか? 来てないなら男だ。外見を女に似せただけの性的異常の男だ」と侮辱され、マスコミや傍聴人からも、好奇の視線を浴びてしまう。
サチだけでなくアツヒコも週刊誌に隠し撮りされてしまい、心配したアツヒコの母親が上京してくる。母親に対して、アツヒコは「(隠し撮りされたのは)自分たちではない。サチは正真正銘の女性だ」と否定するが……。
サチ自身も、店長から「女性限定での(ウェイトレス)募集だったのに、嘘をついたのか?」と責められ、クビになってしまう。
サチのことが公になったせいでアツヒコは「会社を辞める。一緒に北海道で静かに暮らそう」と言い始める。愛するアツヒコに「逃げ続けて欲しくない」と考えるサチは、悩んだ挙句、アツヒコと別れる。
サチは自分の意志で、再度、証言台に上がることを決意する。狩野弁護士も、サチに「今更だが、あなたたちのことをもっと教えて欲しい」と頭を下げる。
サチは2度目の証言台で、性転換手術を受ける際のためらい、術後の後悔などを語る。「幼い頃から『女男』と言われ、居場所がなかった。女性としての居場所が欲しくて手術したが、今でも居場所はない……」「(手術して)幸せかと問われたら、幸せです。が、皆さんの考える幸せとは違うものだ」「私達はずっと笑われ続け、何もしてないのに殺されたりして……何とかしたいと考えて……(証言台に立つことにした)」
3年後の結審。赤城医師に罰金刑が言い渡される。(懲役はつかなかったが)マスコミは「有罪」と解釈した。狩野弁護士だけは「(性転換手術の)手続きの不備を指摘されただけ」「性別移行の指針が示された」と前向きにコメントした。
しかし、その後29年間、日本国内で公に性別適合手術(性転換手術)はおこなわれなかった。
1973年、狩野弁護士は偶然、見つけた。サチとアツヒコが再び仲良く暮らしていたのだ……。(終)
Tommy「ブルーボーイって何?」
僕「ごく大雑把に言えば、今で言うトランスジェンダー女性やニューハーフのこと。当時は欧米から入ってきたこの言葉で言い表していたんだ」
Tommy「出演している人達はトランスジェンダーの当事者?」
僕「飯塚監督がトランスジェンダー男性(女性→男性)。中川未悠や中村中など6人がトランスジェンダー女性(男性→女性)やゲイなどのセクシャルマイノリティ当事者」
Tommy「やっぱり、本物の存在感はすごい。中川未悠は逆に女性にしか見えない……」
僕「中川未悠も、イズミ セクシーも、演技経験がほとんどないのが信じられないほど、役にハマっている。やっぱり当事者だからだね。飯塚監督も、自分自身を重ねて台詞を言ってることを評価している」
Tommy「最後に、サチとアツヒコがヨリを戻しているシーンがよかった」
僕「あれが救いだよね。結局、赤城医師は『有罪』と解釈され、後に続く医師はいなかったけど……。サチとアツヒコは、世間に負けず、自分たちの愛を貫いた」
Tommy「今は、性別適合手術が堂々と行われ、戸籍の性別変更もできるようになった」
僕「時代は進歩しているが、突然こうなったわけじゃない。過去があり、歴史があって、今があるんだよね」
Tommy「今は、病気ではなく、性別違和での性別移行が可能になった。アー子のセリフにもあったけど『私達は病気ではない。間違った性別で生まれただけ』と思う人が、昔もいたんだろうね」
僕「サチの最後の証言台での『手術して女の身体になっても、女としての居場所はない』っていうのが切ないね」
Tommy「今は戸籍変更できるから、よくなったんじゃない?」
僕「今でも、女子トイレ・女湯問題で『性別適合手術していれば入ってOK』という人もいる一方で『手術しても何しても、男で生まれた人は女子のトイレや風呂に入ってくるな』という人もいる」
Tommy「そこまで言う人は少数じゃない?」
僕「たとえ1割でも1%でも、抵抗ある人がいるなら入ってはいけないという意見が、結構支持されている……」
Tommy「風呂はともかく、トイレは切実だからね。『だれでもトイレ』を使うしかないね」
僕「便利な都会なら、事前に探しておけば幾つかあるだろうが……必ずあるとは限らない……緊急の用事で見知らぬ場所に行くこともあるだろうし……」
Tommy「それはそうだね」
僕「性を変えて生きるってことは、当事者にとって大変だが、周囲の厳しい目が1番大変だと思うね」
Tommy「寛容な社会の方が、お互いに生きやすいと思うけれども……」
僕「昔は大変、令和でよかった……という話ではないね」
さて、今日の台湾版易タロットです。
↑「沢地萃(たくちすい)」
人が集まり、物が集まります。それ自体は喜ばしいことです。このカードでは神様にお供えをしています。
人が多くなるとトラブルも起こりがちです。
謙虚な気持ちや姿勢が大事です。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。



