ゲイ占い師 豫 空潤です。
NET FLIXで、映画「This is I」を見ました。
↑画像は公式サイトからお借りしました。タレント「はるな愛」の半生を描いた映画です。
ご存知のように、はるな愛(1972年生)は、性別適合手術を受けているニューハーフタレントとして長く活躍しています。
映画「This is I」(2026年)
監督:松本優作 脚本:山浦雅大 企画:鈴木おさむ
出演:望月春希(新人) 斎藤工 木村多江 千原せいじ 中村中 MEGUMI 吉村界人 中村獅童ほか
あらすじ(ネタバレします)
1980年代大阪。(団地住まいの)大西家の長男ケンジは、両親・弟・祖母とともに明るく暮らしていた。ケンジは女性アイドルが大好きな少年で、本気で将来は女性アイドルになりたかった。
しかし、松田聖子になりきって歌うケンジは「男女」「オカマ(原文ママ)」「キモい」などといじめられていた。同級生男子にラブレターを出したことがバラされ、いじめはエスカレート。今で言う「性被害」も同級生から受けていた。
そんなケンジが「いじめ」を訴えても、教師は「あなたも悪い。ナヨナヨしなければいい」と叱る。父親(千原せいじ)は女性的な息子を「アホ」と言う。祖母や母は優しかったが。
高校生になったケンジは、自分が他の男子と違っていて、誰も味方がいないことに絶望し、登校をしぶり、自殺まで考えるようになる。
そんな時、街中を歩く派手な女性に目を留めたケンジが後をついて行くと「冗談酒場」というニューハーフのショーパブのママ(ニューハーフ・中村中)だった。
「アイドルになりたい。ここで働かせてほしい」とママに直訴するケンジ。ママはケンジに「あんたは決して特殊ではない」「どんだけ頑張っても女にはなれない、なれるのはニューハーフ。それだけは覚えとき」と言って受け入れる。
もともと華奢で女性的なケンジは、ウィッグとドレスを着用しただけで、女の子に見えた。すぐに源氏名「アイ」としてデビューが決まる。高校中退しても同居の両親は叱らない。(アイに頼まれ女性服を縫っていた母は、実は気づいていた。父も、ある意味、諦めていた)
順風満帆なニューハーフデビューだったからこそ、アイ(ケンジ)には懸念があった。年齢が上がるにつれ、男性化し、逞しくなっていくことだ。毎日ピルを飲んでも、アイの体はまったく女性化しない。吐き気があるだけだ。膨らまない胸を鏡に写し、絶望するアイ。
一方で、大阪市内の「わだ形成クリニック」を開業する若手医師和田(斉藤工)もまた、迷っていた。「美容整形は、患者の命を救わない」として他の医者からバカにされていた。「患者の容姿・外見を修復することにも意義はある」と考えながらも、自信がもてなかった。
「わだ形成クリニック」は「冗談酒場」のある盛り場に近い。ある日、何気なく「冗談酒場」に入った和田医師は、ステージで歌うアイに魅了される。その日がアイのデビューだった。
和田が形成外科医だと知ると、アイは「睾丸を手術でとってほしい」と懇願する。しかし、和田は引き受けない。当時は「優生保護法」で、病気でもない体を傷つけるのは犯罪で、過去に逮捕者も出ていたのだ。
アイは、まるでストーカーのように和田医師を追いかけ、「体の男性化を止めたいから手術してくれ」と迫る。
和田は、ある女性患者を思い出した。顔面の怪我が治り、他の医師から治療終了とされたが「この顔(大きな傷と凹み)じゃ(機能だけ治っても)生きていけない」と泣き崩れていたのだ。アイも同じだった。男性としては健康体。しかし、女にならないと生きていたくないのだ。
睾丸除去手術を引き受ける和田は、条件をつける「ご両親にちゃんと話をしなさい」。未成年のアイにとって、それは当然のことだった。
アイは「殴られる」と覚悟しつつ、父親に「女として生きていく」と打ち明ける。父親はショックと怒りを隠さないが「お前の人生だ。好きにしろ。ただし、後悔するな。母親には言うな。やるからには1番になれ」と答える。
睾丸除去したアイは、ニューハーフとしてますます磨きがかかる。「わだ形成クリニック」はニューハーフ業界で評判になり、女性化治療・整形手術を受けたいニューハーフたちが連日行列をつくる。
地域内で目立ってきた「わだ形成クリニック」は世間から「違法」「犯罪」「オカマ(原文ママ)をかばってる」とバッシングを受ける。警察も和田医師に差別意識丸出しの警告を言いにくる。
アイは順調だった。「冗談酒場」で共演したイケメンダンサー「タクヤ(吉村界人)」に猛アタックされ、同棲することになる。ママは「ニューハーフ好きの男は、いずれ本物の女の元に戻っていく」と忠告するが……。
アイとタクヤはラブラブな同棲生活を送るが、問題はあった。タクヤの望む「本番」を、アイは痛すぎて受けられないのだ。無理強いしようとするタクヤを殴ってしまうアイ。
気まずくなったベッドを抜け出し、アイは「和田クリニック」に駆け込む。「私を女にしてほしい」と泣くアイに、和田は「睾丸除去とはレベルが違う。切るだけではない。排泄や性行為に耐えられるように造らなければならない。(全身)麻酔から覚めない可能性もある」と答える。
だがアイは引き下がらない。「(自分は)2分の1のくじ引きを外して、男に生まれた。麻酔から覚めなくてもいい。女になれないなら、死んでもいい」
この時代、本格的な性別適合手術(性転換手術)をできる医師は国内にいなかった。和田は文献を読み漁り、独学で学んだ。その一方で、ブルーボーイ事件(1960年代に、日本人医師が希望男性数名に性別適合手術をして逮捕・有罪判決を受けた)も調べ、医師免許はく奪・逮捕も覚悟する。その上で手術を引き受ける。「アイの心が死なないようにする」ためだった。
和田によって「女になった」アイは、タクヤとますますラブラブになる。「わだ形成クリニック」は大繁盛で、連日ニューハーフたちの性別適合手術をおこなう。
アイは、タクヤの実家・親族に紹介される。大歓迎されたかに見えたが、タクヤがいない時、タクヤの親や親族はアイに頭を下げる「あんたはいい人だけど、子どもが産めない。子ども好きのタクヤと別れてほしい」と。
抜け殻のようになったアイは、タクヤを忘れるため、単身、東京に移り、アイドルを目指す……。が、そう簡単にはいかない。いくつ面接しても、事務所が決まらない。理由は「元男」だから。ようやく、「元男性の女性アイドル」として事務所に所属するが、アイドルの仕事はさっぱりで、「オカマ(原文ママ)」としてのセクシーな出演を求められるだけ。
アイドルをあきらめ、東京で水商売に戻るアイ。が、バーをやりながら女性アイドルの「フリ真似」が客にウケ、芸能の仕事につながるようになる。
一方、大繫盛の「わだ形成クリニック」で死亡事故が起きた。手術の患者が麻酔から覚めなかったのだ。特異体質による原因不明の事故だが、ここぞとばかりに警察は取り調べを始め、マスコミは大騒ぎでクリニックに押しかける。弁護士を立てなかったせいもあり、結局、書類送検されてしまう。
一時的に閉院を強いられるわだ形成クリニック。それでも手術の申し込みは増える一方だった。手術再開を決める和田と看護師。
殺人的スケジュールでの性別適合手術を復活させた和田は、却って眠れなくなり、自ら麻酔を服用し続け、ある朝、目覚めなかった。600を超える性別適合手術を安価でしてきた医師の生涯が終わったのだ。
喪失感に苛まれたアイは「もっと上を目指し、和田先生に見てもらいたい」と「ミス・インターナショナル・クイーン コンテスト」に挑み、見事に世界一の戴冠を得る。(終わり)
暗く深刻なテーマの映画だが、全体の印象は明るい。主役のアイが前向きで明るい。そして、当時のヒットソングがたくさん出てきて、アイたち出演者がノリノリで踊りまくるシーンが多いからだ。
★劇中歌
松田聖子「夏の扉」「チェリーブラッサム」「スィートメモリーズ」 山下久美子「赤道小町ドキッ」 中森明菜「スローモーション」 プリンセスプリンセス「ダイアモンド」 チェッカーズ「あの娘とスキャンダル」 杏里「オリビアを聴きながら」 松浦亜弥「ねーえ?」「イエー!めっちゃホリデイ」 渡辺美里「マイレボリューション」 など
懐かしい曲を楽しみながら、いつの間にか、アイに共感してしまう。
それにしても、オーディションでアイ役を射止めた望月春希は、まるでこの役を演じるため……と思わせるほどのハマリ役だ。女装の方が自然で、男装の方が違和感ある18歳男子って、なかなかいない。仕草・台詞・ダンス……など、どれをとっても「ニューハーフを目指す男の子」そのものだ。
と言いながらも……この映画の陰の主役は和田医師だと思う。アイなどの性別移行希望者の訴えに耳を傾け、「オカマ(原文ママ)」として公然と差別されていた人達を、同じ人間として扱い、そのためには自身の医師免許はく奪や逮捕すら恐れず、文字通り、性的少数者たちの「命」を人生を賭けて救い続けたのだ。(合掌)
*この映画の試写会には、はるな愛の家族のほか、和田医師の遺族(息子さんなど)も視聴して、感動していたという。
さて、今日のサクラ・ルノルマンカードです。
↑「錨(いかり)」
ご存知のように、船が流されないように固定する道具です。
「安定」が主な意味です。
↑「小鳥」
コミュニケーションや情報のやり取りを表します。
2枚を合わせ読むと、
コミュニケーションが安定して続きます。喜ぶべきことです。
が、たとえば、遠距離の相手の場合、電話やメールでの会話は続くものの、直接会うことはなかなかかなわない……とも解釈できます。
↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。




