ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前のオンライン鑑定です。

 

マキオさん(仮名・60代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

マキオ「今年、定年退職しました」

 

僕「それは……長い間、お疲れ様でした」

 

マキオ「再雇用制度もあったのですが、年金が出るまで、退職金でなんとか生活できるとわかり、仕事をしていません」

 

僕「悠々自適ですね?」

 

マキオ「経済的余裕はありません。外食を控え、安売りの食材で自炊し、服など買い物は最低限にして、節約しています」

 

僕「でも、時間のゆとりはあるのですよね?」

 

マキオ「そうですね。仕事のストレスないし、趣味と運動を兼ねて散歩をしています」

 

僕「いい趣味ですね」

 

マキオ「今まで気づかなかっただけで、市内に幾つもの花の名所があることがわかり、市の広報などで『満開』と知ると、見に行きます」

 

僕「写真を撮って、SNSに投稿したり?」

 

マキオ「友達数人に送るだけです。東京に行った友人とか……」

 

僕「花などの植物を見ると、季節の到来を知り、生命力の強さに気づかされますね?」

 

マキオ「動物もそうですが、植物も、ただただ必死に生きてますよね? 人間も、余計なこと考えずに、まずは寿命を全うすることだなと……思います」

 

僕「そう思います」

 

マキオ「そう考えると、彼氏が20年いなくて、これからもたぶんできないだろうけど……。ひとりでもしぶとく生きていこうと思えます」

 

僕「彼氏はいなくても、ワンナイトなどの出会いはあったでしょう?」

 

マキオ「人並みに、ゲイバー・ゲイサウナ・公園などは行ってました。ただ、ゲイバーは、常連になると悪口合戦みたいになるので、20年前に行くのやめました……」

 

僕「そうなんですね」

 

マキオ「ゲイサウナも、夜の公園も、40代になってから『空振り』が多いので、バカバカしくなってやめました」

 

僕「公園というのは……今、散歩なさっている公園?」

 

マキオ「そうですね。花なんか見ないで、男探しばかりしてましたが……今考えると、迷惑行為ですよね? そういうゴミが落ちていたりするし……」

 

僕「そうですね。公共の場所ですからね」

 

マキオ「去年、隣の県に住む叔父が亡くなったんです」

 

僕「マキオさんのお父様かお母様の……」

 

マキオ「父の弟です。20年ぐらい前まで床屋をやっていて……その後はアパートにひとり暮らししていて……」

 

僕「叔父さんは、奥様やお子様は?」

 

マキオ「生涯、未婚だったと聞いてます。9年前に死んだ父が『弟は、(兄の)俺が見るしかない』て言ってましたが、父の死後は、母も姉も、叔父には積極的には関わらなくなって……」

 

僕「お母様やお姉様がいらっしゃるのですね?」

 

マキオ「父の死の翌年に、母も亡くなりました。姉は九州に嫁いで、孫の世話をしています」

 

僕「叔父さんは……孤独死だったのですか?」

 

マキオ「叔父は……看取る人はいませんでした。ただ、高齢で持病があったので、福祉の人が見守りしてくださっていて、ある日、訪ねてくださったら、死んでいたそうです。持病による発作だったようです」

 

僕「死後、何日も放置にはならなかったんですね?」

 

マキオ「死後、半日ほどでの発見だったと聞いてます」

 

僕「叔父さんにとって、マキオさんとお姉様が最も近い親族?」

 

マキオ「はい。ですが……相続するものがないのはわかってましたので……結局、姉は1度も叔父のところに来ませんでした」

 

僕「九州だと、飛行機になりますからね」

 

マキオ「姉には息子と娘がいて、それぞれ家庭をもち、孫までいるので……今の家族との暮らしを優先したということです」

 

僕「叔父さんについては、すべてマキオさんひとりでおこなったのですね? マキオさん自身は、叔父さんとの思い出は?」

 

マキオ「子どもの頃、親戚で集まるとそこに居た……というだけですね。ちゃんと話したこともありません」

 

僕「でも、お葬式などしてあげた?」

 

マキオ「お通夜も葬式もしてません。誰を呼んだらいいかもわかりませんから。火葬して、両親の墓に納骨しました」

 

僕「おひとりで亡くなった叔父さんを見送って、何か思うところがありましたか?」

 

マキオ「叔父はゲイでした……」

 

僕「それは……遺品を整理してわかった?」

 

マキオ「そうです。姉は、金は半分出すから、専門業者に頼もうと言っていたんですが……。もしかしたら……と思って私がだいたい整理してから、業者に処分を頼んだんです」

 

僕「ゲイ関連の物が出てきたのですか?」

 

マキオ「ゲイビデオが大きな段ボール箱いっぱいに……」

 

僕「DVDではなく?」

 

マキオ「VHSです。レコーダーは壊れていたのですが……」

 

僕「叔父さんが亡くなる前からレコーダーは壊れていたのでしょうか?」

 

マキオ「だとしたら、再生できないテープ数十本を……」

 

僕「マキオさんが第1発見者で、よかったですね?」

 

マキオ「まあ、そうですね。あと、ゲイ発展日記も出てきました」

 

僕「え? ゲイセックスを書き記した日記?」

 

マキオ「日時・場所・相手の風貌・したこと・簡単な感想が……。1回につき1~2行ですが、大学ノート何冊も……。表紙の年月日を見ると44年分です」

 

僕「44年分?」

 

マキオ「叔父は83歳で亡くなったんですが……。日記には18歳の初体験から62歳の行為まで書いてあって……」

 

僕「生々しかったですか?」

 

マキオ「そうですね。戦争中に生まれた叔父が、昭和中期から、都会でもなんでもない土地で、行きずりの性行為を繰り返していたんです」

 

僕「その日記には、彼氏さんというか、恋人とのお付き合いみたいな内容は……?」

 

マキオ「パラパラ見た限りでは、ないですね。同じ相手と何度か……っていう記述はありますが、デートとか恋愛感情は書いてなく、ただ、した行為と、よかったかどうか……」

 

僕「叔父さんは、お寂しい人生だったと思いますか?」

 

マキオ「日記だけで判断すると、孤独だったとは言えます。ただ、その孤独を受け入れていたとも……」

 

僕「孤独を受け入れた……?」

 

マキオ「私も、20代30代の頃は、結婚圧力がありました。叔父の若い頃はもっと強かったはずです」

 

僕「昭和中期だと……結婚は義務でしたね」

 

マキオ「叔父は、そこを拒み通した。変人とか変態とか、陰で言われていたでしょうが、そこに負けないで、自分を貫き通しましたよね」

 

僕「それは言えますね」

 

マキオ「叔父は、軸がぶれない、強い人だったと思います。性欲まみれの発展行為しかせず、まともな恋愛はなかったかもしれないが……世間のために自分をごまかすことはしなかった……」

 

僕「そうですね」

 

マキオ「ただ、叔父の発展日記が62歳で終わっているんですが……確かその頃に入院しているんですよね。父と母が見舞いに行ってた気がします」

 

僕「ご病気になると、それどころではなくなりますね」

 

マキオ「少しして退院したはずですが……。それを機会に赤字続きだった床屋を閉めたんです。その後の20年、叔父はどうしていたんだろうって思うんです」

 

僕「マキオさんの今のご年齢に近いですね?」

 

マキオ「そうなんです。私も叔父と同じような人生を送るのかと思うと……。隠居した叔父に会いに行けばよかった……と考えてしまいます」

 

僕「叔父さんは、ゲイの大先輩だった……」

 

マキオ「そこに、もっと早く気づいていれば……」

 

僕「いろいろお話できたかもしれませんね」

 

マキオ「亡くなった叔父について、占ってもらうことは可能ですか?」

 

僕「可能ですが……叔父さんの何を?」

 

マキオ「たとえば、もうすぐ死んで1年ですが……。あの世に行っているなら、どう思っているのか?」

 

僕「1周忌をして欲しいとか?」

 

マキオ「法事などはするつもりありません。姉も来ないし、他に呼ぶ人もいないので。私が同じゲイだったことを知ったとしたら……どういう気持ちか? 無理ですか?」

 

僕「いえ、できますよ。叔父さんのフルネームと生年月日を教えていただけますか?」

 

マキオ「はい、……です」

 

★マキオさんの亡くなった叔父さんの気持ち(3カード)

 

〇過去(生前)

↑「隠者」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

世を捨てて、自分の信じる道を追求する「隠者」ですが、リバース(逆さま)なので、「孤独」などのマイナス面が強調されます。

 

〇現在(死亡時)

↑「剣の4」正位置。

剣士が戦いをやめ、休止しています。叔父さんは亡くなるとは思っておらず、横になっていたら亡くなったのです。

 

〇未来(今後への希望)

↑「節制」正位置。

お寺で僧が祈っています。お墓などをお参りしてくれればそれでいいのです。

 

マキオ「死亡して発見された際、室内は片付いていて、穏やかな死に顔だったそうです。眠るように死んだんですね?」

 

僕「そうです」

 

マキオ「生前は、孤独咸を抱いていたということですか?」

 

僕「そうですね」

 

マキオ「叔父の時代では仕方なかったとも言えますが……」

 

僕「叔父さんは、今は悔いなく、成仏しています」

 

マキオ「私は、とりあえずは両親と叔父が眠る墓参りをしていけばいい?」

 

僕「そうですね。時々、思い出して差し上げればいいと思います」

 

マキオ「たぶん、私も、叔父のような老後を過ごし……最期を迎えるのでしょうね」

 

僕「叔父さんの頃は、隠れるようにゲイ同士が出会って、ハッテン行為するしかなかった。でも、今は時代が違います」

 

マキオ「そうですね。ただ……このまま恋人やパートナーができなくても、叔父のように孤独を受け入れて、毅然と生きていきます」

 

僕「叔父さんは、マキオさんにとって、ロールモデルと言えますか?」

 

マキオ「理想ではありませんが……。叔父ができたのだから、自分も大丈夫と思います。ただし、ゲイビデオなどは処分します」

 

僕「ゲイビデオをお持ちなのですか?」

 

マキオ「DVDですが……。もう見ることはないので、捨てます」

 

僕「発展日記は?」

 

マキオ「書いてません。そこは大丈夫です」

 

僕「今日は、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました」

 

マキオ「いえいえ、こちらこそ、話を聞いていただき、スッキリしました。ありがとうございました」

 

さて、今日の台湾版易タロットです。

↑「風水渙(ふうすいかん)」

風が吹き、木の葉を水面に散らせています。

「何かを失う」「誰かと離れる」とも読めますが、落葉樹の葉はいずれ落ちるもの。

切り換え時が来たということです。

 

たとえ、失いたくない物であったとしても、落ち込まず、前を向いて行きましょう。

 

↓我が師である 霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)