ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

モリアキさん(仮名・40代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

モリアキ「会社を辞めたいんです」

 

僕「具体的な転職先はありますか? A社・B社・C社とかあれば、3者択一占いができます」

 

モリアキ「とりあえず、失業保険で暮らして……あとはアルバイトでもしようかと考えてます」

 

僕「今の会社が嫌なのですね?」

 

モリアキ「そうです。ゲイばれしているんです」

 

僕「モリアキさんがゲイであることが、社内の誰かにバレて、嫌な思いをしているのですか?」

 

モリアキ「そういうことです」

 

僕「ゲイばれしたのは最近ですか? それとも、入社した頃? そもそも、入社して長いのですか?」

 

モリアキ「入社して20年以上です」

 

僕「20年? 役職などは?」

 

モリアキ「一応ついてますが……同期の中ではかなり遅れてますし、閑職なんです」

 

僕「かんしょく?」

 

モリアキ「仕事でへまをしたり、癖が強すぎて誰ともうまくやれなかったりする社員を入れる部署です。僕は課長補佐ですが、出世からは見放されてます」

 

僕「そういう部署にいるというのも、会社を辞めたい理由に入りますか?」

 

モリアキ「関連はありますが……やはり、ゲイばれしていることがつらくて、辞めたいんです」

 

僕「ゲイばれというのは、アウティングされたのですか? それとも、誰かにカミングアウトしたとか?」

 

モリアキ「誰にもカミングアウトしていません。でも、コロナ以後、飲み会にも誘われず、社内のアフターファイブの付き合いをしてませんでしたから……変わり者と見られていたのかもしれません」

 

僕「『彼女いないの?』とか『結婚は?』などとは聞かれませんでしたか?」

 

モリアキ「20代の頃は言われたこともありました。でも、40超えてからはなくなりました」

 

僕「で、どういう風にゲイばれしたのですか?」

 

モリアキ「去年、隣の課に異動してきたAくんがいるんです。20代後半のイケメンなんです」

 

僕「そのAくんと何かあったのですか?」

 

モリアキ「Aくんが、なぜか僕に話しかけてきて……」

 

僕「イケメンなら、嬉しいですよね?」

 

モリアキ「まあ、社内だし、仕事ですから、嬉しい顔は見せないようにはしていたんですが……だんだんとAくんが僕の肩や腕にボディタッチしてくるようになり……」

 

僕「いいじゃないですか?」

 

モリアキ「僕も、内心、もしかすると……好かれているのか……と期待してました」

 

僕「それで?」

 

モリアキ「ある日、Aくんが飲み会に僕を誘ってきたんです」

 

僕「行ったんですか?」

 

モリアキ「はい。Aくんが僕に来て欲しいなら……と考えました。でも、だからと言って、下心があったわけではありません」

 

僕「で、どうでしたか?」

 

モリアキ「Aくんの課の人が多かったんですが……珍しく僕が飲み会の席に来たものだから、質問攻めにあって……」

 

僕「モリアキさんが質問された? もしかして、彼女とか、結婚のことですか?」

 

モリアキ「そうです。以前と同じように、適当に『いい人がいれば』みたいに返事してました」

 

僕「モリアキさんは若く見えるので、そういう質問をされたのですかね?」

 

モリアキ「僕も、初めはそんな感じに受け止めていたんですが……だんだんとAくんとの仲を疑うような話になって……」

 

僕「え? 『Aくんとデキてるのか?』みたいな話?」

 

モリアキ「そうなんです。ただ、社内でしゃべっているだけなのに……」

 

僕「Aくんの反応は? 嫌がってませんでしたか?」

 

モリアキ「Aくんは笑って『やめてくださいよ。モリアキさんに失礼ですよ』って……」

 

僕「Aくんは、そこまで嫌がってなかった?」

 

モリアキ「そうです。照れているようにも見えました」

 

僕「それで?」

 

モリアキ「その後、2次会でカラオケに行き、Aくんとデュエットさせられました」

 

僕「いいじゃないですか? で、AくんとLINE交換とか?」

 

モリアキ「Aくんとは、その前にLINE交換しているので……」

 

僕「そうなんですね」

 

モリアキ「その日はそれで終わったんです」

 

僕「LINEはつながってますから、『今日は楽しかった。誘ってくれてありがとう』みたいなことは伝えられますね?」

 

モリアキ「はい、そういう旨のLINEをして、Aくんからも『楽しかったです。来てくれてありがとうございました』っていう返事をもらって……」

 

僕「今のところ……悪い展開ではないですよね?」

 

モリアキ「僕もそう思って……Aくんと話せるだけでも、会社に行くのが楽しいと思っていたんです」

 

僕「その後、何かあったのですね?」

 

モリアキ「月曜日、出勤して……休憩時間にトイレ行ったんですが……ちょっと腹の調子が悪くて、ずっと個室に入っていたら……2人ぐらいトイレに入ってきて……」

 

僕「その2人は小用だったんですね?」

 

モリアキ「はい、1人はAくんで、もう1人が、飲み会にも居たAくんと同じ課の男の声でした」

 

僕「その2人が何か話してた?」

 

モリアキ「その男がAくんに『お前、演技うまいよな』って言って……」

 

僕「演技?」

 

モリアキ「話を聞いてると、Aくんは前に課内の飲み会で賭けに負けて、隣の課のゲイ疑惑の男の検証をやらされているらしいんです」

 

僕「隣の課のゲイ疑惑の男の検証?」

 

モリアキ「名前は出してませんでした。でも、僕のことでしょう。Aくんが課外でよく話すのは僕ですから……」

 

僕「賭けに負けたAくんが、モリアキさんにわざわざ話しかけて、ボディタッチして、モリアキさんがゲイかどうか確かめているってことですか?」

 

モリアキ「そういうことみたいです」

 

僕「飲み会に誘ったのも、デュエットしたのも、『お前らデキてるのか?』っていうのも……その検証のため?」

 

モリアキ「……そういうことでしょう」

 

僕「何日もかけて? 飲み会の罰ゲームとしては、ずいぶん、手が込んでますよね?」

 

モリアキ「僕が聞いた話は、彼らがオシッコしている間の1~2分ですから……」

 

僕「断片的な話をつなぎ合わせると……そういうことだろうと?」

 

モリアキ「ただ、『Aくんが演技して、隣の課のゲイ疑惑の男の検証をしている』は、ちゃんと聞こえました。隣の課のゲイ疑惑の男は、僕以外いないと思います」

 

僕「その検証の結果は、どうだったのでしょうか?」

 

モリアキ「それが……次の週末、またAくんが誘ってきて……『今度はサシで飲みましょう』って言うんです」

 

僕「2人だけで? それはチャンスですが……」

 

モリアキ「トイレでの話を聞いてなければ、喜んで話に乗ったでしょう。でも……」

 

僕「Aくんを信じられないですよね?」

 

モリアキ「それで……せっかくだけど、都合がつかないって、断りました」

 

僕「それで、Aくんは引き下がった?」

 

モリアキ「いや、今も、時々『飲みに行きましょうよ』って言ってきます」

 

僕「モリアキさんは断り続けている?」

 

モリアキ「だって、近くにいる男たちが、薄ら笑いしているんですよ?」

 

僕「Aくんの『検証』は続いているんですね? しつこいですね?」

 

モリアキ「僕が調子に乗って『告白』でもしようものなら、きっと、Aくんを通して、社内にゲイばれします……」

 

僕「でも……まだ『検証』が続いているということは、ゲイばれした訳ではない? まだ『疑惑』の段階ですよね?」

 

モリアキ「ゲイ疑惑をかけられ……社内1番のイケメンが『検証』として、僕に『ハニートラップ』しかけてきているんですよ? ゲイばれ寸前ですよ」

 

僕「で……いっそ会社を辞めて……失業保険が切れたら、アルバイト生活ですか?」

 

モリアキ「こんなことで20年以上勤めた会社を辞めるのは、僕自身も納得いきません。こんな、罰ゲームと称して、ゲイを罠にはめてアウティングしようなんて……許せません……でも……」

 

僕「そういう同僚らがいる中で勤め続けるのが『針のムシロ』なのは、わかります……」

 

モリアキ「いっそ、騙されたふりをして飲みに行き、Aくんの酒に睡眠薬でも入れて、ホテルに担ぎ込んで、犯してやろうか……とも思います。ハメ撮り動画でAくんを脅せば……」

 

僕「それは……やめた方がいいです」

 

モリアキ「犯罪ですよね」

 

僕「違法であることはもちろんですが……そんなことしても、誰も幸せになれません」

 

モリアキ「でも、ゲイ疑惑の『検証』をストップさせることができます」

 

僕「レイプしたAくんと、これから毎日、社内で顔を合わせて、平気ですか?」

 

モリアキ「……」

 

僕「もし、Aくんが捨て身で告発したら……どうなりますか? 最近は男性の性被害者も名乗り出るようになっていますよ」

 

モリアキ「……そうですね。実は『ハニートラップ』しかけてきているAくんを憎みきれないんです。同僚に罰ゲームを強制されているだけなんじゃないか? って思って……。そんなAくんにひどいことは……やっぱりできません」

 

僕「八方塞がりになっている時は、タロットのアドバイスカードを引いてみましょう」

 

モリアキ「はい……やってみます」

 

僕「裏返しのタロットカード78枚を並べています。気になる1~2枚をめくってください。モリアキさんへのアドバイスカードです」

 

モリアキ「では……これと……これを」

 

↑「剣の9」正位置。

亡霊と9本の剣が、女性に襲い掛かっています。悲惨な状況に見えますが、剣は実際には刺さっていません。亡霊も、物理的には無力です。

 

気にしないでいれば、済むことです。

 

↑「剣の7」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

亡霊が戦場に残された剣をネコババしています。

 

亡霊が逮捕されることはありません。が、自分の行為は、やがて、自分に返ってきます。悪いことをした人は、いずれ報いを受けるのです。が、罰を与えるのは、あなたの役目ではありません。

 

僕「モリアキさんが傷つき、ショックを受けたのはわかります。そういうことをされれば、誰でも同じように思うでしょう」

 

モリアキ「はい」

 

僕「しかし、『検証』は終わっていません。今後は、Aくんからの『ハニートラップ』に乗らなければいいのです」

 

モリアキ「でも……そこまでゲイ疑惑を持たれていることと、興味本位で『ハニートラップ』されたことで……プライドずたずたです」

 

僕「そのお気持ちをAくんに表してもいいんじゃないですか?」

 

モリアキ「え? 単に誘いを断るだけじゃなくて?」

 

僕「Aくんに誘われたら、不快感を顔に出して……『しつこいよ』『俺も忙しいから』って言ってもいいですよ」

 

モリアキ「え? そんな風に言ったら、Aくんは僕に話しかけてこなくなります……」

 

僕「Aくんに傷つけられたんですよね? 縁が切れて、いいじゃないですか?」

 

モリアキ「……」

 

僕「今でも、話しかけられて嬉しい気持ちがあるんですか?」

 

モリアキ「未練がましいですかね」

 

僕「もともと、ただの同僚でしょう? そんな奴にかまっている暇はないでしょう?」

 

モリアキ「僕……趣味がないので……結構、暇なんです」

 

僕「暇……なんですか?」

 

モリアキ「コロナ前までは、ゲイアプリで、ちょくちょく出会いを繰り返してましたけど……最近はモテないし……誰とも出会ってません」

 

僕「もう、かなりの人がマスクしないで歩いてますよ。コロナ自粛は終わりました。楽しいことをしましょう」

 

モリアキ「ですよね? Aくんのことは忘れた方がいいですよね?」

 

僕「Aくんを、本当に好きになっていたんですね?」

 

モリアキ「40過ぎのオジサンが……話しかけられて、ボディタッチされて、その気になるなんて……笑うしかないですよね」

 

僕「ご自分でそれがわかるならいいですよ。Aくんはモリアキさんを罠にはめようとしてきた男です。もう、断ち切りましょう」

 

モリアキ「はい」

 

僕「次の男とか、趣味とか、探しましょう」

 

モリアキ「そうします」

 

僕「候補者ができたら、相性を占いますよ」

 

モリアキ「お願いします。ありがとうございました」

 

僕「こちらこそありがとうございました」

 

さて、今日の台湾版易タロットです。

↑「火水未済(かすいびせい)」

64枚の易タロット最後の1枚ですが、「未済」つまり「未完成」なのです。

 

この絵では、鯉が滝を登っています。「鯉が滝を登り、龍になる」という伝説に基づいていますが、あなたは、まだ「鯉」であり、ある意味「未熟」なのです。自覚しましょう。

 

ただし、「伸びしろ」は十分あります。鯉が龍になるほど、「大化け」する可能性があるのです。

 

計画を練り直し、目標を再設定し、未知の世界に飛び込みましょう。

 

↓占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。  

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)