ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

同棲する日本人ゲイ男性Tommyと観た映画を紹介します。

 

「love,サイモン17歳の告白」(2018年アメリカ)

原作:ベッキー・アルバータリ

監督:グレッグ・バーランティ

脚本:エリザベス・バーガー アイザック・アプテイカー

 

出演者(役名):ニック・ロビンソン(サイモン) キャサリン・ラングフォード(リア) ジョージ・レンデボーグjr(ニック) アレクサンドラ・シップ(アビー) ジョシュ・デュアメル(サイモンの父) ローガン・ミラー(マーティン) キーナン・ロンズデール(ブラム)

 

あらすじ(ネタバレします)

サイモンはアメリカの中流家庭の少年。(日本の感覚では金持ち家庭に見える)

17歳の誕生日に両親から車をプレゼントされる。(16歳から運転できるらしい)

 

美男美女の両親から生まれたサイモンはイケメンで、明るい優等生。幼馴染のリア(女)・ニック(男)と、3か月前に転校してきたアビー(女)を車でピックアップして高校に通う。

 

いかにも健全で、何も問題がないサイモンだが、大きな隠し事があった。サイモンはゲイだ。家族も3人の友達(リア・ニック・アビー)も知らない。家族をこよなく愛する明るい父親は、時々、ゲイをからかうようなジョークを言うが、サイモンが心の中で困っていることなど、知るよしもない。

 

高校の同級生に、最近ゲイをカミングアウトした少年がいる。しかし、誰も驚かない。オネエっぽい少年だからだ。オネエ少年が他の男の子たちから、からかわれ、馬鹿にされる。オネエ少年は負けずに言い返すが……そばにいるサイモンは絶望する……「僕はあんな風にできない。絶対にカミングアウトできない」。

 

そんなある日、サイモンの高校のネット掲示板に匿名の書き込みがされた。

「僕はゲイだ。誰にも言ってない」というもの。ハンドルネームは「ブルー」。

 

サイモンは、ブルーにメールを送る。「僕も隠れゲイだ」……「ジャック」というハンドルネームで。

 

サイモンに、ブルーからの返信が来る。2人は、同じゲイとしてメールのやり取りを続ける。「カミングアウトしたいができない」「身近な人に大きな秘密を持つ葛藤」などを共有する。

 

サイモンは、ブルーに会いたくなる。メールで得た情報から、高校中の男子を見ては、ブルーを見つけ出そうとする。

 

1日中ブルーからのメールを待つサイモンは、ミスを犯してしまう。高校の図書館のパソコンでブルーにメールを送った後、消さずに授業に行ったのだ。

 

直後にそのパソコンを使ったマーティン(男)は、サイモンが隠れゲイだと知り、サイモンに交換条件を持ち出す。「アビーが好きだから、仲をとりもってくれ。そうすれば、お前がゲイであることは誰にも言わない」

 

サイモンは、親しいアビーに、自己中でお調子者のマーティンを勧める気にはなれない。しかし、マーティンはサイモンのメールをスクリーンショットしている。ゲイをバラされたら身の破滅だと思うサイモンは、マーティンに協力することにする。

 

同級生のブラム(男)の家でハロウィンパーティーが開かれる。(ブラムの親が不在だったから)サイモンは、ブルーの正体はブラムではないかと思っている。ブラムは目が合うと、いつも微笑むからだ。

 

パーティーで、ブラムとゲームしたり、デュエットで歌ったりしたサイモンは、やはりブラムがブルーだと確信する。「僕がジャックだ」と告白しようとブラムを探して……見つけた。しかし、ブラムはセクシーな女の子とキスの真っ最中だった。

 

一方、ハロウィンパーティーで、アビーを好きなのはマーティンだけでなく、ニックもだとわかる。サイモンは、ニックを止めようとするが、説得できない。

 

パーティー後、サイモンの部屋に泊めてもらうリア。幼馴染のリアはサイモンに「好きな人が身近にいる」と告白する。「ニックのことだ」と直感したサイモンは、ニックとリアをくっつけようと画策する。マーティンとアビーのこともくっつけようとする。

 

サイモンはブルーに「ゲイだけカミングアウトの問題を抱えるのは不公平。それに、高校生はまだ成長途上で変わるかもしれない。カミングアウトは大学まで待ちたい」とメールするが、ブルーは「僕は父にカミングアウトする」と返してくる。

 

サイモンも、ついにカミングアウトする。相手はアビー。アビーはあまり驚かず、「ずっと友達だし、秘密は守る」と誓う。

 

サイモンは、ずっとブルーを探している。ライル……カール……と、サイモンに愛想がいい男子を、次々と脳内で「ブルーかもしれない」と考える。しかし、いずれも違っていた……。

 

高校のアメフト部の対外試合をみんなで応援に行く。試合前の国歌斉唱に割り込んで歌手からマイクを奪った熊の着ぐるみ……正体はマーティンだ。

 

マーティンは観衆の前でアビーに「デートしよう」と誘ってくる。だが、アビーは「ごめんなさい。友達のままでいましょう」と断る。

 

翌日、SNSのネタにされたマーティンは、みんなの関心をそらすために、掲示板でサイモンのブルーへのメールを公開する。

 

ゲイをみんなに知られたサイモンは、絶望しつつ、ブルーに「君も詮索されるかもしれないが……恐れないでくれ」とメールする。

 

両親と気まずくなったサイモンは……ニック・アビー・リアの3人からも責められる。

ニックとアビーは好き同士だったのに、サイモンの画策のせいで誤解し合い、遠回りの末にやっと付き合い始めたのだ。リアも、実はサイモンが好きだったのに、ニックを勧められ、ショックを受けたのだ。

 

3人の友達は、ゲイへの理解はあるが、サイモンに傷つけられたと感じていた。

 

学食に行ったサイモンは、みんなから遠巻きに見られ、ニックらにも距離を置かれ、孤独だった。そして、追い打ちをかけるように、クズ男子2人がテーブルに乗り、みんなの前で大げさにゲイセックスを真似し始めた。

 

必死に抗議するサイモンを、女性教師が助けてくれたが……。

 

ブルーも掲示板を見て、ジャックの正体はサイモンだと知る。身バレしたくないブルーは、もうメールできないと告げてくる。サイモンは必死に「ひとりにしないでくれ」と哀願するが……もうメールは受け取ってもらえない。

 

サイモンは、母に「あなたはあなたのままで、何も変わらない」と言われ、父にも「くだらないジョークを言って悪かった。変わらず愛してる」と告げられ、前を向こうとする。

 

サイモンは、改めて掲示板でカミングアウトし、今までの隠れゲイとしての心情を吐露し、傷つけた人たちに謝罪する。そして「カーニバルの観覧車でブルーを待つ」と書き込む。

 

ニックらに誘われ、カーニバルに来たサイモンはみんなが見守る中、観覧車に乗り続け、ブルーを待つ。しかし、誰も来ない。観覧車の最終回、マーティンが走ってくる。このままサイモンがひとり残されるのを見ていられなかったのだ。

 

しかし、マーティンが「僕がブルーだ」と言っても、サイモンは信じない。アウティング(他人がゲイであることを勝手にバラす)してきた当人だから……嬉しくもない。

 

最後の最後に、ブラムがやってきて、サイモンの隣に座る。ブラムがブルーだったのだ。パーティーでは、身バレしたくなくて、女の子との親密を見せかけただけだったのだ。

 

サイモンとブラムは、観覧車のてっぺんでキスを重ね、周囲の観衆から拍手を受ける。もう隠さないと誓う2人。

 

掲示板では、サイモンに続き、次々といろんなことをカミングアウトする人が現れる。

 

朝の通学時、サイモンの車に、ニック・リア・アビーが戻ってきた。そして、もう1人……ブラムが助手席に乗るようになった。

 

 

僕「この映画は、ゲイ映画とともに、コメディや青春ドラマとも紹介されている」

 

Tommy「青春ドラマはその通りだと思う。主人公が隠れゲイというだけ」

 

僕「前半は、確かにコメディタッチだけど……お父さんとか……」

 

Tommy「後半のアウティングされてからは、到底、笑えないよね。ゲイ当事者からすると、涙なくしては観られない……」

 

僕「高校生にとっては、家族と学校がすべて。ゲイをバラされて、両方から理解されないかも……と感じたら、17歳で『人生終わった』と思うだろう」

 

Tommy「両親は、受け入れてくれたけど……同級生のゲイ差別がひどい」

 

僕「あんな風にされたら……多くのゲイ少年は、不登校・引きこもりになると思う」

 

Tommy「ラストで、ブルーが来てくれて……思わず泣いてしまった……」

 

僕「実生活では、あんなにうまくはいかないけど……映画だからね」

 

Tommy「サイモンもブルーも、メールだけで恋するのは……どうかなと思うけど……」

 

僕「17歳なら、あり得るでしょう? っていうか、いい年した大人でもいっぱいいるじゃない?」

 

Tommy「そうだね」

 

僕「周りがみんな敵に見えるんだから……唯一、わかり合えるメル友に恋してしまうのは自然だと思うよ」

 

Tommy「実際は敵じゃないけどね」

 

僕「もちろん、理解してくれる人、応援してくれる人はいっぱいいるけど……」

 

Tommy「ニック・アビー・リアも、最初はサイモンのことを責めたからね」

 

僕「同性愛者がアウティングを恐れる感情は……異性愛の人には、なかなか理解しきれないだろうね」

 

Tommy「世界中が突然、敵になるかも……という恐怖だからね」

 

僕「17歳にはきつ過ぎるよね」

 

Tommy「LGBT当事者にもお勧めだけど、ノンケ(異性愛)の人でも、カミングアウトやアウティングに興味があるなら、観て欲しい映画だね」

 

僕「ゲイにとって、カミングアウトはこんなにも勇気が必要であること。そして、逆に、カミングアウトしないということは、アウティングへの恐怖をずっと抱え続けていくことなんだよね」

 

さて、今日の台湾版易タロットです。

↑「山地剥(さんちはく)」

建物はさびれて、木の葉は落ちてしまいました。

運気は下がり、言わば「底」の状態です。

 

何かが崩れ、何かを失うのです。

何とかしようともがいても、結果は変わらないでしょう。

 

最善の行動は「待つこと」です。

「底」はいつまでも続きません。

 

やがて、運気が上がってきたことを実感するでしょう。

 

↓占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)