ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

チヒロさん(仮名・30代男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

チヒロ「半年前から彼氏と同棲しているのですが……このままでいいかどうか……迷っています」

 

僕「チヒロさんも、彼氏さんもゲイ男性ということでいいですか?」

 

チヒロ「彼氏は同い年のノブヒロ(仮名)ですが、ノブヒロはゲイ男性です」

 

僕「チヒロさんはゲイ男性じゃないんですか?」

 

チヒロ「僕が何者なのか? 最近、ずっと悩んでいるんです」

 

僕「肉体は男性ですよね?」

 

チヒロ「それは間違いないです」

 

僕「でも、ゲイとは言えない?」

 

チヒロ「中学生で性に目覚めた頃……好きなのは女の子でした。片思いでしたが、初恋も同級生の女子でしたし……」

 

僕「でも、今は男性と同棲している?」

 

チヒロ「専門学校卒業後、就職したんですが……。その頃も性の対象は女の子でした」

 

僕「それで?」

 

チヒロ「会社の先輩の1人が、すごく親切にしてくれて……しょっちゅう飲みに連れて行ってくれて……」

 

僕「その先輩って、男性ですよね?」

 

チヒロ「アキノリさん(仮名)という7つ年上の男性です。そのアキノリさんと親しくなって、お宅に遊びに行ったら、僕に変なことを言ってきて……」

 

僕「変なこと?」

 

チヒロ「アキノリさんは『チヒロは女装が似合う体型だね』って……」

 

僕「確かに、チヒロさんは小柄で細身で、童顔でいらっしゃいますから……。それで?」

 

チヒロ「アキノリさんは『前に同棲していた彼女が置いていった下着がある』って、黒のブラジャーとパンティを出してきたんです……」

 

僕「……まさか?」

 

チヒロ「アキノリさんは僕に『つけてみろ』って言うんです」

 

僕「つけたんですか?」

 

チヒロ「最初はとんでもないって思ったんですが……渡された黒い下着のレースが、すごくきれいでセクシーで……」

 

僕「興味を持ったんですね?」

 

チヒロ「僕は童貞でしたから……女性の下着なんて触るの初めてで……ポーッとしている間に、アキノリさんに服を脱がされて、ブラとパンティをつけさせられてしまったんです」

 

僕「ブラのサイズは? いくらチヒロさんが細いとはいえ、平均的な女性よりは大きいですよね?」

 

チヒロ「ブラのサイズは大丈夫でしたが、パンティからアレがはみ出してしまって……」

 

僕「チヒロさんは、女性の下着に興奮してしまったんですね?」

 

チヒロ「そうなんです。恥ずかしくてもじもじしていると、アキノリさんが『鎮めてあげるよ』って……」

 

僕「しずめる? ヌイてあげるってことですか?」

 

チヒロ「そうなんです。寝かされて、僕の下半身に覆いかぶさってきて……咥えられてしまって……」

 

僕「当時、チヒロさんは童貞ってことでしたよね?」

 

チヒロ「そうなんです。生まれて初めて咥えられて……あっという間にイカされてしまいました」

 

僕「敏感だったんですね? 抵抗はしなかった?」

 

チヒロ「男への興味なんて、なかったんですが……女性下着つけたら、なぜか女性の気持ちになっちゃって……抵抗できませんでした」

 

僕「それが……チヒロさんにとっての初体験だったんですね?」

 

チヒロ「それだけで終わりませんでした」

 

僕「え?」

 

チヒロ「夏だったんで、アキノリさんに『そのままの恰好でいいよ』って言われて、その後もブラとパンティの姿で宅飲みしていたら、アキノリさんがまた触ってきて……」

 

僕「男に興味ないけど、女性用下着つけていると、抵抗できない?」

 

チヒロ「そうなんです。触られると、女性になって求められている……みたいな錯覚に陥って……拒めないんです」

 

僕「で、2回戦?」

 

チヒロ「その夜は、結局泊めてもらって、3回戦までしてしまいました」

 

僕「若いから、やれちゃうんですね?」

 

チヒロ「その夜、アキノリさんに処女まで奪われてしまいました……」

 

僕「前の日までノンケ(異性愛)男性だったんですよね? それが、一気にアナル処女までアキノリさんに捧げた?」

 

チヒロ「実は、前から女性下着には興味はあったんです。でも、さすがに手に取ることはなかったので……それが、いきなり身につけさせられたものだから……」

 

僕「一気に弾けてしまったのですね? その後は?」

 

チヒロ「その黒い下着をいただきました」

 

僕「アキノリさんとお付き合いが始まったんですね?」

 

チヒロ「いいえ。アキノリさん……婚約者がいたんですよ」

 

僕「アキノリさんはゲイじゃないんですね?」

 

チヒロ「バイセクシャルだと思います。男に対しても、年下で、僕みたいに小柄で中性的でないと、その気になれないって言ってました」

 

僕「処女を奪っておいて……婚約者がいるからって……アキノリさんはひどい男ですよね?」

 

チヒロ「恨みの気持ちはありませんでした。もともと、男性が好きというより、女性下着が好きで、身に着けたら女性の気分になって……ってことだったんです」

 

僕「アキノリさんに恋愛感情をもったわけではなかった?」

 

チヒロ「そうですね。初体験の相手で、ゲイを教えてくれた人ですけど……それ以上の気持ちは、当時もなかったですね」

 

僕「で、その黒い下着をもらって……」

 

チヒロ「はい、下着女装の始まりです。下着は女物ですが、服などは男ですから、誰にも気づかれません。トイレで立ってする時だけちょっと手こずるので、人のいない時を狙って行きました」

 

僕「黒い下着1セットだけだと……洗濯が?」

 

チヒロ「通販で色違いとか柄違いを買って……」

 

僕「1人暮らしだったんですね?」

 

チヒロ「そうです」

 

僕「その後、アキノリさんとは?」

 

チヒロ「アキノリさん、よその支店に異動しました」

 

僕「気まずかったのでしょうか?」

 

チヒロ「その後は、会社のトイレで一緒になると、アキノリさんは『今日もブラとパンティ(つけてる)?』って、僕の下半身触ってきて……」

 

僕「会社で? 誰か入ってきたら困りますよね?」

 

チヒロ「だから、すぐに逃げて『未来の奥さんに言いつけますよ』って……」

 

僕「アキノリさんの婚約者と面識があったんですね?」

 

チヒロ「はい、3人で飲んだこともあります。あ、初体験の前ですけど……」

 

僕「アキノリさんが異動でいなくなってからは? もともとノンケ(異性愛)ですから、女性と?」

 

チヒロ「なんだか……女性に対する興味が減ってきて……女として抱かれたい気持ちの方が高まってきて……」

 

僕「ゲイが集まる場所へ行ったんですか?」

 

チヒロ「はい、ゲイバーに行きました」

 

僕「若い子は誘われますよね?」

 

チヒロ「行けば、必ず声かけられました」

 

僕「男性には興味ないんですよね?」

 

チヒロ「だから、選り好みしないんです。お持ち帰りされそうになったら……『女物の下着つけてますが、いいですか?』って耳打ちして……」

 

僕「ダメだと言われたら、ついて行かない?」

 

チヒロ「ダメだという人は少なかったですよ。『脱がせてあげるから』って言う人が多かったです」

 

僕「脱がされたら、つまらなくなるのでは?」

 

チヒロ「女物の下着を脱がされる瞬間に興奮するんです。男物のパンツ脱がされるのは興味ありませんが……」

 

僕「下着女装ってことですよね?」

 

チヒロ「女物の下着を相手に見られた時点で、僕は脳内で『女』になっているんです。だから、相手がおじさんでも興奮できるんです」

 

僕「そのおじさん自体は好きじゃなくても……?」

 

チヒロ「そうです」

 

僕「ただ、相手はゲイでしょう? 下着を脱がせたら、お互いに男の体ですよね?」

 

チヒロ「相手は、やっぱり男の子を抱いているという感覚でしょうね。僕は女性下着の余韻で、脳内女性ですが……」

 

僕「ギャップがありますよね?」

 

チヒロ「だから、『付き合おう』って言われても、お付き合いはしなかったんです」

 

僕「結婚するなら相手は女性だと思ってましたか?」

 

チヒロ「女性に対する興味がほぼなくなってからも……そう思ってましたね」

 

僕「現実に女性とのお付き合いはしてない?」

 

チヒロ「女性と飲みや食事をともにしたこともあります。でも、肉欲を覚えないんですよ。やるとしたらレズビアンみたいな感覚になりそうで……」

 

僕「相手の女性を困惑させてしまいそう?」

 

チヒロ「絶対、困惑しますよね? 服を脱いだら、男がブラとパンティ身に着けていて、急に女言葉になってレズプレイしてくるなんて……。だから、しませんでした」

 

僕「チヒロさんは、男自体には興味ないが、セックスの対象は男なんですね?」

 

チヒロ「いびつですよね?」

 

僕「で、今はノブヒロさんと言うゲイ男性と同棲している?」

 

チヒロ「30過ぎて、考えたんですよ。やっぱり、誰かと一緒に生きたい……。僕の場合、相手はゲイ男性しかいないって……」

 

僕「女装して、ノンケ(異性愛)男性と……というのは?」

 

チヒロ「もちろん、それも考えました。ワンピースとかウィッグとか化粧道具とかも買いました。でも、女になるって……大変ですよ?」

 

僕「そうなんですね?」

 

チヒロ「幸い、僕は小さいので、ちょっと大きめのレディ―ズなら着られます。でも、顔とか手とか脚とか……バレるんです」

 

僕「そうなんですね」

 

チヒロ「僕は、よく中性的って言われるんですが……。それでも、ウィッグかぶって、ワンピース着ると、顔の男っぽさが際立つんです」

 

僕「化粧してもダメなんですね?」

 

チヒロ「メイク初心者だと、やり過ぎるとオバケになるし、薄すぎると男そのものだし……難しいんですよ。化粧って修行ですよ」

 

僕「そうなんですね」

 

チヒロ「女性になって出かけたり、女性として暮らすって、大変ですよ。時間もお金も労力も半端ない……」

 

僕「ゲイとして生きるなら、素の男のままでいいですからね」

 

チヒロ「それに、僕は体を変えたいと思わないんです」

 

僕「脳内女性になっても?」

 

チヒロ「アレを切りたいなんて、思います?」

 

僕「私はゲイですから、まったく思いません。切るなんて……想像するだけでぞっとします」

 

チヒロ「僕も同じなんです。女性扱いはベッドの中だけでいい。相手はゲイだから、男の体のままでいいんです」

 

僕「それで、同い年のノブヒロさんと同棲して、パートナーになった?」

 

チヒロ「そうです。年上男性ばかり相手してきましたけど……。やっぱり、年近い方が話合うし……一緒に暮らすにはいいだろうと思って……」

 

僕「でも、ノブヒロさんはチヒロさんに対して恋愛感情でしょう? チヒロさんはノブヒロさんに対しては?」

 

チヒロ「僕の方は……普段は友情ですね。セックスの時だけ、脳内でこっそり性転換するんです」

 

僕「今も……下着は女性用ですよね?」

 

チヒロ「はい、見ます?」

 

僕「いえ……遠慮します。ノブヒロさんは女性下着OKなんですね?」

 

チヒロ「ノブヒロは、下着は目をつぶってくれてますが……」

 

僕「女装には反対する?」

 

チヒロ「はい。ま、先に言ったように、女装は大変なので、僕もそれほどしたいわけではありませんので……」

 

僕「で、お悩みは?」

 

チヒロ「やっぱり……僕はノブヒロに対して友情なので……」

 

僕「いつか、本当に好きになる人ができる?」

 

チヒロ「最近、トラニーチェイサーっていう、トランスジェンダー女性を好きな男性がいるって知って……」

 

僕「ゲイではない、女装者好きの男性に出会いたくなった?」

 

チヒロ「僕みたいな、下手くそな初心者女装で、体はずっと男のままでも、愛してくれる人がいるなら……」

 

僕「このままゲイ男性のノブヒロさんと同棲を続けるか? 女装者好きの男性を探すか? ですね」

 

チヒロ「お願いします」

 

僕「では、タロット占いで2者択一しましょう」

 

チヒロさんの現状を表すカード↓

↑「カップの2」正位置。

男性が女性を抱きかかえています。

恋人や夫婦というより、共同作業のパートナーです。

チヒロさんとノブヒロさんとの関係を表しています。

 

①このままゲイ男性のノブヒロさんと同棲を続けるか?

↑「金貨の10」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

3世代の裕福な家庭。

一見幸せそうですが、内実はわかりません。

豊か=幸せとは限りません。

 

↑「ワンドの7」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

7本の杖に苦戦している男性。

1人で抱えきれない問題です。ノブヒロさんと、とことん話し合う必要があります。

それをしたくないなら、放棄することになるでしょう。

 

②女装者好きの男性を探すか?

↑「女教皇」正位置。

若く清らかな水色の女教皇。

前途は不明ですが、無限の可能性があるとも言えます。

先のことはわからないが、向上心は評価に値します。

 

↑「世界」正位置。

美の女神ヴィーナスにも見えますが、実は両性具有の神です。

男性の体のままで、女性として暮らし、愛されることは可能なのです。

 

僕「ノブヒロさんとの同棲は、いずれ破綻します」

 

チヒロ「……やっぱり……」

 

僕「友達同士であれ、ルームメイトであれ、お2人の気持ちが一致しているならいいですが、食い違ってますよね? そこにほころびが出ます」

 

チヒロ「もう、出ているのかもしれません」

 

僕「現に、チヒロさんは、女装者好きの男性を探そうとしている……」

 

チヒロ「はい」

 

僕「チヒロさんなら、きっと、女装者好きの男性にモテますよ」

 

チヒロ「ただ、僕みたいに、体は男のままっていうのは中途半端ですよね?」

 

僕「確かに、戸籍は男性のままだし、女子トイレや女湯は入れないでしょう。でも、トラニーチェイサーって、そういう中途半端な人に惹かれるんです」

 

チヒロ「気にしなくていいですか?」

 

僕「社会生活上、不便なことはあるでしょうが、ご自身の気持ちに正直な状態であるなら、いいと思います」

 

チヒロ「ですよね? 一緒に暮らすノブヒロの前でも、男を演じている部分があって……」

 

僕「家にいる時ぐらい、素のままでいたいですよね?」

 

チヒロ「わかりました。トラニーチェイサーを探します。ノブヒロとは話し合って別れます」

 

僕「それがいいと思います。あ、まだ最終アドバイスカードがあります」

 

↑「カップの3」正位置。

3人の女性が、飲食しながら語り合い、親睦を深めています。

 

お酒の場を有効活用しましょう。

 

チヒロ「トラニーチェイサーを探す際に、女装バーに行くといいんですね?」

 

僕「そういうことです。行ったことありますか?」

 

チヒロ「ないです。僕なんかが行ったら、ベテランの女装の方に叱られそうで……」

 

僕「𠮟られる?」

 

チヒロ「中途半端で……ゲイと同棲したり……普段はほぼ男だし……」

 

僕「最初はみんな、そうなんじゃないですか? チヒロさんは女装向きですから、大丈夫ですよ」

 

チヒロ「ありがとうございます。励まされます。頑張ってみます」

 

僕「そうしてください。こちらこそ、ありがとうございました」

 

さて、今日の占いです。今日から台湾版易タロットです。

↑「火地晋(かちしん)」

人前で、演説などを語る男性。

これまでの努力が実を結び、なりたい自分になっていくのです。

 

順風満帆……ますますうまくいくということです。

 

ただし、男性の「ドヤ顔」が気になります。

努力を続けること、謙虚さを忘れてはなりません。

 

↓占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。  

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)