ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

ヒサトさん(仮名・40代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ヒサト「気がつくと40歳超えていて……。僕の人生、これでよかったのか? これからどうすればいいのか? そう考えても答えは出なくて、いつも堂々巡りなんです」

 

僕「ヒサトさんのこれまでの人生を差し支えない範囲で教えていただけますか?」

 

ヒサト「北関東で生まれ育ちました。中学校までは目立たない子どもでした。高校が男子校だったんですが……体育の先生を好きになって……ゲイだと自覚しました」

 

僕「その先生に告白とか?」

 

ヒサト「とんでもないです。1対1の会話すらできません。夜、ベッドに入って、その先生のことを思い浮かべて……それだけです」

 

僕「その先生に近づきたくて、顧問やっている部活に入るとか……?」

 

ヒサト「その先生、体操部だったので……僕は器械体操苦手なんですよ……。妄想だけで終わりました」

 

僕「高校卒業後は?」

 

ヒサト「東京の大学も受験したんですが……落ちて……。地元の大学に行きました」

 

僕「20歳前後って、ゲイデビューする人が多いですよね?」

 

ヒサト「大学生の頃、ゲイデビューしましたけど……」

 

僕「高校の先生のような人には会えなかった?」

 

ヒサト「それはもちろんですが……。まともな恋愛にも……ならなかったんです」

 

僕「出会いはありましたよね? 若い頃ってモテますよね?」

 

ヒサト「当時の僕の地元は既婚者が多くて……時間と場所を指定されて……エッチしたら、それで終わりなんです」

 

僕「一緒に食事とか?」

 

ヒサト「ないです。相手は家で奥さんがご飯作って待っていますから……」

 

僕「会えるのは週末ですか?」

 

ヒサト「週末は、既婚者は家庭サービスで、子ども連れて出かけるんです」

 

僕「会えるのは平日の退勤後?」

 

ヒサト「残業のない日とか、出張して直帰する時とか……そういう特別な日の夕方、呼ばれるんです」

 

僕「特別な日でも、食事とかは無い?」

 

ヒサト「例えば……公園で待ち合わせて……そこの障碍者用トイレで……」

 

僕「トイレの中でセックス?」

 

ヒサト「終われば、それでサヨナラです」

 

僕「お付き合いと言えるか……微妙ですね」

 

ヒサト「そうなんです。同級生が女の子とデートしたとか言ってるのに……僕は既婚のおじさんの性欲処理の相手なんです」

 

僕「そのおじさんのこと、好きでしたか?」

 

ヒサト「……今となっては、顔もよく覚えていません」

 

僕「奥さんに嫉妬したり……申し訳ないと思ったりしましたか?」

 

ヒサト「どちらもないですね。こんなのは恋愛じゃないってわかっても、平気でしたから、相手のこと、好きじゃなかったんでしょうね。求められるまま、体を提供しただけです」

 

僕「北関東なら、その気になれば、東京に日帰りも可能ですよね? 新宿2丁目とか、知ってましたよね?」

 

ヒサト「学生時代は1度だけ行きました……昼間だったので、ゲイビデオを買って帰りました」

 

僕「ゲイバーは行くと泊りになるから……やめたのですか?」

 

ヒサト「それもありますが、僕はお酒が飲めないので……」

 

僕「そうなんですね?」

 

ヒサト「ゲイバーは社会人になってから、2~3度行きましたけど……ウーロン茶では間が持たないんですよね。お酒飲む人は、いい気分になったり、カラオケで盛り上がったりするんですが……僕は30分で帰りたくなります」

 

僕「就職も地元の北関東ですか?」

 

ヒサト「父の知り合いの紹介で、地元の会社に入りました。経理が……僕に合っていて、よかったです。大学の同級生とかは、営業をやらされて大変だって聞いてますから……」

 

僕「就職後も、ご実家で、ご両親と暮らしたのですね? ゲイとしては、ひとりで暮らしたいと思いませんでしたか?」

 

ヒサト「都会に出て、ひとり暮らししたかったです。彼氏が泊りに来たり、僕が泊りに行ったり……そういう関係に憧れました」

 

僕「憧れたということは……あまりできなかった?」

 

ヒサト「できなかったです。相変わらず、既婚おじさんが相手ですから……」

 

僕「学生の頃の人と、ずっと続いている?」

 

ヒサト「いえいえ、入れ替わってます。学生の頃に3人付き合って、社会人になってから、これまで4人付き合いました」

 

僕「全員、既婚者ですか?」

 

ヒサト「1人はバツイチ独身でした」

 

僕「どうでしたか?」

 

ヒサト「その人とは何度か食事したんですが……別れた奥さんと子どもに養育費とか払っていて……お金ないんですよ。毎回、僕がおごりました」

 

僕「相手は年上?」

 

ヒサト「ひと回り上です」

 

僕「幻滅しましたか?」

 

ヒサト「養育費をまじめに払い続けるのはいいことですが……。正直言って、ガッカリでした。割り勘ならまだよかったのですが……」

 

僕「ヒサトさんは、今もご実家だし、お勤めを続けているのですよね? 経済的には余裕がありますよね?」

 

ヒサト「余裕ないなら、できる範囲でいいのに……レストラン行こうって言われて……食べ終わってから『先日養育費を振り込んだから金ない』って言われて……僕が2人分払うことになるんです」

 

僕「せめて、レストランに入る前に言ってほしかった?」

 

ヒサト「お金ないなら、コンビニ弁当でもいいんです。なぜ、レストランに行くのか……理解できなかったです」

 

僕「今は誰かとお付き合いは?」

 

ヒサト「コロナ以後、してません」

 

僕「自粛期間が明けましたから……そろそろ?」

 

ヒサト「そうですね。でも、アプリでメッセージやり取りしても……遠くて、会うには至らないことが多いです」

 

僕「ご実家を出たいですか?」

 

ヒサト「10年前に父が亡くなり、一緒に住む母が年々、老化してます。今更見捨てられません」

 

僕「そうなりますね」

 

ヒサト「都会に出るなら、25年勤めた会社を辞めなければなりませんが……次の仕事の当てはありませんから」

 

僕「今のお仕事自体は、嫌ではないのですね?」

 

ヒサト「仕事の内容は、そこまで嫌いではありませんが……」

 

僕「人間関係ですか?」

 

ヒサト「僕は飲み会とか参加しないので、男性社員とはあまりしゃべらないのですが……若い女子社員とはわりと話すんです」

 

僕「いいじゃないですか?」

 

ヒサト「最近の若い子は、年上とか先輩とか関係なくズケズケ言うので……」

 

僕「何か言われましたか?」

 

ヒサト「母と暮らしてるって言ったら……『マザコンなんですか?』『子ども部屋おじさんですね?』って……」

 

僕「失礼ですね?」

 

ヒサト「言われた時は、僕もそう感じました。でも……」

 

僕「結婚してないのはゲイだからであって……マザコンとか関係ないですよね?」

 

ヒサト「でも……カミングアウトしてませんから……40過ぎて実家で母と同居って……マザコンとか子ども部屋おじさんって思われても仕方ないのかなって……」

 

僕「しかし、それは事実ではない……」

 

ヒサト「ゲイである事実をカミングアウトしたら、マザコンとか子ども部屋おじさん以上にドン引きされるかもしれません」

 

僕「……」

 

ヒサト「このまま、ちゃんとした恋愛もせず、もちろん同棲もできず、母を老々介護して……母を見送った後に、自分が孤独死して……世間的には、マザコンとか子ども部屋おじさんのなれの果てと思われて……」

 

僕「お気持ちはわかりますが……」

 

ヒサト「都会のゲイの人は、パートナーと暮らしたり、LGBTの運動に参加したりでいいですよね? 僕は、親に従ったせいで……」

 

僕「他人や世間の目を考えて生きても、仕方ないですよ。人と比べるのも意味がないことです。それぞれ条件が違うのですから」

 

ヒサト「こっちがいいか、あっちがいいかという占いの選択肢は設定できないのですが……」

 

僕「タロット占いの最終アドバイスカードを引いてみましょう。ヒサトさんへのアドバイスになります」

 

ヒサト「はい」

 

僕「裏返しのゲイタロット78枚を並べています。気になる1~2枚をめくってください」

 

ヒサト「では……これと……これ……」

 

↑「金貨の8」正位置。

夜も働く時計職人。

単調な仕事でも、コツコツと励みましょう。

 

↑「剣の6」正位置。

想定外の方向に進むことになります。が、悪い結果にはなりません。予定変更を受け入れましょう。

 

僕「とりあえず、今はお仕事に励み、お母様と暮らしましょう」

 

ヒサト「働いて、お金を貯めるということですか?」

 

僕「そうです。近いうちに身辺に変化があります。対応するためには、貯金が多い方がいいのです」

 

ヒサト「その変化は、悪いことではないのですね?」

 

僕「最初は驚き、落胆するかもしれません。が、受け入れることで、いい方向に行きます」

 

ヒサト「そう言えば……」

 

僕「何か心当たりがあるのですか?」

 

ヒサト「僕に妹がいるんです。旦那の転勤で関西に行ったんですが……離婚するって言うんです。子ども2人いるのに……」

 

僕「離婚したら、ご実家に戻るとか?」

 

ヒサト「大恋愛したんですよ、妹夫婦は……それなのに……。それに、今の母に子育てを手伝う体力があるのか……」

 

僕「とりあえず、お金を貯めて、人生の変化に備えましょう」

 

ヒサト「……そうですね。そうします。ありがとうございました」

 

僕「こちらこそありがとうございました」

 

さて、今日のゴーストタロットです。

↑「死神」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

リバース(逆さま)ですから「再生」です。

 

1度終わったもの、諦めたものが復活します。

 

↑「太陽」正位置。

窓から太陽の光が差し込んでいます。

復活したものを素直に受け入れましょう。

何の問題もないのです。

 

↓占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。  

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)