ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

ユウゾウさん(仮名・50代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

ユウゾウ「運勢全般が知りたいのですが……特に金運が知りたいです」

 

僕「お聞きした生年月日・生誕時刻・生誕地でお調べしておきました。金運は、安定を目指すべきです。ギャンブルなどの運はありません」

 

ユウゾウ「ギャンブルはダメ? 宝くじもダメですか?」

 

僕「趣味で少額買うなら構いませんが、大金が当たることはないでしょう」

 

ユウゾウ「宝くじ、当たりたいんですが……。安定を目指すべきって……?」

 

僕「適職は、奉仕的な固い仕事です」

 

ユウゾウ「一時期、介護士をやっていた時がありますが……」

 

僕「介護士も奉仕職ですから、いいですね。公務員とか、役所でのアルバイトや医療関係も奉仕職と言えます」

 

ユウゾウ「公務員とか、役所とか……縁がなかったです」

 

僕「ユウゾウさんが就職する頃は、バブル崩壊前の好景気で、売り手市場でしたね?」

 

ユウゾウ「そうです。地方から上京して大学を卒業しました。民間大手に就職するのが、私を含めて多くの若者の望みでした。公務員よりずっと高収入でしたから……」

 

僕「東京の大卒で民間大手に就職されたのですか?」

 

ユウゾウ「そうです。でも、3年で辞めました」

 

僕「今は、途中で転職する人が多いですが……当時は少なかったですね」

 

ユウゾウ「そうですね。『せっかく大手に就職したのに、もったいない』って、随分言われました。でも、限界だったんです」

 

僕「会社の人間関係ですか?」

 

ユウゾウ「今は違うみたいですが……。当時の民間大手は男社会で、飲み会に出ないと異端者扱い。飲み会2次会はキャバクラ。慰安旅行は温泉街で芸者を呼んで……でした」

 

僕「ゲイとしては、いたたまれなかったですか?」

 

ユウゾウ「私、お酒は飲めるんです。いっそ飲めないなら、断りようがあるのですが……。キャバクラでも、芸者の宴会でも、まったく楽しめなかったです」

 

僕「乱痴気騒ぎに嫌悪感を抱きましたか?」

 

ユウゾウ「人の行為は見なければいいですが……。若いので、先輩からいろいろやらされるんですよ」

 

僕「やらされる?」

 

ユウゾウ「キャバクラでは『どの娘がいいか?』って、無理やり、キャバ嬢とボディタッチさせられたり……。温泉の宴会では、芸者と野球拳させられたり……」

 

僕「野球拳? じゃんけん負けたら1枚脱ぐ? 昭和ですね」

 

ユウゾウ「屈辱地獄ですよ」

 

僕「負けたんですか?」

 

ユウゾウ「芸者はちゃんと着物着てるから、帯揚げとか帯どめとか何枚でも脱げるんですよ。こっちは風呂上りの浴衣ですよ? 帯と浴衣脱いだらパンツ1枚ですよ?」

 

僕「え? さすがにパンツ1枚になったら終了ですよね?」

 

ユウゾウ「パンツ剝ぎ取られましたよ。その後、ずっと手で股間隠して……」

 

僕「今なら、あり得ないですね」

 

ユウゾウ「上司も同僚も芸者衆も、みんな大笑いですよ」

 

僕「昭和の男の宴会は、そういうの当たりまえでしたね?」

 

ユウゾウ「ノンケ(異性愛)男にとっては笑いのネタでしかないでしょうが……私は、まるで公開処刑された気分でした」

 

僕「当時は20代前半? 宴会で芸人の役割をさせられたんですね?」

 

ユウゾウ「新卒の男は、うちの部署で3人いたんですが……私だけ、野球拳やらされました。私だけみんなの前で全裸ですよ?」

 

僕「あとの2人の新卒は?」

 

ユウゾウ「1人は東大卒で、もう1人は父親が社内他部署の管理職……どっちも出世間違いなし。新卒だからといっていじめたら、10年後、20年後に仕返しされるから、いじめられない。私は私大卒で親のコネもないから、いじめの標的にされたんです」

 

僕「大手ほど、男社会で……ひどかったんでしょうね」

 

ユウゾウ「あの屈辱で……辞めてやると決意しました」

 

僕「辞めたのは3年後ですよね?」

 

ユウゾウ「本当は慰安旅行後、抗議の辞職をしたかったんですが……まだ研修期間中だったし……誰に言っても反対されたので……結局、退職は3年後になりました」

 

僕「慰安旅行や飲み会はパスして、仕事だけ……というのは無理だったのですね?」

 

ユウゾウ「慰安旅行は口実作って、2年目以降は行ってません。飲み会も、それ以後、ほとんど参加してません」

 

僕「そういうのが、許されない時代だったんですね?」

 

ユウゾウ「強制参加ではなかったのですが……社内で孤立するんですよ。もともと、同僚とは話が合わないんですが……野球とサッカー・ゴルフ・車・女という……私には興味ない話ばかりですから……」

 

僕「で、3年で大手を辞めてからは?」

 

ユウゾウ「いろんなバイトしました。コンビニ・ウェイター・居酒屋・清掃・警備員……」

 

僕「これを続けたいっていうのはなかったのですか?」

 

ユウゾウ「イベントスタッフは面白かったし、やりがいもありました。でも、イベントが終わると仕事終わりです」

 

僕「イベントを企画・運営する会社とか?」

 

ユウゾウ「面接は受けました。でも、面接官が……大手時代の上司と同じようなタイプで……結局、社員になれば、どこも男社会なんだと知りました。バイトだから、やりやすかっただけなんです」

 

僕「で、以後はずっとバイトで?」

 

ユウゾウ「40代の時、介護士で就職したんです」

 

僕「どうでしたか? きつかったですか?」

 

ユウゾウ「きつい割に、バイトと給料は変わらない……」

 

僕「やってられないと思いましたか……?」

 

ユウゾウ「そういう気持ちもありました。でも、それ以上に、老人の世話していくと、自分の将来が案じられて……つらくなったんです」

 

僕「ご自分の将来?」

 

ユウゾウ「男性の利用者……おじいさんの何割かは、女性の介護士にベタベタ触ったり、触らせて喜んだり……」

 

僕「老いても、枯れないんですね?」

 

ユウゾウ「1人、ゲイのおじいさんがいたんです」

 

僕「ゲイのおじいさんも枯れてない?」

 

ユウゾウ「当時、30ぐらいのガタイのいい男の介護士にベタベタして、股間触ったりするんですよ?」

 

僕「触られた介護士男性はドン引きですね?」

 

ユウゾウ「陰で罵詈雑言……『気持ち悪い』『吐き気がする』って言ってました」

 

僕「同じゲイとしてはショックでしたか?」

 

ユウゾウ「普段は温厚ないい奴だっただけに……私もゲイバレしたら、同じように軽蔑されるんだ……と思ったら……その介護士の男の子とも、ゲイのおじいさんとも、顔合わせるのがつらくなりました」

 

僕「それで、介護職も辞めた?」

 

ユウゾウ「とりあえず、自分の老後問題は考えたくなかった……嫌でも向き合わざるを得ない職場から離れたかったんです」

 

僕「コロナの自粛期間はどうでしたか?」

 

ユウゾウ「バイトしていた飲食店が閉まって……1年近く無職でした。この間から、やっと警備員してます」

 

僕「1年間の無職期間……よく乗り越えましたね? 実家に帰ったとか?」

 

ユウゾウ「コロナの期間は帰省できませんよ。父親は既に亡くなってますし、母親は兄家族の世話になってますから……頼れません。貯金食いつぶしたり、金目のものを売ったりして……何とか暮らしました」

 

僕「乗り切れてよかったですね?」

 

ユウゾウ「よくないです。貯金がなくなり、ウリ専(男性版風俗)ボーイが買えなくなりました」

 

僕「ウリ専ボーイ買っていたんですか?」

 

ユウゾウ「30代まではゲイバーで飲んでました。でも、40過ぎると、ゲイバー行ってもモテないし、声かけても断られる……。飲み代を貯めて、年に2回、ボーイを買うことにしたんです」

 

僕「年に2回?」

 

ユウゾウ「夏休みと年末年始です。正社員や家族持ちは、ボーナス出たり、旅行に行ったりするじゃないですか? 私も楽しみたくて……飲みに行くのも旅行も我慢して……男の子を買うことにしたんです」

 

僕「……」

 

ユウゾウ「でも、それも、コロナによる無職期間のせいで、できなくなって……」

 

僕「今、警備員の仕事を始められたんですよね?」

 

ユウゾウ「家賃と食費・光熱費だけで消えます。何年も洋服買ってません」

 

僕「……」

 

ユウゾウ「その上、先日、将来の年金を調べてみたら、65歳からで……しかも、とても食べていけない少額で……」

 

僕「そうなのですね」

 

ユウゾウ「ちゃんと払っていたんですが……国民年金だけだと少なすぎるんです」

 

僕「だから……金運を知りたいと?」

 

ユウゾウ「宝くじで1億当たれば……、年間300万使っても33年持つ……そう考えたんですが」

 

僕「……」

 

ユウゾウ「死ぬまで仕事をするしかないですかね……」

 

僕「健康面を西洋占星術で見ると、丈夫で健康……性病と精神面だけ注意です」

 

ユウゾウ「性病は、深刻なものは罹ってません。精神面はうつ病とか?」

 

僕「そうです。ノイローゼとか、認知症とかも……」

 

ユウゾウ「認知症は嫌ですね。それこそ、男の介護士に触ってしまいそうです」

 

僕「タロットのアドバイスカードを引いてみませんか?」

 

ユウゾウ「はい、やりたいです」

 

僕「ここに、裏返しのゲイタロットカード78枚があります。この中から気になる1~2枚をめくってください。ユウゾウさんへのアドバイスカードになります」

 

ユウゾウ「では……これと……これを」

 

↑「自己嫌悪」正位置。

男女の夫婦・家庭に憧れ、自己嫌悪に陥るゲイ男性。

 

人を羨んでも仕方ありません。自分の道を生きましょう。

 

↑「カップの5」正位置。

割れてしまった3つのカップに落胆する男性。

しかし、まだ2つのカップがあります。絶望する必要はありません。

 

僕「結婚した人を羨ましく思っていましたね?」

 

ユウゾウ「若い頃付き合ってた既婚ゲイ男性のSNSを発見して……『孫が生まれた』とあって……悔しくてたまらなかったです。『お前ゲイだろ? 奥さんをずっと騙してきただろ?』と言ってやりたかったです」

 

僕「でも、言わなかったんですよね? よく我慢しましたね。言っても、ユウゾウさんにいいことはありません」

 

ユウゾウ「そうなんですよね。一瞬『ざまあみろ』と思って終わりですから……。私にはもう関係ないと、SNS見るのやめました」

 

僕「それがいいです」

 

ユウゾウ「もう1枚のカードは?」

 

僕「ユウゾウさんは、仕事など、失くしたものもありますが……まだ『持ってるもの』があります」

 

ユウゾウ「私が『持ってる』?」

 

僕「健康です。50代で、持病持ちになったり、癌になったり、腰痛などで立ち仕事ができなくなったりする人もいます」

 

ユウゾウ「でも、性病と精神面は要注意ですよね?」

 

僕「それは、今後の心がけで防げるでしょう?」

 

ユウゾウ「……」

 

僕「お金があっても、病気などでつらい人は少なくありません。早死にする人もいます。健康って大事だと思いませんか?」

 

ユウゾウ「それはそうですが……」

 

僕「70歳まで働かなければならないと考えるのではなく……70歳でも元気に働けるほど健康に恵まれてる……と考えましょう」

 

ユウゾウ「健康と……常に自分の心に正直に生きてきた……というのは自慢というか誇りですが……」

 

僕「2つも誇れるものがあるなんて、すばらしいじゃないですか? 自分の気持ちを偽らず、ノンケ社会に迎合せず……生きてきたのですから」

 

ユウゾウ「私が……すばらしいのですか? 幸せなのですか?」

 

僕「自立した生活で、誰の機嫌もうかがわず、自分に正直に生きているのですから……。少なくとも不幸ではないですよ」

 

ユウゾウ「考えようによっては……私にはまだ救いがあるのですか?」

 

僕「隣の芝生は青く見えるのです。既婚ゲイ男性も、大手に勤め続けた人も、いろんな苦労をしてきているのです。それでも、離婚できなかった……退職できなかった……」

 

ユウゾウ「私は独身を通し……嫌な会社に我慢しなかった……よかったのですね?」

 

僕「タイムマシンに戻って、新卒に戻ったら、会社に勤め続けますか? 昭和の宴会でピエロをしますか? 女好きを演じますか? 勧められるまま女性と結婚しますか?」

 

ユウゾウ「それは……嫌です。限界でした」

 

僕「だったら、それで正解ですよ。ユウゾウさんにとってよかったんですよ」

 

ユウゾウ「そうですね。他の人も、それぞれ苦労しているんですよね? 私だけじゃないですよね?」

 

僕「おっしゃる通りです」

 

ユウゾウ「もうちょっと頑張ってみます。また、少しずつ貯金して……。物価が上がって大変ですが……」

 

僕「そうしてください」

 

ユウゾウ「ありがとうございました」

 

僕「こちらこそありがとうございました」

 

さて、今日のゴーストタロットです。

↑「教皇」正位置。

有効なアドバイスがもらえます。生かさない手はありません。

 

↑「カップの3」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

飲食しながらの会話は楽しいものです。

しかし、役に立つものばかりではありません。

 

今は、あまり有益ではないでしょう。

 

2枚を合わせ読むと、

友人との飲食・会話もいいですが、よりよいアドバイスをくれる人がいます。

誰の言葉を参考にするかが、あなたにとって大事です。

 

↓占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。  

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)