ゲイ占い師 豫 空潤です。
少し前のオンライン鑑定です。
ジュンジさん(仮名・30代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
ジュンジ「僕はゲイだと自覚してはいるのですが……どう生きていけばいいのか、わかりません」
僕「どう生きていけば……というのは、恋愛面のことを言っているのですか?」
ジュンジ「ちゃんとした恋愛って……恥ずかしながらしたことありません」
僕「片思いは……ありますよね?」
ジュンジ「あります。中学・高校・大学・会社員……ずっと片思いし続けてきました」
僕「中学から、ずっと同じ男性に片思いですか?」
ジュンジ「いえ……数か月から、長くても2~3年であきらめます。今まで10人近い男に片思いしてはあきらめてきました」
僕「あきらめたというのは、相手の男性がノンケ(異性愛)だったからですか?」
ジュンジ「そうです。世の中の人のほとんどがノンケ(異性愛)だから、僕が好きになった男性がゲイである確率がほぼないというのは、頭ではわかってます。でも……」
僕「みんなそうですよね。恋心が燃え上がると、冷静な判断ができなくなります。いい方にいい方に解釈したり……逆に何でも悲観的にとらえたり……」
ジュンジ「その通りです。好きになると夢中になって……その人のことばかり考えてしまうんです。なので、ノンケとわかって失恋すると……落ち込んで何も手につかなくなる……その繰り返しなんです」
僕「そういう恋心とは別というか……思春期の男性には強烈な性欲が出てきますから、ゲイの場合、男性の体に興味が出てきたりしますが……」
ジュンジ「興味はあります。ただ、僕の場合、好きな人限定なんです。好きじゃない男性には興味ないんです」
僕「中高生の時に、男子同士でじゃれ合ったりしますが……」
ジュンジ「僕は、そういうの嫌いでした。好きでもない人には触られたくないし、触りたくない……」
僕「……そうなんですね」
ジュンジ「高校の同じ部活にゲイの人がいて……告白されました。でも、その人に興味もてなくて……ノンケのふりして断りました」
僕「そういうこともあるでしょうね」
ジュンジ「その人が嫌というよりも、その人がゲイであることを隠してなかったので、周りからいじめられていたんですね。僕がその人の告白を受けいれたら、僕もいじめられてしまう……そう思ったんです」
僕「気持ち、わかる気がします」
ジュンジ「そのゲイの人、直接いじめられてもいましたが、陰ではもっとすごいこと言われていて……ずっと罵倒され、笑い者にされてたんです」
僕「今から20年ぐらい前ですよね? そうだったのですね」
ジュンジ「オネエタレントがテレビに出てきた頃でした。オネエタレントは都会の女性たちには人気あったでしょうが、当時の地方の男子高生たちには笑いの対象でした」
僕「今は、オネエタレントも支持されているでしょうが……」
ジュンジ「20年前ってのもありますし、田舎でしたから……。そのゲイの子って、僕以外の男子にも告白していて……その告白された子がみんなに言いふらして、みんなで『キモい』『襲われる』って言ってたんです」
僕「そのゲイの高校生って、ある意味すごいですね?」
ジュンジ「今思えば、そうですね。でも、当時の僕は、同性愛って、こんなにも忌み嫌われて、軽蔑されているんだ……って、痛いほど感じました」
僕「だから、ご自分の同性愛について、認めたくなかった……」
ジュンジ「女の子を好きになるのは無理だと感じていたので……僕は草食系男子として生きようと思ってました」
僕「都会のゲイバーに行ったり……今だとゲイアプリでメッセージをやりとりしたり……とかは?」
ジュンジ「僕はお酒が飲めなくて……。20代の頃に何度かゲイの人が集まるところには行ったんですが……」
僕「いい思いがなかった?」
ジュンジ「申し訳ないんですが……ぞっとしました。分別盛りの中高年男性が……初対面で性欲丸出しで迫ってきて……突き飛ばして帰ってきました」
僕「ジュンジさんは、好きにならないと、その気にならない?」
ジュンジ「他のゲイの人って、好きじゃなくてもエッチできるんだってこと自体……ショックでした」
僕「というと……。10代後半、ゲイを自覚してからは、ノンケの男性に片思いするだけだった……ということですか?」
ジュンジ「都会のゲイコミュニティに加わりたいと思わなかったので……。親の言うままに、地元で進学し、地元で就職しました」
僕「インターネットでのゲイの出会いとかは?」
ジュンジ「何度か試しましたが……。毎回、失望させられました。顔画像と実物が違っていて……よく聞くと5年前の画像だったり……年齢詐称されたり……。そのくせ、会えば、ろくに話もしてないのに、ホテルに誘われたり……」
僕「実際にゲイ同士の性体験をしても、満たされなかったのですか?」
ジュンジ「全然ダメでした。僕は、BL(ボーイズラブ)コミックや小説を読むのが好きなんですが……現実は違いました」
僕「BLは、どちらかというと女性向けのものですからね。男性同士の恋愛という設定ですが……現実の同性愛とは違いますよね」
ジュンジ「そういう話を聞くと、猶更がっかりしました。こういう出会いはないんだと……」
僕「BLコミックに出てくるような美男子系が好きなのですか?」
ジュンジ「タイプで言えば……そうです。でも、イケメンでも、内面に惹かれないと、その気にならないです」
僕「ゲイの人って、いわゆるイケメンもまあまあいると思いますが……」
ジュンジ「イケメンでも、しゃべるとオネエだったり、人の悪口や陰口が好きだったりする人はダメです」
僕「悪口や陰口は論外ですが……オネエ言葉を使わず……BLコミックのようなイケメンだと……かなり限られますね」
ジュンジ「自分のこと棚に上げてるのは自覚してます。でも……その気にならない相手とつきあったり、セックスしたりしても……仕方ないですよね?」
僕「それは同意します。ジュンジさんは、好きでも嫌いでもないゲイ男性に誘われても……ダメなのですね?」
ジュンジ「話したりしているうちに好きになれば……お誘いは受けたいです。でも、そうなる前に迫ってくるので……がっかりするんです」
僕「まじめで、潔癖ですね」
ジュンジ「そう言われたことあります。『それじゃあ一生ひとりで、孤独死だぞ』とも言われますが……ゲイの人の半数以上は孤独死予備軍ですよね」
僕「そうかもしれませんが……。ジュンジさん自身も何とかしたくて、ゲイ占い師のところにいらしたのですよね?」
ジュンジ「そうですね。でも、どうにもならないというか……これでいいと背中を押してくださるのであれば、それでもいいです」
僕「ここに、裏返しのタロットカード78枚が並べられてます。1枚ずつ指さしますから、気になるカードの時に教えてください。それがジュンジさんへのアドバイスカードです」
ジュンジ「わかりました。お願いいたします」
僕「では、ここから行きます……」
ジュンジ「それと……それでお願いします」
↑「カップの3」正位置。
飲食に使うカップを持つ3人の女性霊。
食べて飲んで語らい、心を通わせるということ。
「恋人募集」ではなく、「友達募集」をしましょう。
↑「悪魔」正位置。
恐ろしく見えますが、人間を虜にする魅力的な存在。
あなたにも、虜にされてしまう人ができるでしょう。
ジュンジ「友達募集はわかります。虜にされてしまう魅力的な存在って?」
僕「ジュンジさんがいいとは思わない男性が近づいてきて……性的関係になるということです」
ジュンジ「好きなタイプではない恋人ができるということですか?」
僕「そうとも言えます」
ジュンジ「恋人じゃないかもしれない?」
僕「そうです」
ジュンジ「セフレとか……既婚者と不倫関係とか?」
僕「その可能性もあります」
ジュンジ「セフレ関係も、既婚者との不倫も嫌です」
僕「では、断ればいいのです」
ジュンジ「断りきれない……かもしれないのですか?」
僕「はい」
ジュンジ「……こわいです」
僕「嫌なら断る……嫌でないなら、受け入れる……それだけです」
ジュンジ「やっぱり……こわいです。どうしたら、避けられますか?」
僕「その答えは1枚目のカードです。セックスなしの友達を作ってください」
ジュンジ「友達を作らないと……変な男に捕まってしまう?」
僕「どんな人が『変な男』なのかは……人それぞれですが……」
ジュンジ「変な男は、いつ頃現れますか?」
僕「タロット占いは短期向きの占いです。年内でしょう」
ジュンジ「年内……?」
僕「ドキドキしますか?」
ジュンジ「……はい」
僕「該当する男が現れたら、鑑定しますよ」
ジュンジ「……お願いします」
僕「では……今日は……(終わりにしますか?)」
ジュンジ「……危険な恋が始まるのでしょうか?」
僕「まじめな恋愛もいいですが……スリルある出会いも悪くないでしょう?」
ジュンジ「……そうですね」
僕「BLっぽいですか?」
ジュンジ「……そうかもしれません」
僕「BL好きとしては、いいじゃないですか?」
ジュンジ「好きじゃない人とはしたくないのに……そんな男に溺れてしまうんですよね?」
僕「そういう人……いっぱいいますよ。ジュンジさんだけではありません」
ジュンジ「そうですか? たくさんいるからいいとは思いませんが……」
僕「それほど嫌じゃなかったら、おいしいところだけ楽しめばいいのです」
ジュンジ「おいしいところだけ?」
僕「つらくなったら、離れればいいのです」
ジュンジ「……わかりました。ありがとうございました」
僕「こちらこそありがとうございました」
さて、今日の観音オラクルカードです。
↑31「弧を描く柳の姉妹」
「柳に雪折れなし」と言うように、柳の枝は、悪天候でもダメージがあまりありません。柳のように、あなたも、過去の傷ついた体験を許しましょう。相手の為と言うより、あなた自身の為です。
いつまでも、過去の傷にとらわれていると、あなたのエネルギーが少なくなるのです。しかも、他者を許すということは、いつか、あなた自身が許されることにもつながるのです。
人を傷つける行為が良くないのは明らかですが、そこにこだわるべきではありません。強風が吹いても、弧を描いてかわし、風が止めば元に戻る柳のように、あなたも、済んだことは許しましょう。
いつまでも続く怒りの感情は、あなたを硬直させ、前に進む力を奪うのですから。