ゲイ占い師 豫 空潤です。
先日の対面鑑定のお客様から「砂」をいただきました。
もちろん、ただの砂ではなく、「穴守稲荷神社の御神砂(おすな)」です。
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穴守稲荷神社の奥之宮でいただける「幸運の砂」で、「招福」「家内安全」「商売繫盛」などのご利益があるとのことです。
ありがたく頂戴し、玄関などに撒いて「福」を招きたいと思います。
話変わって、だいぶ前(コロナ前)の対面鑑定です。
モトフミさん(仮名・当時30代ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。
モトフミ「去年、地方の実家に帰った際、ゲイをカミングアウトしてしまいました」
僕「もともと、カミングアウトするつもりなかったのですね?」
モトフミ「はい、うちの親たちは頭が硬いので、話すつもりなかったんです。ただ、いつもいつも結婚・見合いを勧めてくるので……つい……」
僕「最近は、中高年の人たちの中にも、同性愛に理解を示す方がいますからね。で、ご両親の反応は?」
モトフミ「数秒間、沈黙して……。父が『やっぱり……男らしく育てるべきだった』と吐き捨てるように言って……。母はすぐに別室に行きました。後で妹から聞いたら『泣いていた』そうです」
僕「育て方に問題があったと、ご両親は判断したのですね?」
モトフミ「そうみたいです。僕は姉と妹に挟まれて……。子どもの頃は3姉妹のように遊んでいて……。父は『男らしくさせろ』『柔道か相撲でも習わせろ』って言ってました……」
僕「柔道と……相撲ですか?」
モトフミ「うちの実家の方は『わんぱく相撲』が盛んなんです」
僕「柔道や相撲を……したんですか?」
モトフミ「いえいえ。どちらも興味ないです。特に相撲は……人前でお尻出すとか、絶対に嫌で……。父に言われた母が勧めてきたんですが、行きませんでした」
僕「そうなんですね。でも、育て方で同性愛になるわけではないですからね」
モトフミ「そうなんです。僕も『生まれつきだから』と説明したんですが……」
僕「ご両親は理解してくれなかった?」
モトフミ「父からは……『誰にも言うな。墓場まで持っていけ』って言われました」
僕「そうなんですか?」
モトフミ「父が言うには……僕の姉の嫁ぎ先に知られたら、姉の立場がないって……。あと、僕の妹がまだ独身なので『(僕がゲイだと知られたら)縁談が壊れたら困る』って……」
僕「まるで一家の恥みたいで……傷つきますよね?」
モトフミ「はい。でも……田舎なので……実際にそうならないとは言えません……」
僕「いや、でも、お姉さんや妹さんは関係ないでしょう?」
モトフミ「父はゲイが嫌いなんです。テレビにオネエタレントが出ると、僕に『お前はああなるなよ』『化粧したら、この家には入れないからな』って……」
僕「そんなこと、言うんですか?」
モトフミ「僕は女装しない。する気もないのに……」
僕「……」
モトフミ「父は『ゲイは人の道から外れてる』って言うんです。仕事先で『ある公園に深夜ゲイが集まって卑猥なことをしている』
と聞いて、『軽蔑されてもしかたない連中だ』と言うんです」
僕「同性愛にしろ、異性愛にしろ、一部に過激な人はいますが……全員じゃないですよね」
モトフミ「父は、『公園の場所はお前には言わない。お前が行ったら困る』って……」
僕「……モトフミさんが危険な目に合わないように……っていう親心でしょうが……」
モトフミ「というより、父はゲイの息子を恥だと思っているんです。人に知られたくないんです」
僕「……」
モトフミ「この年末にも『帰ってこい』と言われてますが……どうすればいいのでしょうか?」
僕「また、ゲイ差別発言を聞きたくないのですね?」
モトフミ「それもありますし……母は懲りずに、見合い話を勧めてくる気がします」
僕「カミングアウトしたのに?」
モトフミ「僕のいないところで、母はきっと、父から『モトフミがゲイになったのは、お前の育て方のせいだ』って責められてるんです。だから、母は、何としてでも僕を女性と結婚させて、父を見返したいんです」
僕「それが……モトフミさんをますます追い詰めることだと……気づかないのでしょうか?」
モトフミ「父も母も、パニクっているんだと思います」
僕「ご両親は60代ぐらいですか? まさか、ご自分のお子さんが同性愛者とは……想定外だったのでしょうね」
モトフミ「僕はどうすればいいのでしょうか? 頭が硬くて古臭い両親ですが……親子の縁を切る訳にはいかないし……。妹が婚約したので……たぶん、彼氏を紹介されます」
僕「妹さんの彼氏を紹介される? なんか面倒くさくなりそうですね?」
モトフミ「そうなんです。いっそ『今回は帰省しなくていいから』って言われた方が気が楽です」
僕「妹さんの彼氏の前では、ノンケ(異性愛)の演技をさせられるのでしょうか?」
モトフミ「そうなりそうです……」
僕「タロットのアドバイスカードを引いてみませんか?」
モトフミ「お願いします」
僕「ここに、裏返しのゲイタロットカード78枚が並べられています。気になる1~2枚をめくってください」
モトフミ「では……これと……これを」
↑「運命の輪」正位置。
今回は、言わば「運命のタイミング」です。帰省した方がいいです。
多少つらい目にあっても、後で「行ってよかった」となります。
↑「剣の10」正位置。
絶望的だと考えてしまいますが……。常に実害があるわけではありません。
その時が来るまで、普段は考えない方がいいでしょう。
モトフミ「帰省した方がいいのですか?」
僕「そうです」
モトフミ「妹の彼氏が来るから……ですか?」
僕「そういうことでしょう。お姉さんや妹さんが、モトフミさんの味方になってくれるかもしれません」
モトフミ「姉や妹にはカミングアウトしてないのですが……」
僕「ご両親から聞いているかもしれませんよ。若い世代や女性の方がゲイに理解を示す傾向がありますから」
モトフミ「もう1枚は……普段は考えるな……って」
僕「ご両親にカミングアウト……という最大のヤマ場は済んだのです。あとは、ご両親がどう受け止めるか? ですよね」
モトフミ「ちゃんと受け止めてくれなかったと思います」
僕「これから、10年20年、ご両親との関係が続くのですから……いつかはカミングアウトしなければいけなかったのです。後悔しない方がいいです。モトフミさんはやるべきことをやったのです」
モトフミ「……はい」
僕「堂々としていればいいのです」
モトフミ「わかりました。両親が更にひどいことを言ってきたら……年1回の帰省をやめます」
僕「カミングアウト直後が最もショックが大きいものです。ご両親のお気持ちは、だんだんと落ち着いてくるのではないでしょうか?」
モトフミ「……わかりません」
僕「わからないですよね? 帰省する前から心配しても、堂々巡りになるだけです。時には、開き直りも必要です。モトフミさんは何も悪いことはしていない。カミングアウトはいずれしなければならなかったのです」
モトフミ「……そうですね。ありがとうございました」
僕「こちらこそ、ありがとうございました」
さて、今日の観音オラクルカードです。
↑10「真珠の女王」
真珠は、貝の中に異物が混入してできる宝石。体内に入った異物は、本来は厄介者。「なくなればいいのに」と思う存在でしょう。
しかし、その異物を、貝は幾重にも包み、光沢のある美しい玉に仕上げるのです。
あなたが悩まされている「異物」も、あなたを成長させてくれるのです。
悩みや苦しみは、あなたの魂が、真珠のように美しく輝きだすきっかけなのです。
悩み、苦しみ、迷う時こそ、ひと呼吸おいて、先の先を見ましょう。
人は、試練で成長します。この世に、無駄なものはないのです。