ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前の対面鑑定です。

 

イクヤさん(仮名・30代前半ゲイ男性・関東在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

イクヤ「去年、彼氏ができたんです」

 

僕「おめでとうございます」

 

イクヤ「中学生でゲイだと自覚して、高校卒業後、東京に来てゲイ活動して、初めて彼氏ができたんです」

 

僕「高校卒業後からだと、10数年ゲイ活動してますよね? それなりに出会いがあったでしょう?」

 

イクヤ「ありました。でも、アプリで出会っても、2回目がないんです」

 

僕「イクヤさんから、次のデートを誘ってもダメですか?」

 

イクヤ「僕は年上が好きなので、相手から誘われたいんです」

 

僕「そうなんですね?」

 

イクヤ「ゲイバーに行った時、(男性の)ママさんに、そのことを愚痴ったら『あんたみたいな待ち子は、若いうちが勝負よ』って言われて……」

 

僕「そうですね」

 

イクヤ「相手から誘われるのを待つ『待ち子』って、モテないんですね?」

 

僕「(男性の)ママさんが言うように、若いうちは需要がありますが……年齢が上がるにつれて……(需要は先細り)」

 

イクヤ「(男性の)ママさんから『30歳までに彼氏をゲットしなさい』って言われたんですが……30歳過ぎて、やっと彼氏ができて……」

 

僕「よかったですね」

 

イクヤ「だから、今の彼氏は絶対に別れないつもりで……一生のパートナーのつもりでいたんですが……」

 

僕「不安要素があるのですね? そこを聞く前に、彼氏さんのことを教えてもらえますか?」

 

イクヤ「ヨシゾウさん(仮名・40代後半ゲイ男性・関東在住)です。生まれてからずっと実家住まいで、お母さんと暮らしているんです」

 

僕「実家暮らしだと、ヨシゾウさんのお宅には行けないですか?」

 

イクヤ「行ったことないです」

 

僕「もっぱら、イクヤさんの家に?」

 

イクヤ「1度来てもらいました。でも、僕のアパートは壁が薄く、隣の住人のテレビの音とか聞こえるんです」

 

僕「それは……気を使いますね?」

 

イクヤ「そうなんです。セックスの声が隣に聞かれてしまう……ってヨシゾウさんは言って、もう、僕の家には来てくれません」

 

僕「ということは……毎回、ホテルですか? お金かかりますね?」

 

イクヤ「はい、ヨシゾウさんが全額払ってくれるんですが、申し訳なくて。でも、僕はアルバイトなので、払う余裕がないんです」

 

僕「ヨシゾウさんは経済的余裕があるのですね? じゃあ、いいじゃありませんか?」

 

イクヤ「ヨシゾウさんも、それでいいと言ってくれるんですが……ヨシゾウさんの友達が……」

 

僕「ヨシゾウさんにゲイ友がいて、毎回ホテルを利用することについて、意見してくるのですか?」

 

イクヤ「ヨシゾウさんのゲイ友が『あと何万か出せば、マンションが借りられる。この際、引っ越せば?』って言うんです」

 

僕「そうですね。隣に声が漏れない部屋なら……」

 

イクヤ「そんなお金、僕にはありません。毎月の家賃もそうだし、引っ越すとなると、敷金・礼金・荷物の運送費がかかるじゃないですか?」

 

僕「ヨシゾウさんに借りるとか?」

 

イクヤ「ヨシゾウさんのゲイ友は『いっそ全部出してもらえば?』って言います」

 

僕「イクヤさんは、そういうの嫌なんですね?」

 

イクヤ「僕の母がそうだったんです。父には本妻がいて、月に2~3度しか帰ってこないんです」

 

僕「そうなんですね?」

 

イクヤ「僕が遊んで、置物とか落として壊すと、母は『これはお父さんの。壊しちゃダメ!』って怒るんです」

 

僕「お父さんは月に2~3度しか来ないんだけど、家も、家の中の物も、すべてお父さんがお金を出したんですね?」

 

イクヤ「自分の家なのに、自分のものじゃない。いつも、そこにはいない父の機嫌をうかがうような生活でした」

 

僕「それで、ヨシゾウさんにお金を出してもらうのに抵抗があるんですね?」

 

イクヤ「母はいつも『お前は自立して、堂々と生きなさい』って言ってました。母は、いつも本宅の奥様に遠慮してましたから」

 

僕「お母様と本宅の奥さまは面識があったのですか? それは大変ですね? お母さまは今は?」

 

イクヤ「5年前に死にました」

 

僕「お父様は?」

 

イクヤ「11年前に死にました。その時だけ、母が本宅の奥様に頭下げて『イクヤの分だけでも』って、遺産相続させてもらったんです」

 

僕「失礼ですが……その時に相続したお金は?」

 

イクヤ「1000万近くありましたが、母の生活費で消えました。母は、若い頃に水商売しただけで、ずっと仕事してませんでしたから……」

 

僕「失礼ですが……お母様のような暮らしはしたくないと……」

 

イクヤ「母は、生前、『お前は男だから、自立して生きなさい』って言ってました。まさか、息子がゲイで、年上の男に養われるなんて、想像もしてなかったと思います」

 

僕「でも、一生のパートナーになるなら、いずれ同棲して、夫婦のように暮らすのですから、お金のある方が多く出すのは……(仕方ない)」

 

イクヤ「でも、ヨシゾウさんのお母さんはまだ70歳ぐらいで……」

 

僕「ヨシゾウさんがお母様を置いて、イクヤさんと暮らすことはないのですね?」

 

イクヤ「同棲できないってことも悩みなんです。外で会うしかなくて……。でも、2人の生活が違いすぎて……」

 

僕「イクヤさんとヨシゾウさん、年齢と経済力に差があるほか、食い違いとかありますか?」

 

イクヤ「食い違うところだらけです」

 

僕「年齢差があると……いろいろ感覚が違いますよね?」

 

イクヤ「僕は、安いファミレスで十分なんですが、ヨシゾウさんは高い店に連れて行ってくれて……」

 

僕「ヨシゾウさんが払えるなら、いいんじゃないですか?」

 

イクヤ「高いレストランに行くと、クラッシック音楽とか流れてて……ヨシゾウさんは『これはモーツアルトで』とか、僕にやたら教えてくるんですが……」

 

僕「イクヤさんは、クラッシック音楽に興味ない?」

 

イクヤ「そうなんです。どこそこの美術館で〇〇展がやってるからって、連れて行ってもらっても、僕には退屈なだけなんです」

 

僕「仲のいい夫婦でも、趣味まで一致することは少ないですね」

 

イクヤ「僕が我慢するしかないんですね?」

 

僕「たまには、イクヤさんの趣味に付き合ってもらうとか……?」

 

イクヤ「それは無理です。ヨシゾウさんは、いつも僕のことを『無知』『非常識で無教養』『趣味が低俗』って言います。僕に合わせる気はないと思います」

 

僕「無知? 非常識で無教養? 低俗? 親しいからズケズケ言うのでしょうが……」

 

イクヤ「もともと、ヨシゾウさんは口が悪いんです。僕はいつも、ボロクソに言われてます」

 

僕「でも、お付き合いが続いてる……」

 

イクヤ「ヨシゾウさんのゲイ友は『ヨシゾウさんは若い子好きだから……バカでもお肌ピチピチが好きなのよ』って……」

 

僕「お友達も、口が悪いですよね?」

 

イクヤ「それより……30過ぎてる僕が、いつまでヨシゾウさんに『若い子』として見られるかが、心配です」

 

僕「イクヤさんにとって、ヨシゾウさんは、ようやくできた初彼氏ですが、年齢や経済力その他で格差や違いが大きい。加えて、同棲できる見込みがない。住所が同じでないと、パートナーシップ制度も登録できませんよね……」

 

イクヤ「別れたくないんですけど……続けるのは無理かも……って思ってます」

 

僕「ゲイタロットのアドバイスカードを引いてみましょう。裏返しのカード78枚から気になる1~2枚を選んでめくってください」

 

イクヤ「では……これと……これ」

 

↑「金貨の9」正位置。

花を抱え、鳥を連れて、のんびりと歩く若者。支援を受けているのです。

 

支援に甘えてもいいという意味です。

 

↑「剣の6」正位置。

心ならずも、小舟でよその土地に行くことになった男性です。

 

しかし、水面は穏やかで、行く手はなだらか、木が生い茂っています。

案外、いい暮らしが待っていそうです。

 

僕「ヨシゾウさんの支援を受け入れるというのが、1つのお勧めです」

 

イクヤ「ヨシゾウさんにお金出してもらって、引っ越すってことですね? 別れたら、家賃が払えなくなりそうです」

 

僕「経済格差も大事ですが、ヨシゾウさんがイクヤさんについて、若さしかないと考えているなら、そちらも大問題だと思います」

 

イクヤ「……はい」

 

僕「だったら、他の道……つまり、他の男性を探してもいいというのが、もう1枚のカードです」

 

イクヤ「ヨシゾウさんと別れたい気持ちはあります。でも、もし次が見つからなかったら……孤独死は嫌なんです」

 

僕「孤独死したい人はいませんが……」

 

イクヤ「母みたいになりたくありません」

 

僕「次の恋愛をあきらめる年齢ではありませんよ」

 

イクヤ「次の恋愛の可能性があるのですね?」

 

僕「カードには『ある』と出ています」

 

イクヤ「わかりました。別れる方向で……(考えてみます)」

 

僕「別れる前に、ヨシゾウさんと話し合いをしてはいかがですか?」

 

イクヤ「僕の話なんか、聞いてくれるでしょうか?」

 

僕「話し合いが成立しなかったり、決裂したりしたら、別れればいいです」

 

イクヤ「……そうですね」

 

僕「ヨシゾウさんは、イクヤさんが悩んでいるとか、傷ついているとか……知らないでしょう。だから、ひどい言葉も言うんですよ」

 

イクヤ「わかりました。別れる前に、自分の気持ちを伝えます」

 

僕「それが、ヨシゾウさんのためにもなります」

 

イクヤ「ヨシゾウさんのため?」

 

僕「人を見下す人って、相手の気持ちを推し量らないんですよ。言われないと気付かないってことが多いですよ」

 

イクヤ「そうですね。僕にもプライドがあるって、ヨシゾウさんに伝えます」

 

僕「別れたら、今度は新しい彼氏探しで、相談しに来てください」

 

イクヤ「そうします。ありがとうございました」

 

僕「こちらこそありがとうございました」

 

さて、今日のゲイタロットです。

 

↑「カップの3」正位置。

成人男性と幼い少女が仲良くアイスを食べています。

 

性別や年齢差を超えた、飲食を伴う会話がいいということです。

 

 

↑「世界」正位置。

大アルカナ最後のカード。

目標達成や完成というキーワードを持ちます。

 

2枚を合わせ読むと、

世代や性別を超えた人間関係が、あなたを幸せに導きます。

 

えり好みせず、恋愛だけを考えず、気軽に幅広く人付き合いをしましょう。

意外な人と仲良くなれます。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)