ゲイ占い師 豫 空潤です。

 

少し前のオンライン鑑定です。

 

キョウタさん(仮名・40代ゲイ男性・地方在住)のプライバシー保護のため、多少変更しています。

 

キョウタ「一昨年から、東京を引き払い、この地で暮らしてます」

 

僕「東京で1人暮らしされていて、故郷に戻ったのですか?」

 

キョウタ「故郷ではなく、縁もゆかりもないところです。両親が亡くなっていて、僕は一人っ子なので、故郷との縁は切れているんです」

 

僕「今、お住いの場所は、政令指定都市とか?」

 

キョウタ「いいえ。地方の小都市です。県庁所在地ですらありません。温泉がある場所なので、観光客はまあまあ来ますが」

 

僕「お仕事がリモートワーク可能になって、引っ越されたんですか?」

 

キョウタ「そうですね。年に数回出社する以外は、毎日自宅で仕事してます」

 

僕「どうですか? 地方暮らしは?」

 

キョウタ「平和ですね。平和すぎるほどです」

 

僕「東京は平和ではなかった?」

 

キョウタ「平和ではなかったです。新宿2丁目が近くて、飲みに行ってしまうじゃないですか? すると、ゲイがいっぱいいるから、気になる男がいて声かけたり、声かけられたり……」

 

僕「出会いがあって、いいじゃないですか?」

 

キョウタ「出会いがあるのはいいんですが、若くなくなると、うまくいかないことが多くて、へこみますよね」

 

僕「キョウタさんは、まだ40代でしょう? まだまだ……」

 

キョウタ「ゲイバーで60歳ぐらいの人と話したんです。その人独身で、20年以上彼氏がいないって……でも、寂しくないって言うんです」

 

僕「寂しくないんですね?」

 

キョウタ「ゲイバーやゲイサウナがあるから寂しくないって言うんです。でも、そのゲイバーは若い人が多くて、その人、まるで相手にされてないんですよ? ゲイバーのママ(男性)と僕だけが話し相手なんです」

 

僕「……」

 

キョウタ「年末年始やお盆休みは、毎年、ゲイサウナに連泊するっていうんです。どこかに旅行するより楽しいって言うんです」

 

僕「ゲイサウナに……連泊ですか?」

 

キョウタ「よくいるじゃないですか? ゲイサウナにずっといる初老の人が……若い子に手を出して迷惑がられてる……」

 

僕「……」

 

キョウタ「本人は、いつまでもゲイライフを楽しんでいるっていう風にポジティブに話してましたが……正直言って、僕はなりたくないなって思いましたね」

 

僕「そうなのですね」

 

キョウタ「ゲイライフでもゲイ遊びでもいいですが、若い子から嫌がられる存在には、僕はなりたくないんです」

 

僕「同感です」

 

キョウタ「だから、新宿2丁目から卒業しようと思ったんです。それには、行きたくても行けないほど遠くに住むのが1番です」

 

僕「強制的に卒業するのですね? どうですか? 卒業してみて……」

 

キョウタ「やっぱり……ゲイバーは行きたくなりますね」

 

僕「でも、地元にゲイバーはないのですね?」

 

キョウタ「ゲイバーはないのですが、ゲイの人は居て……ゲイの人がやっている店はあるんです」

 

僕「そこに、ゲイの人も集まる?」

 

キョウタ「ゲイの人やレズビアンの人や……ノンケ(異性愛)の客も来ます」

 

僕「言わば、ミックスバーですね?」

 

キョウタ「普通の『飲み屋』ですけどね。事実上、ミックスバーになっているんです」

 

僕「その店で『出会い』もあるのですか?」

 

キョウタ「彼氏はできてませんが、友達はできましたね。一緒に温泉に行ったり、ドライブに行ったり……」

 

僕「先ほど、地元は温泉が出るって言ってましたよね?」

 

キョウタ「そうです。だから、温泉は日帰りです。スーパー銭湯に行く感覚で、日帰り温泉に行きます」

 

僕「観光客も来るところなんですよね? ゲイの人も来ますか?」

 

キョウタ「来ますね。実際に温泉で知り合ったゲイの人もいます。あ、変なことはしないですよ。温泉出てからLINE交換して、メル友になった……それだけです」

 

僕「昔と違って、今は地方でもゲイの出会いがあるんですね?」

 

キョウタ「昭和の頃は、地方では、嫌でも結婚せざるを得なくて……たまにこそこそとゲイの出会い場に行って、エッチの相手探したりでしたが……」

 

僕「今は、30代40代の独身男性も『アリ』なんですね?」

 

キョウタ「30代独身は全然アリですね。僕みたいな40代独身も、数は少ないですが、ズケズケ聞かれたりしないですね」

 

僕「時代は確実に変わってきていますね」

 

キョウタ「LGBTへの理解度は、まだまだだと思うんです。でも、人権とかプライバシーとかセクハラ防止は確実に進んでいて、人の恋愛や性的志向をむやみに聞いてこなくなりましたね」

 

僕「いいことですね」

 

キョウタ「特に僕の場合、会社はリモートワークで離れていて、同僚とアフター5の付き合いはないし、親戚や幼馴染も近くにいないので、立ち入った質問をしてくる人は皆無なんです」

 

僕「いいですね。で、今日のご相談は、確か……2人の男性のうち、どちらがいいか? でしたよね?」

 

キョウタ「そうなんです。ヒトシさんっていう50代前半の独身ゲイの人と、ミツヒロくんっていう40代半ばの既婚ゲイ男性との間で迷っているんです」

 

僕「どちらを彼氏にするか? ですか?」

 

キョウタ「彼氏というより、パートナーですね。正直言って、2人のどちらにも恋愛感情はなく、友人です」

 

僕「パートナーですか? ミツヒロさんには奥様がいらっしゃるんでしょう?」

 

キョウタ「ミツヒロくんは、2年後に子どもが成人するので、そしたら離婚するって言ってるんです」

 

僕「ミツヒロさんの奥さまも離婚に同意?」

 

キョウタ「そこまではわかりませんが……もうただの同居人だから、慰謝料等払えば離婚できるって言うんです」

 

僕「ゲイ同士でパートナーシップ制度ですか?」

 

キョウタ「恋愛ゲームには疲れましたが、家族は欲しいんです。ゲイ同士で家族のように暮らせば、心安らかに地方暮らしができます」

 

僕「ヒトシさんも、ミツヒロさんもご友人? 体の関係はないのですね?」

 

キョウタ「いえ……2人ともあります。でも、どちらも1~2度だけで、続いているわけではありません、二股関係ではないんです」

 

僕「占う前に確認ですが……、ヒトシさんとミツヒロさん、どちらが好きとか、よりタイプとか、ないのですね?」

 

キョウタ「どちらかというと、ミツヒロの方が少し好きで、タイプです。でも、本当に離婚するかわからないし、離婚できても、元妻がこの地にいるなら、離れたいだろうし……」

 

僕「慰謝料とか財産分与などで、ミツヒロさんの財力はだいぶ減る……そこも不利ですよね?」

 

キョウタ「そうですね。その点、ヒトシさんは既にリタイアしていて、アパート経営者なんですよ。僕なんかよりずっと金持ちです」

 

僕「一緒に暮らすなら、経済力も無視できませんね。では、『どちらと暮らすのがいいか?』を占いましょう」

 

キョウタ「お願いします」

 

キョウタさんの現状を表すカード↓

↑「カップの7」正位置。

スケートボードを持つ行動派の若者が書籍に見入っています。

憧れと実際の生活とは別です。

 

①ヒトシさん(50代独身ゲイ男性)と暮らすのがいい。

↑「金貨の10」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

お互いに、いろいろな男性との出会いや思い出があるため、2人の生活に集中できないでしょう。

 

↑「金貨の6」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

経済的に対等でないことが、人間関係をいびつにします。

 

②ミツヒロさん(40代半ば既婚ゲイ男性)が離婚するのを待ってから、暮らすのがいい。

↑「月」正位置。

男性同士の情事が描かれてます。

 

ゲイセックスを楽しむことができるでしょう。ただし、窓が開かれてます。

周囲に知られること、バレることが障壁となるかもしれません。

 

↑「保護者」リバース(逆さま)。見やすくするために正位置で貼り付けてます。

ミツヒロさんと子どもとの関係です。

奥様と離婚しても、子どもが成人しても、親子関係は変わりません。

 

ミツヒロさんが、我が子より、キョウタさんを優先するかどうかは疑問です。

 

キョウタ「どちらと暮らすのがいいんですか?」

 

僕「ヒトシさんとはやめた方が無難です」

 

キョウタ「やっぱり……」

 

僕「先ほど、年に数回、東京の会社に出向くとおっしゃっていましたよね? 出向いた夜に新宿等で遊びますよね?」

 

キョウタ「……そうですね」

 

僕「ヒトシさんと暮らすようになったら、出社した夜はゲイの出会いを控えることができますか?」

 

キョウタ「……でも、ヒトシさんの方も……」

 

僕「ヒトシさんは、時々、ウリ専ボーイを買っているのですね?」

 

キョウタ「……そうみたいです」

 

僕「そういうの、お互いに平気ですか? それとも一緒に暮らしたら、2人ともやめられますか?」

 

キョウタ「……お互いにお互いの恋愛や性行動には一切干渉しないって、初めに言い交しておけば?」

 

僕「それで、本当にお互いに納得できるのであれば……です。というか、それ以前に、キョウタさんは、ミツヒロさんのことが結構好きですよね?」

 

キョウタ「……でも……既婚ゲイとの関係は、言わば不倫なので……」

 

僕「でも、好きですよね? 体の関係も、1~2度じゃないですよね?」

 

キョウタ「……はい。もっとあります。でも、遊びの関係は嫌なので……ミツヒロには離婚してくれないなら別れる……って言っています」

 

僕「ミツヒロさんは、離婚するって言っているんですね?」

 

キョウタ「……はい。でも、本当に離婚してくれるのか……」

 

僕「奥様はともかく、ミツヒロさんにとって、子どもは大事です。キョウタさんと暮らしても、子どものそばに居て、親子関係の継続を望むでしょう」

 

キョウタ「……そうですか」

 

僕「それに、女性の中には、夫への愛情がなくなっても、婚姻関係の継続を望む方が一定いますよ。ミツヒロさんの奥さまは離婚してくれますかね?」

 

キョウタ「……わかりません」

 

僕「今の段階では、ミツヒロさんとの暮らしもお勧めしません。離婚が成立してから……の話になりますね」

 

キョウタ「……わかりました」

 

僕「最後に、最終アドバイスカードを引きましょう」

 

最終アドバイスカード↓

↑「節制」正位置。

調理する男性です。

家事などの日常生活を大事にしましょう。

自己をコントロールし、バランスよくすることが大切です。

 

キョウタ「……料理をがんばります」

 

僕「このカードは、料理や家事だけを言っているわけではありません。身の回りのすべての調和を言っているのです」

 

キョウタ「……身の回りの調和?」

 

僕「リモートワークの仕事、アフター5のミックスバー、家事や趣味……そういった今の暮らしの全体をバランスよく充実させてください。せっかく、東京の喧騒を離れて、静かに平和に暮らしているのですから」

 

キョウタ「わかりました……ヒトシさんとは友達のままでいます。ミツヒロとは、離婚が成立するまで会いません……」

 

僕「それがいいと思います。2人で暮らすのって、それだけでいろいろあるんです。信頼関係は必須ですし、恋愛感情もあった方がいい。お互いへの懸念は少ない方がいいんです」

 

キョウタ「パートナーシップ制度に登録したかったのですが……とりあえずやめて、ひとり暮らしを続けます」

 

僕「それがいいです。平和な地方暮らしを応援しています」

 

キョウタ「ありがとうございました」

 

僕「ありがとうございました」

 

さて、今日の千一夜タロットです。

↑「愚者」正位置。

貧しい身なりの男性が放浪しています。当てもなく、厳しい旅なのでしょう。

 

人間関係を解消するということは、自由と引き換えに孤独というリスクもあるのです。

 

↑「聖杯のエース」正位置。

美しい人魚姫の来訪です。恋愛などが始まるということです。

 

2枚を合わせ読むと、

何かを失わなければ手に入らないものもあります。

現状を受け入れるか? リスクを承知で新しいところに飛び込むか?

考えどころです。

 

↓ 占いの師である、霊観占 大幸 峰ゆり子先生。

 

 

↑峰ゆり子先生宅玄関前の観音像(北海道苫小牧市)